HSE What’s new 2008年12月8日

イギリス政府の関係省庁が、2004年に共同で設置した健康、労働、福祉機構 （Health, work and wellbeingprogram） は、働く人たちの健康・福祉に関する政策の改善についての勧告を2008年3月に行ったが、 政府としてのこれに対応する新政策が「健康と仕事を改善し生活を変えよう」 と題する報告書として2008年11月に公表されたので、その概要を紹介する。

原資料の題名と所在

Improving health and work: changing lives

The Government's Response to Dame Carol Black's Review of the health of Britain's working-age population Department

報告書:「健康と仕事を改善し生活を変えよう」の概要

健康、労働、福祉機構(Health, work and wellbeing program)の委員長であるCarol Black女史が、 2008年3月にイギリス政府に提出した「明日の健康のために働く」（ Working for healthier tomorrow ）と題する勧告書に対する政府の施策をまとめたものである。

1. 主な項目
   107ページから成る膨大な報告書だが、主な項目は、以下となっている。
   
   • 働くことと健康に関する新しい見方
   • 働くことと働く場所の改善
   • 働く人たちへの支援
   • 進捗状態の把握
   • 将来への展望
   • 主要な施策と実施スケジュール
   • 勧告された事項とその対応の一覧表
2. 出発点となる概念
   この内容の出発点となる概念は、一般的に働くことが健康に寄与することが明らかとされてきたので、 病気であっても、どのような仕事ができるかを判定して従事させ、仕事から離れてしまうことにより、 貧困に陥るなどの弊害を避けようとするものである。
3. 主要な施策
   付属資料１に示されている主要な施策の一部を以下に示す。これらの多くは、2009年中に開始する。
   （1） 働くことと健康に関する新しい見方
   
   • 従来の紙面の「診断書」(medical certificate)を電子情報の「適合職務診断書」 (fit note)へ置き換えて、事業者、従業員及び一般開業医の間の情報の流通を改善する。 （何ができないかではなく、何ができるかを明らかとし、各個人が自身に適した仕事を探せるようにする。）
   　
   • 一般開業医などに対して、このような電子情報の「適合職務診断書」 （fit note)を作成し、職場復帰を支援するための教育訓練などを実施する。
   • 健康、労働、福祉調整者を配置
   • 労働年齢の健康、福祉国家センターの設置
   （2） 働くことと働く場所の改善
   
   • 事業主が疾病による欠勤のために生ずる損失を把握するためのツール
   • 中小企業を対象とした産業保健電話相談窓口の設置
   • 中小企業を対象の資金援助
   • 国家メンタルヘルス対策及び雇用戦略の策定
   （3） 働く人たちへの支援
   
   • 職務への適合相談、社会心理的治療の利用などによる早期対応援助の試行
   • 職業紹介の改善

関連情報

• Carol Black女史による勧告「明日の健康のために働く」( Working for healthier tomorrow )の所在
  
• 健康、労働、福祉機構（ Health, work and wellbeing program ）のウェブサイトを参照
  上記に関連する情報、施策の実施状況などが掲載されている。

1. News
2. 職場復帰支援サービス は、2009年2月に開始された。
3. 事業主が疾病による欠勤のために生ずる損失を把握するためのツール
   （The Business Health Check ）が掲載されている。
4. 関連資料、ツールのダウンロード、関連機関リンク など