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モンゴル労働法(1999年)
LABOUR LAW OF MONGOLIA

(仮訳 国際安全衛生センター)


第12章

内部的労働規則、懲戒、及び賠償責任



第130条 内部的労働規則

第130条の1
 使用者は、労働者の代表から出される提案又は提議を考慮の上、法律を勘案しながら、企業内における労働規則を作成し実施しなくてはならない。

第130条の2
 かかる内部的労働規則は、労働組織、使用者及び労働者の権利義務、従わない場合の懲戒規定を示すものでなくてはならない。

第130条の3
懲戒にかかわる特別な規則については国の関係機関が承認し実施することができる。

第131条 懲戒処分

第131条の1
 使用者、又はその者の法的な代理人、又は権限を有する官吏は、関連の雇用契約違反又は内部的労働規則違反を犯した労働者に対し、議決により次の種類の懲戒を課さなくてはならない。

第131条の1の1
 かかる労働者へ警告文を発する。

第131条の1の2
 3ヶ月を限度として、かかる労働者の賃金の20%を給与から控除する。

第131条の1の3
 かかる労働者を解雇する。
第131条の2
 懲戒処分は、労働者が規律違反を犯したのち6ヶ月以内に限り、又、その違反が発覚してから1ヶ月以内に限り課すことができる。

第131条の3
 ひとつの規律違反に対し複数の懲戒処分を課すことは禁止される。

第131条の4
 懲戒処分が課せられてから1年を過ぎた場合、期間終了とみなされ、かかる懲戒処分は記録から削除されなくてはならない。

第132条 賠償責任を課す根拠

第132条の1
 労働者が作業の過程で過失により組織に損失又は損害を与えた場合、かかる労働者に対し、懲戒処分又は管理上の処分又は刑事罰がすでに課せられている場合でも、労働者に賠償責任を課すことができる。

第132条の2
 かかる損失の額又は損害の額は実際の損失にもとづいて決定され、逸失利益はこれを含まない。

第132条の3
 労働者は、機械の試験中又は操作中に発生した避けられない損失又は損害については責任を負わない。

第132条の4
 使用者が、労働者に責任のある資産の関連安全規則を遵守しないことにより発生した損失又は損害については、労働者は責任を負わない。

第133条 限定された賠償責任

第133条の1
 第135条にさだめる場合を除き、過失によりその組織に損失又は損害を与えた労働者に対して課せられる賠償責任の限度は、かかる労働者の月平均賃金を超えてはならない。

第134条 独立契約に基づく賠償責任

第134条の1
 第135条にさだめる場合を除き独立契約にもとづく労働者は、過失により損失又は損害を発生させた場合、その使用者に対しかかる損失又は損害を弁償しなければならない。ただしいずれの場合も、その弁償の額はかかる労働者の平均賃金6ヶ月分を超えてはならない。

第135条 全面的な賠償責任

第135条の1
 労働者に対し次の場合は全面的な賠償責任が課せられる。

第135条の1の1
 その労働者が損失又は損害を引き起こした刑事責任を負う、と裁判所が判断した場合。

第135条の1の2
 作業の過程で使用者へ損失又は損害を与えた労働者に対し全面的な賠償責任を課すことが法律でさだめられている場合。

第135条の1の3
 労働者が、弁護士の委任状又は類似の文書により前もって渡された資産又は高価な品目を返却しない場合。

第135条の1の4
 作業工具、個人用保護具、特殊作業衣、その他労働者に管理責任のある作業関連の資産について、保管責任のある労働者が過失により保管せず維持しない場合。

第135条の1の5
 酒気又は麻薬の影響を受けた労働者が、非作業時に、組織に対し損失又は損害を与えた場合。
第135条の2
 資産を横領又は着服し損失又は損害を発生させた場合の労働者の賠償責任にかかわる規則は、法律によってのみ制定される。

第135条の3
 使用者は、全面的な賠償責任を課す職務又は地位について一覧表を作成しなくてはならず、又、使用者と労働者はかかる責任が課されることにつき協定を結ばなくてはならない。

第135条の4
 全面的な賠償責任について使用者と労働者の間で協定が結ばれておらず、又、かかる責任について雇用契約上に記載がない場合は、労働者に対し全面的な賠償責任を課してはならない。

第136条 損失又は損害の程度の確定

第136条の1
 組織がこうむった損失額又は損害額は、かかる資産の帳簿価格から累積減価償却費を差し引いたものでなくてはならない。

第136条の2
 資産が横領されたり、又は、故意に破壊されたり傷つけられた場合、その損失又は損害の額はかかる資産の市場価格とする。

第136条の3
 二人以上の労働者が発生させた損失又は損害については、賠償責任の種類及び各人の過失の程度に応じてその責任が配分される。


目次
第1章 / 第2章 / 第3章 / 第4章 / 第5章
第6章 / 第7章 / 第8章 / 第9章 / 第10章
第11章 / 第12章 / 第13章 / 第14章 / 第15章