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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

OSHAの自主的保護プログラム認定事業場数が2千に到達

2008年12月10日

OSHA QuickTakes   2008年8月1日

自主的保護プログラム(Voluntary Protection Programs;VPP)とは、 アメリカ労働安全衛生局(OSHA)が推進する、事業場における安全衛生マネジメントシステム (Safety and Health Management Systems-SHMS)の確立を促進する制度である。

1982年に開始されたが、この制度における“Star”の認定を得た事業場数が、2008年7月に2千に到達した。

「VPPのすべて」の訳

OSHAホームページのVPPのサイトhttp://www.osha.gov/dcsp/vpp/index.html には、 多くのVPPに関する資料が掲載されているが、その冒頭の「VPPのすべて」の訳を掲載する。

原資料の題名と所在

Voluntary Protection Programs:All About VPP 別ウィンドウが開きます

VPPに関する諸統計

上記VPPのサイトには、2008年8月現在のVPPに関する諸般の統計チャート (VPP Charts as of August 2008 別ウィンドウが開きます )が掲載されているが、 この中から認定事業場数の推移、事業場の規模別分布、上位の15業種などを以下に示す。

事業場数の推移(連邦政府、州の合計)
事業場数の推移(連邦政府のみ)
事業場規模別内訳(連邦政府のみ)
上位15業種(連邦政府のみ)

自主保護プログラム参加者協会の全国大会

一方において、VPPの普及を側面的に支援する民間団体である自主保護プログラム参加者協会 (Voluntary Protection Program ParticipantsのAssociation-VPPPA)の会員数は、約1800に達し、2008年の第24回全国大会は、 8月下旬に3日間カリフォルニア州アナハイムで行われ、142のワークショップに3千名余が出席した。

「自主的保護プログラム:VPPのすべて」訳

原資料の題名と所在

Voluntary Protection Programs:All About VPP 別ウィンドウが開きます

VPPとは?

Voluntary Protection Programs(VPP)は、作業する場所において、効果的に安全と健康を促進する。 VPPによって、包括的な安全衛生マネジメントシステムを導入することにより、 事業者、従業員およびOSHAは、作業場所における協力の体制を確立する。 OSHAによるVPPの承認は、模範的な労働安全衛生を達成するための事業者と従業員の傑出した努力の公的な認証である。

VPPの法律上の根拠は?

VPPの法律上の根拠は、1970年の労働安全衛生法のセクション(2)(b)(1)において、以下の記載があることによる。

議会が「わが国の男女労働者のために、できる限り健康な労働条件を保証し、わが国の人的資源を保全することが、 議会の目的であり、政策であることを宣言する。」とし、(1)において、「事業者及び労働者の、 雇用の場における労働災害を減らす努力を促進し、 事業者及び労働者が安全で衛生的な労働条件を提供するための新しいプログラムを作成し、 既存のプログラムを向上させる努力を奨励する」。

VPPの運用は?

実務において、VPPは安全衛生マネジメントシステムに関する成果に基づく評価基準を設定し、 これを作業場所(work place)に適用し、この評価基準により対応を評価する。 OSHAの安全衛生専門家のチームによる対応状況の審査と厳密な作業現場の評価によってOSHAによる認証が行われる。 OSHAは、作業場所が以下の3つの段階のどれに該当するかを判定する:

  • スター
  • メリット
  • スター候補:作業場所が安全衛生に関して独自の取り組みをしていることを認定し、 これに該当した作業場所は、年に一度の自己評価の報告と、定期的な現場の再評価を受けることを必要とする。

VPPが始まったのは?

  • 1979年:カリフォルニアにおいて実験的に開始された。
  • 1982年:OSHAはVPPを正式なものとし、作業場所の最初の承認を行った。
  • 1998年:連邦政府の作業場所がVPPの対象とされた。

VPPによる安全と衛生の向上?

VPPの成功は統計上の数値において明白である。VPPの認証を得た作業場所の平均の休業災害発生率は、同じ業種の平均より52%低い。(1)

これらの作業場所の災害発生率は、当初から低かったのではなく、作業場所が安全衛生マネジメントとVPPの導入に挑戦して、 これをを開始したときから、傷害と疾病の減少が始まるのである。

VPPにより事業者の得るもの?

傷害と疾病の減少により、労働災害補償の保険料とその他のコストが下がることにより、大きな利益を得ることができる。 VPP作業場所がその属する業種全体に対して卓越した実例を示すことによる影響で、同じ業種の全体に利益が及ぶ。

VPPによりOSHAの得るもの?

OSHAは安全衛生マネジメントシステムに関して、熱心にその意義を伝達する同調者を獲得する。 同調者たちは、OSHAの資源が限られているのに対し、有効な支援を提供する。

OSHAの得る他の利点は、安全衛生を推進する団体である自主保護プログラム参加者協会 (Voluntary Protection Program ParticipantsのAssociation(VPPPA))の存在である。

VPPPAは1985年に設立された非営利団体であり、OSHAと州計画と緊密に協力し、 協力プログラムの開発と実現を推進して成果を挙げている。 また、VPPPAは、政府機関による規則および方針の策定に対して、 専門的立場からの意見提出やフィードバックにより協力を行っており、 安全衛生に関する法案に関する議会への意見や証言も提供している。

VPPの変化?

特定の政府公務員:特に注目に値するのは、VPP認可作業場所からの有資格協力者が、 チームメンバーとしてOSHA の従業員と協力し、 VPPの作業現場評価に参加する特別政府公務員プログラムSpecial Government Employees Program(SGE)である。 このプログラムは、OSHAの資源が限られているのを補う目的で、1994年に開始されたが、 過去10年間に産業と政府の両方において大きな成果が得られている。 VPP認可作業場所で働いている者は、この支援に参加することにより、貴重な経験を得ることができる。

指導プログラム:1994年に正式に発足した指導プログラムは、認可されたVPP作業場所と、 これからVPPを導入する作業場所との組み合わせを行うものである。 指導する側の作業場所は、候補である作業場所の安全衛生マネジメントシステムの向上を助けるために、 VPPへの参加準備を進めている事業者と従業員を支援する。

安全衛生マネジメント研修コース:OSHAの規制施行者、州計画のコンサルタント、 その他の関係者の安全衛生マネジメントに対する理解を強化する必要があるとの認識に基づいて、OSHAは4日間の教育訓練コースを開発した。 このコースは、受講者の安全衛生マネジメントシステムに対する理解を基礎とし、VPPのカルチュア、哲学および評価基準に重点を置いている。 現在OSHA の研修所において、年に4回開催している。

注(1) この情報は、毎年VPP関係者によって提出された傷害と疾病データに基づいている。

関連情報

JISHA 海外トピック:2008年09月01日 アメリカOSHAの安全衛生マネジメントシステムに関するファクトシート(関連情報)

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