第VI章:成人の労働時間
第51条 週の労働時間
成人労働者は、1週間に48時間を超えて工場で働くことを要求され、または容認されないものとする。
第52条 週休
(1) 成人労働者は、以下の場合を除き、週の第1日(これ以後、当該日と呼ぶ)に工場で働くことを要求され、または容認されないものとする。
(a) 当該日直前または直後の3日間の1日に全日休日を取った、または取る場合、および
- (b) 工場支配人が、当該日または(a)項による代替日の、いずれかの早い日以前に、
-
(i) 監督官事務所に、その労働者に当該日に作業を求める意図と、代替となる日に関する通知を送付した場合、および
(ii) この趣旨の通知を工場に掲示した場合:
ただし、労働者が休日なしに全日、連続して10日間以上、働く結果となる代替を与えてはならない。
(2) (1)項による通知は、監督官事務所に届けられた通知と工場に掲示された通知とが、当該日か、または取り消されることとなる休日か、どちらか早い日の前日までに通知すれば取り消しできる。
(3) (1)項による規定に従い、労働者が当該日に働き、その直前の3日間の1日に休日を得ていた場合、その当該日は、その週間作業時間の算定目的では前週に含まれる。
第53条 代休
(1) 本法の規定の下、工場またはそこに働く労働者を第52条規定から適用除外する命令が採択され、または規則制定の結果、労働者が52条(1)項の規定した週休を失った場合、その労働者は、失った休日と同じ日数の代休を、これら休日に権利を持っていた月間またはその月の直後の2ヶ月間に認められなければならない。
(2)1[州]政府は(1)項に規定の休日を認める方法を規定できる。
第54条 1日の時間
第51条の規定に従い、あらゆる成人労働者も工場で、あらゆる日も9時間以上働くことを要求され、または容認されないものとする。
2[ただし、主任監督官の事前承認に従い、本条で特定された1日の最大時間は、シフトの変更を容易にするため、超えることができる.]
第55条 休息時間
3[(1) 工場における成人労働者の各日の4[作業時間帯]は、どの時間帯も5時間を超えず、あらゆる労働者も半時間の休息を取る前に5時間以上は働かないように固定しなければならない。
5[(2) 州政府または州政府の管理に従う主任監督官は、命令書で文中に特定した理由により、労働者が休息なしに働く全時間数が6時間を超えない限り、あらゆる工場をも(1)項の規定から適用除外できる。]
第56条 拘束時間
工場における成人労働者の作業時間帯は、第55条によるその休息時間を含めて、あらゆる日も10時間30分を超えないよう取り決めなければならない。
ただし主任監督官は文書で特定する理由に基づき6[拘束時間を12時間まで]延長できる。
1 1950年法律命令調整により「州」(provincial)を置換
3 1954年法律25号により55条を55条(1)項に変更
5 1954年法律25号により55条(2)項を追加
第57条 夜間交替制勤務
工場の労働者が午後12時を超えるシフトで働く場合‐
(a) 第52、53条の目的で、1日の全日休日とは、その労働者の場合、彼のシフトが終わる時に始まる、連続した24時間を意味する。
(b) その労働者にとって「翌日」とは、そのようなシフトが終わる時に始まる24時間と見なされ、午後12時を越えて働いた時間は、その前日に算入されなければならない。
第58条 重複する交替制の禁止
(1) いかなる工場も、2チーム以上の労働者が同一時間に同一種類の作業に従事する組合わせの交替制で作業を行ってはならない。
1[(2) 州政府または州政府の管理に従う主任監督官は、命令書で文中に特定した理由により、工場または工場の等級または種類、工場の部または課、そこにいる労働者の分類または細目について、便宜的と考えられる条件に基づき、(1)項の規定から適用除外できる。]
第59条 超過勤務の超過賃金
(1) 労働者が工場で、いかなる日であっても9時間を超えて、またはいかなる週であっても48時間を超えて、働く場合、その労働者は超過勤務について、その通常賃金の2倍の割合による賃金の権利を持つものとする。
2[(2) (1)項の目的のための「通常賃金」とは基本給と、食物穀類その他物品の割引販売で蓄積された特典の現金相当額を含め、労働者が現在権利を持つその他手当との合計を意味するが、ボーナスと超過勤務賃金は含まない。
