お問合せ
中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp
お知らせ
国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2008年5月13日
国際労働機関ILOは、2008年の世界労働安全と健康の日に当たり、事務局長メッセージ、 職場におけるリスク抑制を啓発するパンフレット、ポスターなどの関連資料をHPに掲載した。
このリスク抑制を啓発する12ページの簡潔なパンフレットの概要を紹介する。
http://www.ilo.org/global/What_we_do/Events/Campaigns/lang--en/docName--WCMS_091613/index.htm
MY LIFE わが生活
MY WORK わが仕事
MY SAFE WORK わが安全な仕事
−Managing risk in the work environment 仕事場のリスクの管理
となっており、安全が生活と仕事と一体であることを示している。
人々はあらゆる職場で、安全と健康のリスクに直面しており、2005年のILOの推定によると、 世界全体においては、毎年220万人の傷害または疾病による死亡、2億7千万件の休業3日以上の傷害、 1億6千万件の職業性疾病が発生している。
職場の安全と健康は、各国の政府、事業者、労働者とその家族のそれぞれの課題である。 一部の産業においては、他の産業より危険が大きいし、移民や周辺的業務の者は、 悪い環境で働くことが多い。貧困は、危険な職業と結びつきやすい。
すべての管理者と作業者は、自分自身の職場における傷害を防止し、 自身の安全と衛生を守るため、いかにリスクを管理し、低減するかに取り組まねばならない。
災害や疾病の生ずる原因は、いくつかが存在するが、多くの場合において、組織、物理的要因、 ヒューマンファクターが関与している。
リスクの分類方法は種々あるが、一般的な類型の例としては、
があり、生じた損害の種類による分類の例としては、
がある。ある産業においては、広い範囲にわたるリスクの存在することがある。 例えば、鉱業では高速で動く物体との接触ばかりでなく、 有害な粉じんや蒸気にばく露し、自然発火による爆発に遭遇することもある。
仕事場のリスクの管理によって、作業に起因する災害と疾病による人的な損失と経済的な損失の両方を低減させることができる。 これらによる損失は、作業者とその家族、企業および社会に対して、耐え難いものであり、 全体の損失金額は世界全体のGDPの4 %にも達している。 職場を健全とし、傷害と疾病を減少させれば、直接的負担が減るばかりでなく、企業の生産性と利潤が向上して、 国家の経済に対しても貢献するとの明確な証拠が存在する。
リスクを抑制するためのハザードの特定とリスクの評価においては、 適切な情報の入手が重要であり、以下の4ステップに従って実施すべきである。
(1)リスクの根源からの除去または抑制
(2)設備的対策と安全装置
(3)作業手順の改善
(4)個人用保護具の支給・使用・保全
安全と衛生に関する責任とリスクに対処する手順が明確な確固たる企業組織の存在が必要である。
詳細は、「
ILO労働安全衛生マネジメントシステムガイドライン(2000)」を参照すること。
作業者、雇用者、行政、社会がそれぞれ適切な役割分担を果たさなければならない。
作業者に対しては、物理的要素、化学物質ほかの健康影響要因、社会心理的要因に関して、 防護対策に関する教育訓練、仕事上の危険に関する定期的な情報提供、 職場における一般的なハザードに関する情報提供が行われなければならない。
行政の役割は、労働安全衛生に関する国として政策と規制の実施と監督に関する有効なシステムを確立することにある。 国際的な条約・勧告を批准して可能な限り実施するとともに、職業上の傷害、疾病に関する統計を作成して、 進歩の程度を把握し、将来の政策決定に役立たせなければならない。
教育・訓練機関、大学等の研究機関の役割も重要である 学校における安全教育が重視されつつある。 国際間の協調も強化されつつある。などが述べられている。
各国政府機関などは、この日に関するメッセージなどを公表している。例をいくつか示す。