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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

海外の労働安全衛生統計−イギリス(2007/08)

2009年6月29日

イギリス安全衛生庁(HSE)のウェブサイトにおける 統計 (statistics) 別ウィンドウが開きます のページに2007/08の PDF 別ウィンドウが開きます 安全衛生統計 (Health and Safety Statistics 2007/08) が掲載された(32ページの冊子)。その概要は次のとおりである。

 

業務上疾病

労働力調査(Labour Force Survey−LFS)によれば、07/08年において、現在または過去における業務に起因して疾病にかかったか、 悪化したと考えている労働者は、210万人である。このうち、130万人は、今年度も働いていた労働者で、 さらにこれらのうち563,000人は新規に罹患したと見られる人たちである。

2006年における中皮腫による死亡者は2,056人で、その他の職業性がんおよび肺疾患による死亡者は更に数千人に達する。

※LFS:(Labour Force Survey):四半期ごとに行われるイギリスの労働市場に関する5万世帯対象の全国調査。

 

業務上死傷災害

07/08年の業務上災害による死亡者数は、229人に上り、死亡10万人率は0.8である。 傷害・疾病・危険発生報告規則(RIDDOR−the Reporting of Injuries‚ Diseases and Dangerous Occurrences Regulations 1995) に基づいて報告された死傷者数は、136,771人で、10万人率は517.9である。 一方、労働力調査(LFS−Labour Force Survey)によると負傷者数は299,000人で、10万人率は1000である。

 

労働損失日数

全体の労働損失日数は、3,400万日であり、労働者一人当たり1.4日である。 このうち2,800万日が疾病によるもので、600万日が死傷災害によるものである。

 

自己申告による疾病

労働力調査によると、07/08年におおよそ210万人の労働者が業務に起因する疾病にかかったと考えている。 これらのうちの半数以上は、過去12ヶ月に働いた労働者が罹患したものである。 また、最も多く報告された疾病は、筋骨格系障害及びストレスによるものであった。

疾病の種類 有病者数の推計中央値(1,000) 95%信頼区間
下限値 上限値
筋骨格系障害 539 504 574
 主に腰痛 241 218 264
 主に上肢、首 213 191 235
 主に下肢 86 72 100
ストレス・うつ・不安 442 410 475
伝染病 40 30 50
呼吸器や肺の障害 36 27 45
合計 1,261 1,206 1,316

※記載されていない疾病(例心臓病、皮膚病など)があり、推計中央値であるため合算した数値と合計は異なる。

 

死亡災害

07/08年(暫定)における業務上災害による死亡者数は229人で、これは10万人率で、0.80である。 長期的に見た死亡災害発生率は減少傾向にあるものの、過去6年においてはあまり変化が見られない。 主要な産業部門のうち、建設業および農業における死亡災害率が最も高く、 07/08年の2部門合計は全体の約半数を占め、その数はそれぞれ72人と39人であった。

年度 被雇用労働者 自営者 労働者合計
10万人率 10万人率 10万人率
99/00 162 0.7 58 1.7 220 0.8
00/01 213 0.9 79 2.4 292 1
01/02 206 0.8 45 1.3 251 0.9
02/03 183 0.7 44 1.3 227 0.8
03/04 168 0.7 68 1.8 236 0.8
04/05 172 0.7 51 1.3 223 0.8
05/06 164 0.6 53 1.4 217 0.7
06/07 191 0.7 56 1.2 247 0.8
07/08 179 0.7 50 1.2 229 0.8

 

RIDDOR規則により報告された休業災害

07/08年において、RIDDOR規則により報告された重篤災害(Major injuries:骨折、手足の切断、脱臼などを伴う重篤な負傷)は27,976件であり、 10万人率は105.9で、前年と比較して3%の減少を示している。 そのうち3分の1以上が滑りとつまずきによるものである。 重篤災害以外の休業4日以上の災害件数は、108,785件であり、10万人率では、411.9である。 これらの5分の2は物体などの取り扱いによるもので、4分の1が滑り、つまずきによるものである。

年度 被雇用労働者 自営者 労働者合計
重篤災害 10万人率 10万人率 10万人率
04/05 30,451 117.9 1,251 33 31,702 107.1
05/06 28,914 110.5 1,303 34 30,217 100.7
06/07 28,544 108.8 1,194 30.1 29,738 98.4
07/08p 27,976 105.9 1,187 29.4 29,163 95.8
休業4日以上の負傷
04/05 121,779 471.7 1,143 30.2 122,922 415.2
05/06 119,045 454.7 1,223 31.9 120,268 400.7
06/07 114,653 436.8 1,146 28.9 115,799 383.2
07/08p 108,795 411.9 1,117 27.6 109,912 360.9

 

労働力調査(LFS)とRIDDOR規則による報告との災害件数の差異

LFSによる事業者からの自主報告では、要報告休業災害数は299,000となっている。 これは、10万人率では約1,000に相当する。 この数値は、ここ数年では同じような数値であるが、04/05年との比較では、統計的に明確に低くなっている。

RIDDOR規則による事業者からの報告に基づく重篤災害及び休業4日以上の災害の発生率と比較すると事業者からの規則による災害報告のレベルは49%と推計される。

監督指導の執行通知

07/08年にHSEは、7,715件の執行通知を行った。 また、鉄道監督局においても25件の通知を行った。 さらに、地方自治体においては、6,010件の通知を行った。 通知の合計は、13,750件であり、内訳は改善指導が8,998件、改善命令が104件及び即時使用停止が4,648件であった。

司法処分

07/08年にHSEは、1,137件の法違反事案について司法処分を行った。 これらのうち、1,028件が完結し、839件が有罪となった。 これらのうち2件は、鉄道に関連する事案であった。 有罪事案の平均の罰金額は、12,896£であった。 また、100,000£以上の罰金事案を除けば、平均罰金額は7,809£となる。 1,028の違反事案の数値は、個別の安全衛生法令に対する個々の違反を示している。 したがって、同一の司法処分事案において2以上の違反があることを意味している。 07/08年における1,028件の違反事案は、565件の事件として司法処分されている。 これらのうち、1の有罪事案が少なくとも2以上の違反を含んでいるのは、537件である。

07/08年に地方自治体により354件の違反に対して司法処分が行われ、すべて完結し334件が有罪であり、 有罪率は94%であった。これらの違反は、156件の司法処分であり、152件(97%)は少なくとも1以上の違反に対して有罪となった。 罰金額の平均は、7,663£であり、100,000£以上の事案を除けば、平均罰金額は、5,650£となる。

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