(3) 工場の労働者が出来高払いで支払われる場合、時間による賃金は、超過勤務が行われた暦月の直前月に同一または同種の仕事で実際に働いた日々のフルタイム作業による平均日収に等しいと見なされる。
ただし、直前の暦月に同一または同種の仕事で働かなかった労働者の場合、時間による賃金は、超過勤務が行われた週に彼が実際に働いた日々の日収平均に等しいと見なされる。
説明:この項の目的のため、労働者が実際に働いた日々の収入算定には、食物穀類その他物品の割引販売で蓄積された特典の現金相当額を含め、労働者が現在権利を持つその他手当が含まれるが、ボーナスまたは収入が算定されつつある対象期間に関して支払われた超過勤務賃金は、除外するものとする。
3[(4) 食物穀類その他物品の割引販売で蓄積された特典の現金相当額は、標準家族に認め得る食用穀物その他物品の最大量を基礎に、規定の限り頻繁に算出されねばならない。
説明1:「標準家族」とは、労働者、その配偶者、年齢14歳以下の児童2名から構成、3成人消費単位を要する家族を意味する。
説明2:「成人消費単位」とは、年齢14歳を超えた男性の消費単位であり、年齢14歳を超えた女性の消費単位および14歳以下の児童の消費単位は、それぞれ成人消費単位の0.8、0.6倍として算出されるものとする。
(5) 州政府は規則を定めて、以下の事項を規定することができる。
(a) 労働者に対する食用穀類その他物品の割引販売で蓄積された特典の現金相当額が算出されなければならない方法;および
(b) 本条の規定励行を確保するため工場に保持されなければならない登録簿.]
注
超過勤務賃金‐第59条の目的は、いかなる日であっても規定の時間以上、または、いかなる週であっても48時間を超えた働く労働者に、特別な賃金を提供することである。労働者が自分の責務の範囲を超え、会社の費用で旅行に出る時、彼は勤務規則により日当と旅費とに対する権利を持つ。この条文は、業務で旅行に出された労働者に対する特別な賃金の支払いを規定していない。
2 1976年法律94号により置換(w.e.f. 26.10.1976)
3 1954年法律25号により旧(4)項を(4)項、(5)項に変更
第60条 二重雇用の制限
いかなる成人労働者も、規定された状況の場合を除き、別の工場で就労している日に、工場で働くことを要求され、または容認されないものとする。
第61条 成人のための作業時間帯告知
(1) 各工場は、第108条(2)項の規定に基づき、成人労働者が各日に作業を要求される時間帯を明示した成人作業時間帯の告知を掲示し、適正に維持しなければならない。
(2) (1)項に定める告知に示される時間帯は、本条の以下の規定に従い事前に固定されるものとし、またこれら時間帯に働く労働者が、第51、52、541[55,56および58]各条の規定に反し作業しないものとする。
(3) 工場の全成人労働者が、同一時間帯に作業を求められている場合、その工場の支配人は、その労働者全般の時間帯を固定しなければならない。
(4) 工場の全成人労働者が、同一時間帯に作業を求められていない場合、工場支配人は労働者の作業の性質に応じて、各グループの労働者数を示し、その労働者をグループに分類しなければならない。
(5) 交替制作業を求められないグループにつき、工場支配人はグループが作業を求められる時間帯を固定しなければならない。
(6) グループが交替制作業を求められ、シフトが交替の周期的変更を被らない場合、工場支配人は各交替グループに作業を求める時間帯を固定しなければならない。
(7) グループが交替制作業を求められ、シフトが交替の周期的変更に従う場合、工場支配人は、すべての作業日につき、交替グループに作業を求める時間帯と、1日の時刻別に作業中の交替グループを明示する交替計画とを作成しなければならない。
(8)2[州]政府は、(1)項により規定の通告の書式、および、その保持方法を規定できる。
(9) 本法の施行後に作業を開始する工場の場合、(1)項で述べた通告の写し2部を工場の作業開始日前に監督官に送付しなければならない。
(10) 工場作業システム上の計画変更で、(1)項に述べた告知に変更を要する者は、変更実施前に監督官に2部をもって通告しなければならず、また、このような変更は、監督官の事前許可がある場合を除き、直近の変更から1週を経過するまで、実施してはならない。
