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オーストラリア首都特別地域
1989年労働安全衛生法

(仮訳 国際安全衛生センター)



第I部:序論
1. 標題

本法を1989年労働安全衛生法と呼ぶ。


2. 発効日

(1) 1条および本条は本法が官報に公示された日に発効する。

(2) (3)項に従うことを条件として、その他の規定は大臣が官報に公示する日に発効する。

(3) (2)項に定める規定が、本法の官報公示日から6カ月の期間満了までに発効しなかった場合、その規定はその期間の満了日に発効するものとする。


3. 目的

本法は次の目的を持つ。

(a) 事業場の従業員の安全衛生および福祉を確保する。

(b) 事業場の従業員の活動から生じる安全衛生上のリスクから、作業場にいるまたはその近隣の人々を保護する。

(c) 従業員の安全衛生上のニーズに適応した、従業員のための労働環境を促進する。

(d) 労働における従業員の安全衛生、福祉に関して、事業者と従業員の協力的な協議関係を促進する。

5. 用語の意味

(1) 本法においては、反対の意図が示された場合を除き、以下の定義に従うものとする。

「公認実施基準」(approved code of practice)とは、以下を意味する。

(a) 87条に基づいて承認された実施基準

(b) 87条に基づいて承認された変更に従って変更された実施基準

「関連法」(associated law)とは、以下の法律を意味する。

(a) 1984年危険物法

(b) 首都特別地域に適用される1975年ニューサウスウェルズ州危険物法

(c) 首都特別地域に適用される1978年ニューサウスウェルズ州危険物規則

(d) 1949年機械法

(e) ボイラー・圧力容器規則

(f) 機械規則

(g) 1957年足場・リフト法

(h) 首都特別地域に適用される1912年ニューサウスウェルズ州足場・リフト法

(i) 首都特別地域に適用される1912年ニューサウスウェルズ州足場・リフト法に基づく規則

(j) その他の場合において規定された法律

「委員長」(Chairperson)とは、審議会の委員長を意味する。

「施行期日」(commencement date)とは、本法の規定について、その規定の施行開始期日を意味する。

「評議会」(Commission)とは、オーストラリア労使関係評議会を意味する。

「審議会」(Council)とは、9条に従って設立される労働安全衛生審議会を意味する。

「犯罪法」(Crime Act)とは、首都特別地域に適用される1900年ニューサウスウェルズ州犯罪法を意味する。

「危険状態」(dangerous occurrence)とは、規則によって作業場が危険状態であることを示されている状態を意味する。

「副委員長」(Deputy Chairperson)とは、審議会の副委員長を意味する。

「指定作業グループ」(designated work group)とは、下記を意味する。

(a) 37条(1)項もしくは(2)項に基づく事業者または、38条(1)項もしくは(2)項に基づく登録官によって、指定作業グループとして設置された従業員のグループおよび

(b) 37条(4)項に基づく事業者、または38条(3)項に基づく登録官によって変更された上記の如きグループ

であって、事業者に関しては、その事業者の従業員のみによって構成されているグループ

「所定料金」(determined fee)とは、この表現が用いられている条文の目的のために、96A条に基づいて規定されている料金を意味する。

「従業員」(employee)とは、労務契約に基づいて雇用されている個人を意味する。

「事業者」(employer)とは、労務契約に基づいて個人を雇用している者を意味する。

「安全衛生委員会」(health and safety committee)とは、規則に基づいて設置されている安全衛生委員会を意味する。

「安全衛生代表」(safety and health representative)とは、40条に基づいて選出された安全衛生代表を意味する。

「改善通告」(improvement notice)とは、76条(1)項に基づいて与えられる改善通告を意味する。

「傷害」(injury)とは、下記の場合を含む。

(a) 疾病の罹患

(b) 傷害または疾病の悪化、増悪、再発

「監督官」(inspector)とは、70条に基づく監督官を意味する。
「関係労働組合」(involved union)とは、下記を意味する。

(a) 事業者の従業員に関する場合は、当該従業員が事業者の従業員として行う労働に基づいて加入の資格を持ち、加入している登録労働組合、および

(b) 指定作業グループに関する場合は、所属する従業員が指定作業グループに属する従業員としての労働に基づいて加入の資格を持ち、加入している登録労働組合。

「占有者」(occupier)とは、下記の者を含む。

(a) 作業場に関連する場合は、その作業場における作業の実施に責任を負い、または負っていると見なされる者。

(b) 他の施設に関連する場合は、その施設に責任を負い、または負っていると見なされる者。

「プラント」(plant)とは、あらゆる機械、装置、または工具およびそれらの構成部品または付属品を含む。

「施設」(premises)とは、下記を含む。

a) 構築物、建物、航空機、車両または船舶

(b) 場所(囲い、構築の有無を問わない)

