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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

「職場のいじめを撲滅する方策」−カナダ労働安全衛生センター

2008年5月13日

CCOHS Health and Safety Report 6巻4号(2008年4月) 別ウィンドウが開きます
Putting an End to Workplace Bullying

カナダ労働安全衛生センター(Canadian Centre for Occupational Health and Safety –CCOHS) が毎月配布しているメルマガに掲載された記事である。 カナダ労働安全衛生センターのhp 別ウィンドウが開きます には、さまざまな分野の平易な情報が豊富に掲載されている。

職場のいじめを撲滅する方策

職場に存在するハザードは、機械や有害物質だけではない。 状況によっては、一緒に働いている人たちそのものが、危害や発病の原因となることがある。 意図的に恥をかかせたり、信頼関係を損なうような処遇や言動が繰り返し行われる状況をいじめという。

いじめとは?

悪意のある噂話やうそを広める行為も、いじめに含まれる。 除外や無視、威圧的な態度、身体的虐待や脅迫的態度、声を張り上げたり、 不適切な言葉の使用、明らかに不快な冗談や、とても間に合わない締め切りの押し付け、 非現実的な仕事量、故意で卑劣な仕事の妨害や、個人的な習慣やライフスタイルの批判なども含まれるが、 これらはほんの一部であり、決して完全なリストではない。

いじめはどのように有害か?

いじめは、職場において、労働者に過度のストレスを引き起こす深刻な問題として、 益々広く認識されつつある。いじめは単に人の感情を傷付けるだけではない。 2007年に実施された米国WBI(Workplace&Bullying Institute)による職場のいじめに関する調査で、 いじめを受けた労働者の45%がそのストレスにより健康を害していること、 また実にアメリカの労働者全体の37%が職場でいじめを受けた経験があることが判明した。 更に、いじめによる犠牲者の77%が結果的に仕事を失い、 また、いじめから逃れることができた人々の40%が、その手段として、自発的に職場を去るしかなかったと報告している。 健康上の主問題においては、職場でのいじめが関連していると考えられ、 ストレスによる高血圧、不安、パニック発作、うつ病、心的外傷後ストレス症候群がこれに含まれる。

いじめはまた、企業組織に対しても悪影響を及ぼし、ストレスによる欠勤や離職の増加を引き起こす。 従業員を失うことは、知恵や経験の損失を引き起こし、 従業員援助プログラム(EAPs)や、新たな労働者の補充においても大きなコストの負担となる。 士気が下がると、従業員の生産性も低下し、即ち企業の収益も減るのである。

いじめの張本人は誰か?

あなたの職場の誰もが張本人になり得るが、WBIの調査によると、 いじめの72%が上司によるもので、最もその標的になり易いのが、一般社員や女性社員であった。(57%を占めた)

対策をどうするのか?

いじめによる被害者は、加害者に対し、その行為は受け入れがたいものであるので、 速やかに態度を改めるよう明確に伝えるべきである。 若しくは、信頼のおける監督者や管理者、組合の役員に相談するのも賢明な手段であろう。 被害者は、いじめ行為の逐一を日記に記し、手紙、メモやメールなど相手からの対応はすべて記録として保管しておくべきである。 何故ならば、ことの性質からだけでなく、その頻度や、回数、パターンからいじめの特徴が見えてくるからである。

もし、あなたがいじめにあっていても、報復はしてはならない。 これは、加害者が誰であるかを明確にするためである。 必ず被害を適切な監督者や管理者、必要に応じては更に上級の管理者に報告することである。 労働安全衛生に関する法律において、雇用主は、 身体の安全とメンタルヘルスに対するハザードから労働者を守る一般的義務が示されている。

尚、ケベック、サスカチュワンとマニトバ州など、職場のいじめの状況に特定の規制が適用される地域がある。 いじめは、職場における暴力行為の一つである為、雇用主はいじめに止まらず、 嫌がらせや、身体的暴力などをも包括する政策を書面に記し、示すべきである。

職場で実行するための一般的ヒント

  • 職場における全ての人に尊敬とマナーをもって接するよう推進する。
  • 職場の政策のひとつに、報告システムを導入する。
  • すべての苦情を真剣に扱う。深刻な状況を招き、手に負えなくなる前に解決する。
  • 職場の全ての人にいじめが重大であること、いじめとは何か、誰が助けることができるかについて教育をする。
  • 監督者や管理者に対して、いじめについての苦情や、その潜在的な状況への対処方法を教育し、 苦情として届出されているといないに拘わらず、内密かつ迅速に対応することを奨励する。
  • 必要ならば、公正な立場の第三者の協力を用意する。

関連情報

職場のいじめについては、諸国において多くの機関が情報を提供しているが、その中の主要と考えられる例を以下に示す。

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

  • 厚生労働省
  • 安全衛生マネジメントシステム審査センター
  • 安全衛生情報センター