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各国情報・国際関係

クレーン災害の発生状況と防止のための提言を記載したCPWRの報告書

2008年7月24日

Occupational Hazards 2008年6月18日
CPWR:22 Workers Die Annually From Crane–Related Incidents

アメリカ建設業研究・教育訓練センター (CPWR– Center for Construction Research and Training  以前の名称 The Center to Protect Workers’ Rights)は、 クレーンに関する災害の発生状況をまとめ、防止対策として8項目の提言を記載した報告書を刊行した。

原資料の題名は、Crane–Related Deaths in Construction and Recommendations for Their Preventionで、 PDF 別ウィンドウが開きます CPWRのサイト から全文をダウンロードできるが、Occupational Hazards June 18‚ 2008に掲載されている概要を紹介する。

なおpress release‚ power point‚ videoもCPWRのサイトに掲載されている。

Occupational Hazards 2008年6月18日

CPWR(建設業研究・教育訓練センター):クレーン関連事故により毎年22名の作業者が死亡

CPWRの最近の報告によれば、1992年から2006年の間に毎年22名の建設働者がクレーン関連の事故により死亡している。 この報告は、更なる死亡災害を防止するためのクレーンの運転者及び検査者に対する国家資格証制度の導入についての提言をしている。

この報告は、労働統計局BLSのデータを引用して安全研究部のマイケル マッキャン部長と2名の同僚が執筆したものである。 同報告においては、307件のクレーン事故における323名の建設労働者の死亡を確認するとともに、 建設労働者の死傷と付近の一般人の被災の例を掲げている。

報告によれば、最も多い死亡原因は架空送配電線への接触による感電事故死である。 これらの電災害の半数は、クレーンブーム又はワイヤロープの架空送配電線への接触であり、 その他はクレーンの不特定の部分が送配電線に接触したものである。

クレーンの倒壊が、第2の主な原因で21%に上っている。これらの事故の5分の1は、 クレーンが不安定な場所に設置されていたことが原因である。 次いで過負荷及び荷又はブームの振れによる倒壊がそれぞれ16%及び8%となっている。

他の18%は、労働者がクレーンブーム又はジブに激突されたものである。

提 言

CPWRの報告は、小規模請負業者の労働者の死亡が1992から2006年までに発生したクレーン関連死亡災害の3分の1を占めていることを示している。 半数以上の死亡災害は、一般建設労働者と重機械運転者であり、また大半の死亡事故には移動式クレーンが関係している。 報告書は、「労働者及び監督者の教育訓練不足、 現場安全管理計画が不十分であること及びクレーンの検査が適切に行われていないことがこれらの災害原因であり、 また、クレーン事故及びクレーンによる死亡災害についての適切な調査と報告の欠如していることがわかる。」としている。

CPWRは、クレーン関連死亡災害の予防を促進するための8項目の提言をしている。

  • クレーン運転者は、全国クレーン運転者認証委員会 (National Commission for the Certifications of Crane Operators(NCCCO)) のような全国的に認定されたクレーン運転者試験機関により資格を付与されること。
  • クレーンに荷を取り付ける玉掛け者及びクレーン運転者が荷を下ろす場所に誘導する合図者は、有資格者とすること。
  • クレーンの検査者も有資格者とすること。
  • クレーンを組み立てた後又は改造した後は有資格の検査者による完全検査を行うこと。
  • クレーンの組み立て、改造又は分解に当たっては、必要な資格と能力を有する者の監督のもとで教育訓練を受けた者に行わせること
  • クレーンのつり荷が街路上を通過しないようにすること。荷の運搬経路を変更できないときは、作業中に、当該街路を閉鎖すること。
  • 特にクレーンの倒壊事故については、完全なデータの報告が必要である、 又、労働安全衛生局(OSHA)はクレーン関連事故のより綿密な調査を行うこと。
  • 2008年8月に労働安全衛生局がクレーン及びデリックの基準の改正案をパブリックコメントのために公表するに当たっては、 基準案と提言の採択を早めるための最大限の努力を行うこと。

米労働総同盟産業別組合会議(AFL–CIO)の建設職種部、ニューヨーク建築職種会議及び運転技術者組合は、 この報告と提言の発表に関してCPWRに参画している。

米労働総同盟産業別組合会議の建設職種部理事長のマーク エイヤー氏は、「CPWRの提言は、 すべての建設労働者のみならずクレーンの近くに住みまたは働いている人々にとっても利益をもたらす。」としている。

運転技術者国際組合理事長のヴィンセント ギブリン氏は、 「米国の労働者の生命を確保することにおいて政府が責任ある役割を持つことを必要としている。」、 又「我々は、労働安全衛生局が既存の基準的確に施行するとともに及び今後必要な規準を制定・ 施行することを必要としている。」と言っている。

エイヤー氏は、また、 労働安全衛生局OSHAがこれらのクレーン関連死亡災害の防止に取り組みそして労働者の保護のために更に力を入れるべきことを認めるとともに、 「労働安全衛生局は、同局において4年間ほこりをかぶっているクレーン・デリック基準を整備する必要がある。」、 「より多くの建設労働者が死亡するなかで、付近の者も又、傷害を受け、死亡して、リスクに暴露されている。 我々は、労働安全衛生局OSHAが行動することを待っている。」とも言っている。

 

関連情報

  • 海外トピックスス「クレーン及びデリックのリスク管理に関する米国安全技師学会(ASSE)ニュース」
    2008年5月
    American Society of Safety Engineers News
    Managing Cranes and Derricks Safety Risks(May 30‚ 2008)−May 2008
    http://www.asse.org/newsroom/release.php?pressRelease=1046 別ウィンドウが開きます
  • 労働安全衛生局OSHA 安全衛生トピックス
    OSHA:Safety and Health Topics Crane‚ Derrick‚ and Hoist Safety
    http://www.osha.gov/SLTC/cranehoistsafety/index.html 別ウィンドウが開きます
  • クレーンに関する災害のサイト
    CraneAccidents.com
    http://craneaccidents.com/ 別ウィンドウが開きます
  • CPWRのサイト
    CPWR(Center for Construction Research and Training、 以前の名称The Center to Protect Workers’ Rights–建設業研究・教育訓練センター) のサイトには、クレーンを含め、建設業の安全に関する多くの情報が掲載されている。
    http://www.cpwr.com/index.html 別ウィンドウが開きます
  • eLCOSHについて
    Center for Construction Research and Training(CPWR) がNIOSHの資金提供により設置している下記サイトには、 広範囲にわたる建設安全に関する資料が掲載されている。
    eLCOSH : Electronic Library of Construction Occupational Safety and Health
    http://www.cdc.gov/elcosh/index.html 別ウィンドウが開きます

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