お問合せ
中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp
お知らせ
国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2010年1月22日
イギリス安全衛生庁(HSE)が提供している諸般の分野における手引きのひとつで、クレーン、エレベーター、フォークリフト等の揚重に用いる機器
(以下、揚重機とする。)検査に関する手引きで、HSEのウェブサイト (後記)に関連する情報とともに掲載されているものである。
Thorough examination of lifting equipment- A simple guide for employers (INDG422)
ISBN 978 0 7176 6305 7
揚重機の詳細検査―事業者のための手引き
あなたが揚重機を管理する事業者もしくは自営業者である場合には、この揚重機の安全を確保する責務があります。 責務者としての主な要求事項は、作業機械の備付け及び使用規則 (the Provision and Use of Work Equipment Regulations 1998 (PUWER)、以下「作業機械規則」)及び揚重作業及び揚重機規則 (the Lifting Operations and Lifting Equipment Regulations 1998 (LOLER)、以下「揚重機規則」と略称)に規定されています。
この手引書は、揚重機規則に基づく詳細検査、詳細検査以外の一般検査(以下「検査」と略称) に関する助言と詳細検査計画を策定することの利得について説明しています。 ただし、このことは操作者がその日の作業開始前に揚重機及びその付属装置を点検する必要性と代替するものではありません。
揚重機規則は、揚重機の使用に伴う特定のリスクを取り扱っており、詳細検査と検査がこの規則の主要な要求事項です。
これらの要求事項に適合するために、責務者は:
劣化の原因となる状況の例としては、湿潤し、磨耗しやすい、または腐食しやすい環境があります。
この規則の適用範囲は非常に広範囲にわたっています(表1参照)。
また、次の用語が定義されています。
表1揚重機規則の適用がある装置
揚重機 | つり具 |
---|---|
クレーン | 玉掛けロープ |
人荷共用エレベーター | フック |
建設用エレベーター(Construction hoists) | シャックル |
ダムウェイター(Dumb waiters) | アイボルト |
折り曲げ式昇降台 | 上昇、位置決めロープ |
車両後部搭載昇降台 | |
浴槽ホイスト | |
エレベーター設置階段 | |
テレハンドラー及び産業用リフトトラック | |
車両エレベーター |
揚重機規則の適用がない装置であっても、作業装置規則により装置の安全確保をしなければなりません。
これらには、
一般公衆の用に供される揚重機(ショッピングセンターや駅のエレベーターなど)については、 作業装置規則及び揚重機規則の適用はありません。しかし、労働安全衛生法(1974年)により安全を確保する義務があります。 また、揚重機規則の要求事項に従っていれば、一般的な義務を果たしていることとなります。
詳細検査は、危険または危険になる可能性のある欠陥を検出するために有資格者による系統的、詳細な検査をいいます。
有資格者は、
揚重機については、下記により詳細検査を実施します。
つり具についても6ヶ月ごとにまたは詳細検査計画に基づき詳細検査を行います。
表2 稼動時詳細検査期間
種別 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 詳細検査計画 |
---|---|---|---|
付属装置 | ○ | ○ | |
人を昇降する装置 | ○ | ○ | |
その他の揚重機 | ○ | ○ |
揚重機は、次のような例外的な状況があった場合にも詳細検査を行う必要があります。
詳細検査計画には、詳細検査の他、詳細点検日程、適当な詳細検査技術及び試験に関する要件を含みます。 詳細検査計画は、
揚重機規則に基づき、揚重機についても、また、詳細検査と次の詳細検査の間の適当な時期と間隔で検査をしなければなりません。 これは、通常、事業場のリスクアセスメントにより、装置の使用による相当程度のリスクを確認した場合に実施します。 もし、検査が必要とされるなら、
危険状態になる可能性のある劣化の原因となる状態にさらされる装置は、作業装置規則により、検査を行うこととされています。 フォークリフトなどの装置については、揚重部分とそうでない部分の両方を検査しなければなりません。
フォークリフトの例
上記のような場合には、揚重機規則と作業装置規則による検査をうまく組み合わせて行うことができます。
違います。保全は点検及び磨耗部品または破損具品の交換、潤滑、期限切れ部品の交換、油圧液面の確認・補充、
及び定期的各部調整が主なものです。保全は、装置が想定期間稼動し、磨耗や劣化によるリスクを除去するものです。
詳細検査は、保全のよくない部分を指摘するもので、詳細検査の結果を待って保全を行うというものではありません。
保全は、作業装置規則による要求事項であり、揚重機を含めて実施することとなります。
全ての詳細検査と検査の記録は保管しなければなりません(表3参照)。
有資格者は、詳細検査及び全ての検査または実施した試験についての報告書を事業者に提供しなければなりません。
この報告には、欠陥の有無と補修等について記載されます。揚重機規則の別表1に報告書に記載する情報が決められています。
有資格者は、詳細検査及び全ての検査または実施した試験についての報告書を事業者に提供しなければなりません。
この報告には、欠陥の有無と補修等について記載されています。揚重機規則の別表1に報告書に記載する情報が決められています。
表3 検査の種類と記録の保管期間
詳細検査または検査の種類 | 記録の保管期間 |
---|---|
最初の使用の前の詳細検査 | 揚重機−使用を廃止するまで つり具−2年間 |
装置の安全が設置条件に依存する場合の使用前詳細検査 | 設置または組立て場所での装置の使用を廃止するまで |
稼動時詳細検査(6ヶ月、12ヶ月)または詳細検査計画) | 次期詳細検査まで、または2年間のうちの長い期間 |
稼動時検査/試験 | 次期報告まで |
その他の義務事項/関連情報等については略