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2012年1月26日
US-OSHA Hazard Alert News
2011年6月9日発表
アメリカ労働安全衛生局(OSHA
)
及びいくつかの州OSHA当局(OSHA program)は、Braziline Blowout(ブラジリン ブローアウト)及び他の整髪(hair smoothing)製品使用によるホルムアルデヒドばく露の可能性について、美容院オーナー及び労働者からの質問と苦情を調査している。これらの製品のいくつかは、無ホルムアルデヒド(formaldehyde-free)とラベルされていることから、注意を喚起している。また、美容院オーナーがホルムアルデヒドを含有する、または、発散する製品を使用するならば、その時は、OSHAホルムアルデヒド基準(29 CFR 1910.1048)の要求事項に従わなければならない、としている。
原資料の題名と所在
ホルムアルデヒドを発散する整髪製品
Hair Smoothing Products That Could Release Formaldehyde Update:June 9,2011
OSHA(the Occupational Safety and Health Administration:労働安全衛生局)及びいくつかの州OSHA当局は、Braziline Blowout(ブラジリン ブローアウト)及び他の整髪(hair smoothing)製品使用によるホルムアルデヒドばく露の可能性について、美容院オーナー及び労働者からの質問と苦情を調査している。これらの製品のいくつかは、無ホルムアルデヒドとラベルされている。
オレゴン州OSHA、カルフォニア州OSHA、コネチカット州公衆衛生局、その他いくつかの州機関は、美容院オーナー、美容師(stylist)や他の美容院労働者及び顧客に、これら製品についての警告を発した。NIOSH(the National Institute of Occupational Safety and Health:国立労働安全衛生研究所)もまた、美容院労働者のために、各美容院特製の整髪製品の使用から提起されるリスクについての健康評価をまとめた。
この危険警告(Hazard Alert)は、OSHA調査の情報、ホルムアルデヒドの健康被害、ホルムアルデヒドを含む、または発散する整髪製品を使用する労働者を保護する方法を提供する。
連邦政府OSHAと州OSHA当局は、GIB LLC dba Braziline Blowoutと他の整髪製品を使用している間の、ホルムアルデヒドへのばく露に関する美容師と美容院オーナーの苦情を調査し続けている。OSHAは、美容師が整髪製品を使用しているとき、空気検査でホルムアルデヒドを検出した。
注目すべきは、ラベルに無ホルムアルデヒドと示されているか、または製品ラベル上、またはMSDS(製品安全データシート)にホルムアルデヒドがリストされていないことである。一つの調査で、連邦政府OSHAの空気検査で、製品には無ホルムアルデヒドとラベルされているが、Braziline Blowout Acai Professional整髪液を使用する美容院で、OSHAのばく露限界値より大きい量のホルムアルデヒドが示された。
OSHAは、製造業者、輸入業者、販売業者が製品情報に関する正しい警告を含めなかった場合の多くで、美容院オーナーは整髪製品にホルムアルデヒドを含まれているか、またはホルムアルデヒドに労働者がばく露される可能性があることを知らなかったことが分った。
OSHA及び州OSHA機関は、いくつかの製造者、輸入業者、販売業者(Brazilian Blowout Acai Professional Smoothing液、Brazilian Blowout Professional Brazilian Blowout液)について、下流消費者(例えば、美容院オーナー、美容師)に提供されたMSDSに危険成分としてホルムアルデヒドについて記載していなかった違反を見つけた。また、製品ラベルには適正な危険性への警告がなく、MSDSにはホルムアルデヒドばく露による健康への影響を示していなかったこともあった。
整髪製品のホルムアルデヒドに関する最初の報告は、オレゴン州OSHAが“無ホルムアルデヒド”とラベルされたBrazillian Blowout製品を使用中、鼻出血、眼刺激、呼吸困難を起こした髪美容師の苦情を調査したときに、発表された。
製品を検査後、オレゴン州OSHAは、製品が美容師によって報告された健康問題に起因する可能性がある化学品、ホルムアルデヒドを含むことを検出した。オレゴン州OSHAは、ケラチンベース整髪製品を100試料以上検査し、そして、合法的に“無ホルムアルデヒド”とラベルされることが認められていた上記の一部の製品にホルムアルデヒドを見つけた。