1 1954年法律25号により「55条および56条」を置換
2 1950年法律命令調整により「州」(provincial)を置換
第62条 成人労働者登録簿
(1) あらゆる工場の支配人は、作業時間を通じ、または工場内で何らかの作業が行われている時には、常に監督官が入手可能な成人労働者登録簿を保持しなければならない。この登録簿には、次の事項を記載する。
(a) 工場内の各成人労働者の氏名;
(b) 各人の作業の性質;
(c) 該当する場合は、同人の所属するグループ;
(d) 同人の所属グループが交替制で働く場合、同人に割り当てられたシフト;
(e) 他に規定される種の、その他の細目:
ただし、もし監督官が、工場の日常業務として保持されている、その他の点呼録または登録書が、工場のあらゆる労働者につき、本条が求めるすべての細目を提供している、と考える場合、監督官は文書指示により、このような点呼録または登録書を、それが対応する部分につき、工場の成人労働者登録簿の代替または同等なものとして、保持し取り扱うことを命じることができる。
1 (1A)いかなる成人労働者も、氏名およびその他の細目が成人労働者登録簿に記載されていない限り、作業を要求され、または容認されない。]
(2) 2 [州]政府は、成人労働者登録簿の書式および、その保持方法と保存期間を定めることができる。
第63条 第61条告知および第62条登録簿に対応する作業時間
あらゆる成人労働者も、当該工場に表示され、工場の成人労働者登録簿の氏名欄に前もって記入されている以外の工場で働くことを要求され、または容認されないものとする。
第64条 適用除外規則を定める権限
(1) 3[州]政府は規則を定め、監督または管理の職務または工場における守秘を伴う職務の人々を定義でき、4[または主任監督官の見解では、その者がこのような職務にある場合、またはそのために雇用されている場合、主任監督官に権限を与え、このような裁定により定義される個人を除き、あらゆる個人をも監督または管理の職務、または工場における守秘を伴う職務にあるものと宣言でき]、また第66条(1)項(b)および同項但し書きの規定以外の本章の規定は、このように定義された5[または宣言された]者には適用されない:
6[ただし、もしこのように定義または宣言された者の正規等級の賃金7[1936年賃金支払い法(1936年法律第4号)第1条(6)項と後の修正が規定する賃金制限を超えない場合]、第59条の超過勤務に関し超過賃金に対する権利を持つものとする。]
(2) 8[州]政府は、工場の成人労働者につき、次に指示されるような範囲、条件下で、例外を認める規定を定めることができる。
(a) 緊急修理に従事する労働者につき、第51、52、54、55、56条の規定から;
(b) 工場の一般的活動に課せられた制限外に完遂する必要がある準備的、補完的性質の作業に従事する労働者につき、第51、54、55、56条の規定から;
(c) 必然的に間欠的であるため、勤務中に作業しない間隔が通常、第55条により求められた休息の間隔を超える労働者につき、第51、54、55、56条の規定から;
1 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
2 1950年法律命令調整により「州」(provincial)を置換
3 1950年法律命令調整により「州」(provincial)を置換
4 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
5 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
6 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
7 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
8 1950年法律命令調整により「州」(provincial)を置換
(d) 技術的理由から継続的に1[xxx]遂行されねばならない作業に従事する労働者につき、第51、52、54、55、56条の規定から;
(e) 毎日、製作または供給されねばならない高度に重要な物品の製造または供給に従事する労働者につき、2[第51、52条]の規定から;
