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中央労働災害防止協会(中災防)
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国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
US-OSHA REPORT 2015年3月5日
米国労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration; US-OSHA)は、「労働災害に係る不均等の招へい:業務の上で労働者を保護することに失敗することの対価」と題する報告書を公表した。
この報告書では、次のように指摘している。
ADDING INEQUALITY TO INJURY: THE COSTS OF FAILING TO PROTECT WORKERS ON THE JOB
http://www.dol.gov/osha/report/20150304-inequality.pdf
業務上の負傷及び疾病は、社会に膨大な負担を課している。雇用者(事業者)は重大な危険有害因子のない作業場所を与えなければならないという従来からの法的義務にもかかわらず、毎年、300万人以上の労働者が重大な傷害を受け、そして何千人以上もの労働者が死亡している。これらの傷害及び疾病の財政的及び社会的インパクトは莫大で、労働者、その家族そして納税者にそのコストのほとんどを負担を課す結果をもたらしている。
多くの被災した労働者やその家族にとっては、職場での災害は、彼らが将来に備えて蓄えたり、技能及び教育に投資する能力を減殺するという罠を作り出している。これらの傷害及び疾病は、収入の不均衡をもたらす一因となっている:これらの傷害及び疾病は、労働者の家族を中流クラスから貧困に追い込み、低賃金の家族が中流階級に入ることを妨げている。業務上の災害は、多くの労働者の家族がアメリカンドリームを実現する能力を阻害している。
職場での災害のコストは、第一義的には被災労働者、彼らの家族及び納税者に負担されている。労働者災害補償保険プログラムの変化は、被災労働者にとって適切な給付(十分な代替賃金の支払い及び医療支出の補てんを含む。)を受けることがだんだん困難になってきている。
雇用者(事業者)は、現在では、労働者災害補償を通じた業務上の障害及び疾病の全体の財政的コストのほんのわずかのパーセント(約20%)しか支払っていない。これによるコストの上昇は、被災労働者、彼等の家族そして納税者に対して、これらによる失われた収入及び医療コストの大多数を補うことを強制している。
米国の職場における雇用関係の重要な変化も、さらに業務上の災害の事故の態様及び結果を悪化させている。賃金労働者を請負者として誤って分類すること及び臨時雇いの労働者の雇用の広がりは、傷害の危険性及び職場での災害によりもたらされる財政的負担に直面する労働者の数を増加させてきた。
雇用関係の変化は、企業にとって安全な労働条件を供給するという責任を担う意欲を減退させており、このことが結果として総体的な職場での傷害のリスクの増加をもたらしている。
この論文で投げかけている問題の最も効果的な解決策は、職場での傷害及び疾病を起こらなくすることである。これにより、労働者及びその家族が不必要な苦境や災禍に陥ることなく、また収入や利益の喪失をもたらさないであろう。同時に、労働者災害補償保険プログラムが、補償されるべき傷害や疾病を有する労働者が十分な補償を得ることを妨げている障壁を取り除くための対策を取ることが、死活的に重要である。
毎年何百万の傷害及び疾病を予防することの雇用者(事業者)の失敗及び労働者が傷害及び疾病のコストを負担しないで済むことを保障するための労働者災害補償システムの失敗が、真に、災害に対する不均等を付加している。
なお、この資料の英語−日本語対訳は、傷害に不均等を与える:業務の上で労働者を保護することに失敗することの対価.pdf
(PDF 205KB)