Brazillian Blowout製品に加え、オレゴン州OSHAは、整髪製品の他の製造業者、輸入業者、販売業者もまた、ラベル上、MSDSにホルムアルデヒドまたは危険情報を入れていないことも分った。これらの調査結果に基づき、オレゴン州OSHAは、2010年10月に危険警報と詳細な報告書を公表した。
オレゴン州OSHAはまた、製品の危険情報が適正でなく、OSHAの危険有害性周知基準(OSHA’s Hazard Communication standard; 29 CFR 1910.1200または州の同等のもの)の要求事項を満たしていない製品が製造、輸入、販売されている連邦政府OSHAと各州OSHA当局に注意を喚起した。
OSHAは、他の美容院でもホルムアルデヒドのばく露を調べ、労働者及び国民がこれらの製品の正しい情報を所有することを確実にするために、他の政府機関(例えば、食品医薬品局、国立労働安全衛生研究所(NIOSH))とともに作業を継続している。最近のNIOSHの健康被害評価など、OSHA及び他の政府機関の背景と報告書に関する多くの情報は、ここ
で参照のこと。
ホルムアルデヒドは、もし、労働者がばく露されたならば健康被害をもたらす無色、強臭気ガスである。
あなたは、肺に吸い込んだ場合、眼に入った場合、または皮膚に付着する製品に含まれている場合、ホルムアルデヒドにばく露される可能性がある。また、あなたは、ホルムアルデヒドを含む製品を使用後、まず手を洗わないで、顔に触れたり、食事を取ったり、または飲んだ場合、意識せずにばく露される可能性がある。
ホルムアルデヒドは、眼と鼻を刺激し、咳と喘鳴音の原因となる。それは、ぜん息様呼吸問題、皮膚発疹、掻痒のような皮膚、眼、肺のアレルギー反応の原因となることを意味する“感作物質”である。ホルムアルデヒドを含む製品が眼にはねかかったとき、眼を損傷し、失明の原因となる。また、がんの危険もある。ホルムアルデヒドは、製品中、または空気中であろうと健康被害がある。
OSHAのホルムアルデヒド基準、29 CFR1910.1048は、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドを含有する、または発散する製品を使用する事業者に適用される。OSHAはまた、ホルムアルデヒド・ファクトシートを公表している。ホルムアルデヒドに関する更なる情報は、ここ
をクリックのこと。
多くのケラチンベース整髪製品は、製品中の水と他の成分に溶解ホルムアルデヒドを含有している(そして化学的に反応している)。これら製品中のホルムアルデヒドの反応方法のために、一部の製造業者、輸入業者、販売業者は、製品情報をホルムアルデヒド以外の名前で示すか、製品は無ホルムアルデヒドと主張する可能性がある。
ホルムアルデヒドは、メチレングリコール、ホルマリン、酸化メチレン、パラホルム、ホルムアルデヒド、メタナール、オキソメタン、オキシメタン、CAS No. 50-00-0として示されているかもしれない。これらのすべては、OSHAホルムアルデヒド基準によるホルムアルデヒドの別の名前である。
結論は、ホルムアルデヒドがラベル上にこれらの名前のいずれかを示す整髪製品から発散される可能性があり、そして、労働者は、吸い込むか、皮膚を通して吸収される可能性がある。労働者は、髪くせ取り(straightening)の全過程で、特に、熱を利用するとき(例えば、ドライヤーで乾燥、ストレートアイロン(flat ironing))にホルムアルデヒドにばく露される。
製品ラベルとMSDSを読み、メチレングリコールまたは上述したホルムアルデヒド以外の名前のいずれかが記載されているかどうか確認することである。それらがある場合、製品は、あなたをホルムアルデヒドにばく露させる可能性がある。
OSHAの危険有害性周知基準では、美容院オーナーと他の事業者は、美容院で使用する有害化学物質を含む各製品のMSDSを所持しなければならない。事業者は、受理するMSDSをよく調べ、そして、美容院で使用する製品の危険性を確実に理解する必要がある。
事業者はまた、労働者(例えば、美容師)にMSDSを利用可能にし、そして、危険性とその安全な使用方法に関し製品を使用するすべての労働者を訓練しなければならない。もし、事業者が自動的にMSDSを受理することになっていないならば、それを要求すべきである。
MSDSが完全と思えないならば(例えば、完成してない空欄あり)、事業者は、製造業者から新しい物を要求すべきである。要求しても必要な情報が提示されない場合、事業者は、MSDSを得る支援のために地域のOSHA事務所に連絡すべきである。