(f) 規定の季節以外は完遂できない製造工程に従事する労働者につき、3[第51、52, 54条]の規定から;
(g) 自然の力による不定期的な行動に依存する時しか完遂できない製造工程に従事する労働者につき、第52、55条の規定から;
(h) 機関室、ボイラー室に従事、発電所または動力伝導機械を監視する労働者につき、4[第51、52条]の規定から;
5[(i)新聞印刷に従事し、機械故障のため足止めされた労働者につき、第51、54、56条の規定から];
説明:本項目にある「新聞」の表現は、1867年報道および書籍登録法(1867年法律第25号)により、この語に与えられた意味を持つ。
(j) 鉄道貨車6[またはトロッコまたはトラック]の積荷、荷降ろしに従事する労働者に関し、第51、52、54、55、56条の規定から;
7 (k) 州政府により官報で国家的重要性の作業と通告された作業に従事する労働者に関し、第51、52、54、55、56条の規定から]
(3) (2)項に基づいて例外を定める規定は、第61条の諸規定から8[州]政府が、自ら定める条件に従い、適切と考える例外を規定することができる。
- 9[(4) 州政府は、本条に基づく規則を定める場合、(2)項(a)による例外に関するものを除き、以下の超過時間を含む作業制限を超えてはならない。
-
(i) 1日の全作業時間は10時間を超えてはならない。
(ii) 休息時間を含む拘束時間は、1日につき12時間を超えてはならない。
ただし、州政府は(2)項(d)に述べた労働者の分類のいずれか、またはすべてに関し、シフト労働者が欠勤した労働者の不在に対応して、次のシフトの一部または全部を作業するため、(i)および(ii)の課した制限を適用しない状況と条件を示す規定を定めることができる。
1 1954年法律25号により「一日中を通じて」を削除
2 1976年法律94号により「52条」を置換(w.e.f. 26.10.1976)
3 1976年法律94号により「52条」を置換(w.e.f. 26.10.1976)
4 1976年法律94号により置換(w.e.f. 26.10.1976)
5 1954年法律25号により(i)項、(j)項を追加
6 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
7 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
8 1950年法律命令調整により「州」(provincial)を置換
1[(iii) 超過勤務を含む1週当たり作業時間は60時間を超えてはならない];
2 (iv) 超過勤務時間は1四半期当たり50時間を超えてはならない。
説明:「四半期」とは、1月1日、4月1日、7月1日、10月1日に始まる連続した3月を意味する。]
(5) 本条に基づく規則の規則は、3[5年]を超えない期間のみ効力を持つものとする。
第65条 例外命令を制定する権限
(1) 4[州]政府は、実施作業の性質、またはその他の状況により、工場の成人労働者の作業時間帯、または工場の等級、種類を事前に固定することが非合理的である、との見解を持てば、命令書により同工場のそのような労働者に関する第61条の規定を、適切と考える範囲および方法で、また政府が作業時間帯の管理を確実にする上で便宜的と考える条件に従い、緩和または修正してもよい。
(2) 5[州]政府、または6[州]政府に属する主任監督官は、政府または主任監督官が適切と考える条件に基づき、工場または諸工場が例外的に緊急作業に対処可能となるため例外が必要であるとの根拠に基づき、命令書により、工場または工場のグループ、等級、種類における、一部またはすべての成人労働者を第51、52、54、56条の規定から適用除外できる。
- 7[(3) (2)項により認めたあらゆる例外も、以下の条件に従うものとする。
-
(i) 1日の全作業時間は12時間を超えてはならない;
(ii) 休憩時間を含めた1日の拘束時間は13時間を超えてはならない;
(iii) 1週の超過勤務を含む作業時間は、60時間を超えてはならない;
(iv) あらゆる労働者も連続した7日を超えて、超過勤務することを認められない。また1四半期の全超過勤務時間は75時間を超えてはならない。
説明−本項における「四半期」は第64条4項にあると同じ意味を持つ。
(4)8[********]