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中央労働災害防止協会(中災防)
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お知らせ
国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別、分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2015年3月30日
アメリカの安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration OSHA)は、建設業での死亡災害の主な発生要因であるはしご、足場及び屋根からの墜落災害を防止するため全国的な啓発・支援キャンペーンを実施しており、ホームページでその内容を公表しているので概要を以下のとおり紹介する。
墜落災害は、建設工事における主要な原因であり、2013年には、労働統計局の暫定数値では、建設業全体の死亡災害796件のうち294件(これらのうち284件が高所からの墜落)が発生しています。これらの死亡災害は防止可能なものばかりです。
墜落災害は、次の3段階の措置により防止し、労働者の生命を救うことができるのです:
このウェブサイトは、はしご、足場、屋根からの墜落災害防止について労働者及び事業者の意識向上のため、OSHAの全国啓発・支援キャンペーンの一環です。このうちの教育訓練資料は、労働者、事業者に墜落災害とその防止対策についての情報を提供するものです。また、事業者が使用することができる教育訓練ツールや現場に掲示するポスターもあり、これらの資料は英語に習熟していない労働者をも対象にしています。
OSHAでは、関係者がこのサイトの資料を労働者及び事業者が活用するよう支援するなど参加することを期待しています。また、OSHAは年間を通じて新たな情報とツールを追加するようにしています。
OSHAは、建設業において労働者及び事業者の墜落転落危険に対する意識を向上させ、はしご、足場及び屋根からの墜落災害を如何にして防止するかについてのこの全国的啓発・支援キャンペーンにおいて国立労働安全衛生研究所(National Institute of Occupational Safety and Health NIOSH)及び国家職業研究計画(National Occupational Research Agenda NORA)と提携しています。
はしご、足場及び屋根などの高所作業を行うに当たっては、事業者は仕事が安全に遂行されるよう事前に事業を計画しなければならなりません。仕事がどのように行われるかをはじめに決め、次いでどんな作業が含まれ、作業遂行に当ってどのような安全設備が必要かを検討します。
費用を見積もるときには、安全設備を含め、現場における必要なすべての設備器具を使用可能にするよう計画します。例えば、屋根工事においては、開口部、天窓、作業床の端などすべての墜落危険個所について検討し、個人用墜落防護具(personal fall arrest system, PFAS)などの当該作業に適した墜落防止措置を計画し、選択します。
労働者が6フィート以上の高所から墜落転落した場合には重篤な傷害を受けまたは死に至るリスクがあります。これらの災害による労働者保護のために事業者は墜落防止措置を講じるとともに適切なはしご、足場、安全器具などの仕事に合った正しい設備器具を提供しなければなりません。
はしご、足場などは、仕事の種類に応じて適当なものを使用します。常に労働者が安全に作業を遂行することができるものを提供します。屋根作業には、多様な墜落防止方法があります。労働者にPFASを使用させる場合には、各人にハーネス型安全帯支給し、これを固定するアンカーを備えます。それらの防護具が労働者個人に合っていることを確認するとともに定期的に良好な状態で安全に使用することができることを点検します。
墜落災害は、労働者が設備器具の適切な設定方法と安全な使用方法を理解していれば防止可能なのであり、このためには仕事を完遂するために使用する特定の設備器具について教育訓練する必要があります。事業者は、特に危険認識と注意並びにはしご、足場、墜落防止システム、その他仕事の実施に当って使用する設備器具の安全使用について教育訓練しなければなりません。
OSHAでは、事業者が墜落防止のための安全実践(SafetyPractices)についてのツールボックスミーティングにおいて活用することができる多くの資料を提供しています。はしご、足場及び屋根からの墜落災害は、「計画、提供、教育訓練」の3つの簡単な段階を経ることにより防止し、労働者の生命を救うことができるのです。
事業者は、はしご、足場及び墜落防護システムについての危険認識、注意事項及び安全使用についてその労働者に教育訓練を行わなければなりません。
墜落災害防止ファクトシート(表示写真略)
私は墜落災害に遭うまで10年間建設業で働いていました。墜落災害は私の身体と生活を粉々にしてしまいました。
安全に作業し、正しい設備器具を使用しましょう。
安全はペイし、墜落災害は高くつく。
計画:安全に作業を行う前に、提供:正しい設備器具を、教育訓練:設備器具を安全に使用するよう