冒頭のBrazilian Blowout製品のケースで見られるように、MSDSは、必要な危険情報をすべて含んでいないかもしれないことに注意すること。オレゴン州の例では、美容師が製品を使用中の健康問題を報告後に、調査が始まった。
労働者は、事業者に対し、職場で使用する製品からだと思うあらゆる健康上の問題を報告する必要があり、事業者は、労働者からの健康上の問題の報告を追跡調査する必要がある。
OSHAは、ラベル上及びMSDSに、ホルムアルデヒド及びその危険についての情報を含むように、ホルムアルデヒドを含有または発散する製品の製造者に要求している。ホルムアルデヒドは、製品中に0.1%以上(ガスまたは溶液として)の場合、空気中に100万分の0.1以上(0.1ppm以上)のホルムアルデヒドを発散する製品の場合に示さねばならない。
他国から直接整髪製品を輸入する美容院及び事業者は、危険有害性周知基準に基づき製造者と同一の責任を有する。製品の危険を決定し、消費者に対し危険を周知するラベルとMSDSを作成しなければならない。
これらの要求事項は、OSHA危険有害性周知基準(労働者の知る権利の規定(Worker’s Right-to-Know Rule)と呼ばれている)とOSHAホルムアルデヒド基準で説明されている。
事業者、美容師、他の美容院労働者は、どんな化学品が使用製品に存在するか、製品の職場での安全な使用方法を知るために、購入し、使用する製品の製品情報とMSDSを読まなければならない。
美容企業は、現在、溶液にホルムアルデヒドを含まないと主張する製品を製造し、販売している。これらの製品の一つを選択することは、ホルムアルデヒドばく露のリスクを排除するかもしれない。製品がホルムアルデヒド、ホルマリン、または、メチレングリコールと記載されていないだけでは、いかなる他の危険な成分も含んでいないことを意味しない。
もし、美容院オーナーがホルムアルデヒドを含有する、または、発散する製品の使用を決めたならば、その時は、OSHAホルムアルデヒド基準(29 CFR 1910.1048)の要求事項に従わなければならない。基準は、事業者に、製品が使用されているとき、空気中に存在するホルムアルデヒド量を調査するための空気の検査を要求している。
もし、検査がOSHAばく露限界値(8時間交代制勤務;0.75 ppm、または15分間値;2 ppm)を超えたならば、その時、事業者は、次の対策を講じなければならない。
更に、検査で、ホルムアルデヒドが8時間交代制勤務で0.5 ppm、または15分間値で2 ppmを示す場合には、事業者は次の措置を講じなければならない。
空気の検査がOSHAのばく露限界値を超えるかどうかに関係なく、事業者は、製品がホルムアルデヒドを含むならば、基準の関連部分を順守しなければならない。
事業者は実施した空気検査、雇用者に必要とされた医療、呼吸用保護具のフィットテストについて記録しなければならない。
美容院でのホルムアルデヒドばく露の管理方法の更なる情報については、オレゴン州OSHAの危険警告とカリフォルニアOSHAアドバイザリー(Advisory)を参照のこと。
OSHAは、危険な化学品を含有する製品の健康被害と適切な保護が、ラベルとMSDSで適切に確実に伝えられるようにするために、全国的な影響の可能性がある継続的な検査の監視を続けている。
OSHAは、ホルムアルデヒドを含有する、または発散する整髪製品を使用するとき存在する可能性があるホルムアルデヒドの危険に関する有益な最新の情報を、労働者と事業者に提供するためにウエブページを開発した。
事業者と労働者は、ホルムアルデヒドの危険に関する詳しい情報と安全な作業方法のためにOSHAホルムアルデヒド・ファクトシートを読むべきである。使用している製品またはそのMSDSについて何か質問があれば、地域のOSHA事務所に連絡すること。
また、美容院オーナーは、彼らの職場に危険があるかどうか確認するためのOSHAの無料秘密相談サービスに連絡することができる。現場からの相談により、罰金または召喚されることはない。OSHA相談サービスに連絡するためには、OSHAウェブサイトを見るか、電話をすること。
労働者は、安全な職場に対する権利を持っている。1970年の労働安全衛生法(OSH法)は、労働者が業務上死亡するまたは重大な危害を被ることを予防するために制定された。法律は、事業者が既知の危険のない労働条件を雇用者に提供することを要求している。OSH法は、労働者保護のための職場安全衛生基準を設定し、施行するOSHAを設置した。
OSHAは、また、労働者及び事業者に情報、訓練及び支援を提供する。労働者は、事業者がOSHA基準を順守しない、または、重大な危険があると確信するならば、事業場を監督するように、OSHAに苦情を申し立てることが出来る。