(c) (a)項または(b)項の施設を含む施設の一部

「議長」(President)とは、評議会議長を意味する。

「禁止通告」(prohibition notice)とは、77条(1)項に基づいて与えられる通告を意味する。

「暫定禁止通告」(provisional prohibition notice)とは、51条(1)項に基づいて与えられる暫定通告を意味する。

「登録官」(Registrar)とは、69条に基づく安全衛生登録官を意味する。

「審査機関」(Review Authority)とは、80条によって設置される労働安全衛生審査機関を意味する。

「自営業者」(self-employed person)とは、従業員としてではなく、利益、報酬のために働く者を意味し、その者が他の者を雇用しているか否かを問わない。

「作業」(work)とは、従業員または自営業者としての作業を意味する。

「作業場」(workplace)とは、従業員または自営業者が働いている場所を意味する。

(2) 本法および規則の目的上、従業員がその事業者によって行われている事業に関連して、作業を行うためにその作業場にいる間は、つねに作業を行っていると見なされるものとする。

(3) 特定の作業場における事業者の従業員として本法に記載されている場合、その者は事業者の従業員の資格でその作業場において作業を行っている従業員をいうものと解される。

(4) 本法において

(a) 本法または規則の違反である、または

(b) 本法または規則の違法行為を構成する本法または規則の違反

と記載されている場合、文脈上別の意味である場合を除き、(a)項または(b)項に記載する違反に関連する犯罪法第[部の規定に基づく違反を言う。

(5) 本法および規則の目的上、

(a) 作業場、プラント、物質または事物の単独の所有者、共同所有者、部分的所有者、

(b) 賃貸作業場の賃貸者

(c) 賃貸作業場の賃借者

(d) 分割払い購入契約または賃貸契約に基づく、プラント、物質または事物の賃借者

(e) 作業場、プラント、物質または事物に対して直接の所有権を持つ者

は、それらの規定された権利を有する。


6. 任意の労働者

(1) 大臣は官報での通達によって、

(a) 特別の等級に含まれる者、および労務契約(複数を含む)以外で、布告に規定された別の者の要求または指示、またはその利益のために活動し、または行動する者は、本法および規則の目的上、その他の者に雇用されていると見なされること、および

(b) 上記の者の作業は、これらの目的上、布告に規定される活動がその者によって実施された活動であると見なされること、

を布告することができ、その布告はそれによって発効する。

(2) (1)項に基づく布告は、1989年従属法に関する法律第10条の目的上は、認められない証書となる。


7. 適用除外

(1) 大臣は証書によって、

(a) 事業者

(b) ある等級の事業者

(c) 従業員

(d) ある等級の従業員

(e) 作業場

(f) ある等級の作業場

を本法または規則のすべてのまたはいずれかの規定の適用から除外することができる。

(2) (1)項に基づいて作成された証書は、1989年従属法に関する法律10条の目的上は、認められない証書となる。

(3) 大臣が

(a) 例外申請を受領し、および

(b) (1)(a)、(c)または(e)に記載する者に例外を与えることを拒否した場合、

大臣はその決定を行ってから28日以内に、申請者にその決定を書面で通告しなければならない。

(4) (3)(b)項に規定する決定の再審査のための申請は、行政抗告裁判所に提出することができる。


8. 事業者に対する文書の送達

(1) 本法または規則の規定が、事業者の行うまたはそれのための活動に関連して、文書を事業者に送ることを要求または許可している場合、その文書はその活動を担当している、または担当していると合理的に信じられる者に与えられた場合に、事業者に与えられたものと見なされる。

(2)  本法または規則の規定が、事業者の行うまたはそれのための活動に関連して、事業者について(文書の送達以外の)なんらかの措置を取ることを要求または許可している場合、その措置はその活動を担当している、または担当していると合理的に信じられる者に対して捉えた場合に、事業者について取られたものと見なされる。


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