お問合せ

中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp

 

お知らせ

国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

Get ADOBE READER
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe® Reader™が必要です。

 

各国情報・国際関係

欧州委員会(EC)の有害な電磁場(電磁波)からEU労働者を保護するための規則についての改正案

2011年8月12日

EU news 2011年6月14日

EC 雇用・社会問題総局(Employment, Social affairs & Inclusion 別ウィンドウが開きます )は、電磁場に係る現在のDirective 2004/40/ECの改正案を公表した。改正の目的は、医学界からMRI(核磁気共鳴画像)の使用と発展において、指令の中で設定されるばく露限界値が不適切であるとの指摘等によるものである。委員会はこの指摘を受け、MRIの使用に関する手順の研究とICNIPR 別ウィンドウが開きます (国際非電離放射線防護委員会)の新勧告等の最新の知見をもとにして指令を改正する検討を行い、ドラフトを公表した。
今回の改正は、0Hzから100kHzまでの周波数領域の電磁場へのばく露で、100kHzから300GHzまでの周波数領域は、従来どおりである。なお、現行の指令は撤廃される予定である。

1.
欧州委員会の有害な電磁場(電磁波)からEU労働者を保護するための規則に係る改正案
2.
改正案の概要(ドラフト)

1.欧州委員会の有害な電磁場(電磁波)からEU労働者を保護するための規則に係る改正案

Commission proposed to revamp rules to protect EU workers from harmful electromagnetic fields 別ウィンドウが開きます

この規則は、MRI(核磁気共鳴画像)を患者に使用する医師及び看護師、レーダー取扱い者、溶接作業者、送電線修復作業者のような労働者を保護するためのものである。改正案は、現在のDirective 2004/40/ECと置き換わる予定である。

改正案は、電磁場により生じるリスクへの労働者のばく露に関連する健康と安全における最低必要条件に関するDirective 2004/40/ECを考慮にいれている。

それは、新しい科学的証拠、特に病院のMRIのばく露限界値を踏まえ、ばく露限界値を改訂することになる。また、EU法で要求されるリスクアセスメント活動に関し、事業者を支援するための多くの条項も含まれている。

改正案の目的は、産業及び医療医学活動でのMRIの利用と発展を過度に妨げないで、適切な柔軟性と釣合いと労働者の健康と安全の保護を調整することである。

改正案は、採択を目指して欧州議会とEU閣僚理事会(EU’s Council of Ministers)に提出される予定である。新指令の施行日は、議会と閣僚理事会によって決定される予定である。

2改正案の概要(ドラフト)

PDF Proposal to update and improve EU rules to protect workers from electromagnetic field (draft) 別ウィンドウが開きます

改正案の経緯

この改正案の目的は、物理的因子(電磁場)により生じるリスクへの労働者のばく露に関連する健康と安全における最低必要条件に関する2004年4月29日の欧州議会及び閣僚理事会公布のDirective 2004/40/ECと置き換わることとなる。

2006年、医療界は、指令の施行に関する懸念を委員会に報告した。即ち、その指令に設定されるばく露限界値が、今日の疾病の診断と処置のために重要な機材であるMRIの使用と発展を不適切な範囲で制限していると主張した。その後、他の産業部門もまた、活動するうえで指令の影響力について懸念を表明した。

これらの懸念に対して、委員会は多くの対策を講じた。透明性のために、委員会が実施する対策の計画についてEU加盟国及び欧州議会に周知した。このような状況のなかで、指令の施行に関連する問題点についてEU加盟国に問い合わせた。また、MRIの医学的な使用手順に関し、指令の実際的な影響を評価する研究に着手し、この研究結果は2008年初期に提供された。

一方で、次のことを実施した。

  • MRIの医学的用途に関し、指令によって設定されたばく露限界値の潜在的な負の影響について研究の十分な解析の承認
  • 最終的に、Directive 2004/40/ECを採択してから、ICNIPR(国際非電離放射線防護委員会)の新勧告の再検討結果及び人の健康における電磁場の影響に関連する最新の科学研究を下にWHO等により示された健康環境基準のような他の勧告を考慮し、
  • 労働者の高水準の健康と安全の保護と電磁場を使用する医学と産業の活動の持続と発展の両方を保証するために、指令の条項と改正案の綿密な影響解析を実施し、
  • 指令の採択期限は、物理的因子(電磁場)により生じるリスクへの労働者のばく露に関連する健康と安全における最低必要条件に関するDirective 2004/40/ECを改正する欧州議会及び理事会Directive 2008/46/ECを2008年4月30日から2012年4月30日に延期した。

ICNIRPは、静磁場と低周波時間変化フィールド(low-frequency time-varying fields)に関するガイドラインのレビューを仕上げ、各々の新勧告は、2009年と2010年に公表されている。多くの場合、基準レベル(reference levels)と基本的な規定は、以前の勧告より高いレベルで設定されている。

指令の条項の構成

第1章
一般規定
第1条
主題及び適用範囲
第2条
定義
第3条
ばく露限界値、オリエンテーション値(orientation values)及びアクション値
第2章
事業者の義務
第4条
ばく露測定とリスクアセスメント
第5条
リスクの防止または低減のための規定
第6条
労働者情報及び訓練
第7条
労働者との協議及び参加
第3章
その他(miscellaneous)の規定
第8条
健康診断
第9条
制裁措置
第10条
付属書の技術的改正
第11条
権限委譲(exercise of the delegation)
第12条
緊急時の措置
第4章
最終条項
第13条
実務指針
第14条
見直し及び報告/採択
第15条
廃止
第16条
施行
第17条
あて先
付属書Ⅰ
電磁場ばく露に関連する物理量
付属書Ⅱ
0Hzから100kHzまでの周波数領域の電磁場へのばく露
付属書Ⅲ
100kHzから300GHzまでの周波数領域の電磁場へのばく露
付属書Ⅳ
項3(4)に該当する活動のための具体策
付属書Ⅴ
対比表(指令の条項)

 

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

  • 厚生労働省
  • 安全衛生マネジメントシステム審査センター
  • 安全衛生情報センター