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各国情報・国際関係

EU OSHAのリスク監視活動報告書(振動障害)

2009年5月18日

EU OSHA News 2009年1月21日他 別ウィンドウが開きます

欧州安全衛生機構(EU OSHA)のリスク監視活動部(risk observatory unit)が、 皮膚障害(EN6‚244ページ)および振動障害(EN7‚124ページ)に関する情報をまとめた報告書を相次いで刊行した。 振動障害に関する報告書の概要を紹介する。

原資料の題名と所在

EU OSHA:EUROPEAN RISK OBSERVATORY REPORT EN 7
Workplace exposure to vibration in Europe:an expert review 別ウィンドウが開きます

欧州安全衛生機構リスク監視活動報告書No.7
欧州の職場における振動に対するばく露:専門家による検討結果

概要

振動障害については、これに関するEUにおける指令(2002/44/EC)が2005年7月に発効しているが、 振動に対するばく露を、欧州の労働者の3人に1人、建設業などの職種では63%が受けており、対策の徹底は容易でない。 この報告書は、ドイツ、スペイン、フランス、ポーランド、フィンランドの諸国を主たる対象として調査し、 全身及び手持ち工具による振動の発生源、ばく露を受ける職種、障害防止対策、指令への対応状況などをとりまとめ、 他の諸国の参考となるようにしている。以下に主たる目次とその内容の一部を示す。

主たる目次と内容の一部

  1. 振動の主たる発生源と作業者のばく露の程度
    −全身振動と手持ち工具によるものとに分けられる。 前者については、農業用トラクター、フォークリフトなどの移動性機械によるものである。 今回調査対象とした、ドイツ、スペイン、フランス、ポーランド、フィンランドの諸国では、100万−300万人に達する。
    後者は、例えばドイツでは、グラインダー、のこぎりなど回転機械によるものが、 450万人、打撃・往復動機械によるものが60万人である。
    全労働者の中で、就業時間の4分の1以上の時間、振動を受けている者は、EU27ヶ国平均で、23%に達する。
  2. リスクが主に存在する作業者グループ
    −振動を受ける作業に従事しているのは、男性に多く、女性においては少ない。 業種としては、建設業、製造業、農業、輸送通信業において多い。
  3. 振動障害防止のための指令の履行状況
    −上記各国における上記指令の国内法としての実施状況が記載されている。
  4. 作業場所の振動によるリスクの評価
    −上記指令は、振動に対するばく露の評価を求めているが、測定を行うためには、費用がかかり、 これのできる機関が限られているなどの障害のため、測定はしないで、簡易な評価のみを行うという傾向にある。
  5. 実務面での振動障害防止のための指令の実施状況
    −振動によるリスクの評価は、これを実施できる機関が限られ、時間と費用を要するため、 実施されている範囲が限定されている。上記各国の状況が記載。
  6. 作業場所の振動によるリスクのマネジメント
    −優良事例を実施するための手引きなどが紹介されている。
  7. 事業主への支援
    −事業主などのための手引きが紹介されている。
  8. ばく露防止対策
    −防止手段の解説、将来の方向などが紹介されている。
  9. 調査研究の必要性
    −研究室及び現場における研究の動向、優先して進める必要がある事項などが紹介されている。
  10. 全体的な結論
    −全体的にばく露の程度は小さくなる傾向にある。ばく露している作業者の全体像と障害の程度が、 十分明らかにされているとは言えない。指令によって、ばく露の評価が求められるため、全体的な改善が促進されている。
    振動発生の少ない機械の普及は、価格が高いことと、振動障害への認識が十分でないことから、 遅々としているが、指令の効果によって漸次改善されつつある。
  11. 参考文献
    −100-107ページに諸般の資料のリストが掲載。

付属資料

付属資料 I - ばく露防止対策の実施に関する手引き(代表的な例の紹介)

付属資料II - ばく露防止対策の優良事例 6件

関連情報

報告書の参考資料の項に多数の関連資料が掲載されている。

アメリカNIOSHは、NIOSH Safety and Health Topic: Ergonomics and Musculoskeletal Disordersの中に、Vibrationの項を設けているが、 OSHA、HSEとも特に振動をトピックスとして取り上げていない。

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

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