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各国情報・国際関係

HSEタワークレーン届出規則順守のための手引き

2010年3月31日

HSE What's new 2010年2月10日 別ウィンドウが開きます

イギリスにおいては、タワークレーンによる災害が頻発して、2000年以降に8名の死亡とこれを越える数の負傷者が発生した。このため、タワークレーンに関する安全の強化が必要とされ、パブリックコメントの募集を経て、タワークレーン届出規則2010が、2010年4月6日以降に施行されることになった。

イギリス安全衛生庁(HSE)は、この規則を順守するための手引きを刊行したので、その概要を紹介する。

原資料の題名と所在

サムネールPDF Notification of Conventional Tower Cranes Regulations 別ウィンドウが開きます
Guidance on complying with the Regulations indg437

HSEタワークレーン届出規則順守のための手引き
概要

1.
タワークレーン届出規則2010(以下「規則」という。)は、2010年4月6日以降に施行されます。この規則は、建設現場で使用されるタワークレーンについて一定の情報をHSEに届け出ることを要求しています。
2.
この冊子は、次のことを示しています。
  1. HSEに届け出る必要があるタワークレーンの型式
  2. 誰が届け出るか。
  3. いつ届け出るか。
  4. どんな情報を届け出るか。
  5. その情報をどのように届け出るか。

a.HSEに届け出る必要があるタワークレーンの型式

3.
規則は、建設現場で使用される通常のタワークレーンについてHSEに届け出ることを要求しています。
4.
通常型タワークレーンとは、規則において、「垂直な塔の頂部に取り付けられたジブを有する旋回ジブクレーンで、建設現場において構成部品(注1)から組み立てられるもの」と定義しています。
必ずしもこれに限られるものではありませんが、水平または俯仰するジブ及びベースまたは塔の頂部に旋回リングを有するクレーンを含みます。これらのタワークレーンは、通常、補助クレーンにより設置(解体)され、「支援立上げクレーン(assisted erected crane)」とも言われます。
(注1)
これは、BS 7121-5: 2006 クレーンの安全使用のための実施規範−タワークレーンの定義に従ったものです。
5.
建設現場で組み立てられるすべての通常型タワークレーン(注2)は、HSEに届け出る必要があります。
(注2)
建設(設計及び管理)規則2007において「建設工事が行われている場所または労働者がそこに近づくことができる場所、ただし、建設工事以外の目的のための場所を除く。」と規則2(1)に定義されています。
6.
届出義務は、自動立ち上げクレーンまたは移動式クレーン(注3)のような他のクレーンには適用しません。また、建設現場以外のタワークレーンには適用されません。
(注3)
BS 7121-5: 2006において、「現場に輸送されてきた事前組立てユニットで、輸送姿勢から使用姿勢にして設置された旋回塔の頂部に取り付けられたジブを有するジブクレーン」と定義されています。

b.誰が届け出るか。

7.
HSEに届け出る義務は、通常型タワークレーン(使用し、またはその労働者が使用する)に係る事業者(自営業者を含む。)にあります。規則は、また、その程度にかかわらず、そのクレーンの使用または使用される過程を管理する者、すなわち、そのクレーンを使用しまたはその使用を管理監督する者が含まれます。
8.
同一のクレーンを複数の事業者が使用する場合が考えられます。しかしながら、届出は特定の場所において設置されるクレーンにおいては、一件の届出が要求されます。また、その後ある状況において必要に応じて届出をする必要があります(第10項参照)。届出義務は、したがって、クレーンの安全−安全な設置、操作及び解体−について第一義的な責任を有する者にあります。
9.
実際においてこれが意味することは、「クレーンの有資格者による詳細検査実施の義務(揚重機規則(注4))を有する者は、HSEに届出がなされたことを確認する必要がある。」ということです。届出の責任については、関係者(元請負者、その他の請負者、クレーンリース会社等)の間で合意する必要があります。しかし、多くの場合、責任は元請負者または現場でのクレーンの稼動等について元請負者に指名された請負者にあります。
(注4)
揚重機規則1998の第9規則(Regulation 9 of the Lifting Operations and Lifting Equipment Regulations 1998.)

c.いつ届け出るか。

10.
揚重機規則に基づく詳細検査の日を含む14日以内に届出を行うことが必要です。
すなわち、
  1. クレーンの設置及び現場における最初の使用前
  2. 現場において変更(マストの高さを変更するなど)する場合
  3. クレーンが詳細検査の有効期間を越えて同一現場に設置される場合
  4. クレーンの安全を損なう恐れがある場合などです。
いずれの状況においても、詳細検査後はクレーンを使用することができます。 規則は、詳細検査実施後、届出を行うまでの14日間の使用を妨げるものではありません。
11.
設置後の14日以内に詳細検査を実施しない場合は、HSEに一定の事項を届出なければなりません(14項参照)。
12
規則施行以前(2010年4月6日)に設置され、詳細検査が実施された通常型タワークレーンについては、クレーンに係る情報(第13項参照)を施行日から28日以内に届け出る必要があります。

d.どんな情報を届け出るか。

13.
詳細検査を実施したときには、下記の情報をHSEに届け出ることになります。
  1. 通常型タワークレーンの所有者または賃貸人の名前及び住所−すなわち、現場で使用するクレーンを提供する会社の名前及び住所
    通常はクレーンを借り上げる会社、しかしクレーンを所有する元請会社となることがあります。
  2. クレーンが設置される建設現場の住所
  3. クレーンの製造日を含むそのクレーンを特定することができる情報
    これは、建設現場の所在地、旋回構造部分の製造番号、クレーンの色、複数のクレーンが現場に設置されている場合は、そのクレーンの番号などがあります。
  4. 詳細検査の実施日
  5. 詳細検査を実施した事業者の名前及び住所
  6. 詳細検査によって重篤な人的災害が発生する恐れがある欠陥が発見されたかどうか。
14.
設置後14日以内に詳細検査が実施されないときは、次の情報を合理的に実行可能なできるだけ早い時期にHSEに届け出る必要があります。(これは、通常、次の14日以内となります。)
  1. 通常型タワークレーンの所有者または賃貸者の名前及び住所(第13項(a)参照)
  2. クレーンが設置されている建設現場の住所
  3. クレーン製造日等そのクレーンを特定することができる情報(第13項参照)、それに加え、詳細検査の完了の14日以内に次の情報をHSEに届け出る。
  4. 詳細検査の実施日
  5. 詳細検査を実施した事業者の氏名及び住所
  6. 詳細検査によって重篤な人的災害が発生する恐れがある欠陥が発見されたかどうか。

e.その情報をどのように届け出るか。

15.2010年4月6日以降、HSEへの届出は2つの方法があります。

  • http://www.cranesregister.org.uk 別ウィンドウが開きます にオンラインによる届出
  • ウェブサイトで用紙をダウンロードするかHSEのクレーン登録事務所で用紙を入手して、その用紙に記入して郵送
  • ただし、HSEは電話またはファックスでは受理いたしません。

手数料の納付

16.
それぞれの届出に対して手数料を納付します。詳細検査の実施が遅延したために届出を2回にわたって行う場合(第14項参照)は、第2回の届出を実施したときに納付すればいいことになります。金額及び納付方法は、ウェブサイトでまたはHSEに問い合わせることができます。

詳細情報について(以下略)

 

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