このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
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ヒヤリ・ハット特集
Learning from Near-Accidents
資料出所:オーストリアARBEITSELEBENとスウェーデンUniversity of Lundの
共同プロジェクトによるウェブサイト「Near-Accident Net」
http://www.near-accident.net/UNIQ108858438104049712/doc2565A.html
(仮訳 国際安全衛生センター)
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ヒヤリ・ハットから学ぶ
事業者のみなさん!
従業員のみなさん!
労働安全衛生委員会委員及び安全代表のみなさん!
労働衛生専門家のみなさん!
ヒヤリ・ハットとは?
事業者のみなさん!
卵を割らないとオムレツは作れません。同じように、作業が行われるところではどこでも、ヒヤリ・ハット体験(以下ヒヤリ・ハット)のような計画外のできごとで結果的にはオーライとなるできことがあるものです。ヒヤリ・ハットは警戒信号です。作業安全を進めるチャンスを提供し、生産性や品質の向上にも役立つものです。「ヒヤリ・ハットから学ぶ」ことに焦点を合わせる方法は、現実に則しています。というのは、この方法の目的が、形だけの記録達成行為を少なくし、安全意識や品質水準の向上をめざすスタッフとの活発な意見交換の機会を提供することにあるからです。
みなさんの企業で役立つ、効果的なヒヤリ・ハット活用法をご紹介しましょう。
従業員のみなさん!
ミスを体験することで学ぶことができるときに、さらに危険な危害の体験で学ぶことはありません。みなさんはそれぞれの分野で専門家であり、イレギュラーな事態を熟知しています。ヒヤリ・ハットが起これば、「あの時はラッキーだった」と思うことでしょう。ヒヤリ・ハットは貴重な体験で、その体験を語ることには大きな意義があります。みなさんが語ることにより、他の従業員がそのヒヤリ・ハットの結果の予測をすることができるようになるのです。つまり、職場の安全を向上させる機会が増えることになります。「ヒヤリ・ハットから学ぶ」という方法を仲間のみなさんと一緒に推進してください。
労働安全衛生委員会委員及び安全代表のみなさん!
私たちは、職場の災害を防止する又は災害の発生を最小限にとどめるために、ヒヤリ・ハットから学ぶこともできます。ヒヤリ・ハットも労働災害とおなじく、作業条件または不適切な行為といった様々な要因から起こります。イレギュラーな事態がいつも検討される職場ならば、お互いに信頼しあう雰囲気があるはずです。みなさんはそこで積極的な役割を果たすことができます。その役割とは例えば、「体験討議グループ」の立ち上げを提案したり、みなさん自身がその会議の議長を務めることです。
労働衛生専門家のみなさん!
「労働衛生安全法」によれば、ヒヤリ・ハット発生後は、会社はその対策を講じなければなりません。また従業員は、もう少しで事故になるところだった事案はすべて報告しなければなりませんし、事業者はその関連記録を保管しなければなりません。こうした従業員と事業者の活動は、「ヒヤリ・ハットから学ぶ」ことにより真に意義のあるものになります。みなさんは、この予防的かつ包括的な災害防止手段を普及させるうえでの責任者となってください。
ヒヤリ・ハットとは?
以下に挙げる事例とビデオ事例をとおしてヒヤリ・ハットとは何かを学んで下さい。
- 照明装置を修理しなければなりませんでした。それで配電箱のところへ行きヒューズを外し、再び照明装置のところへ戻りましたが、いつもの習慣で電流が通じているかいないかチェックしませんでした。そうこうしているうちに、誰かがヒューズを元通りにしてしまいました。照明装置に手を差し入れた瞬間、飛び上がってしまいました。今回はこの程度で済みましたが、もっとひどい事態になった可能性もあります。
- 先週、私達は重さ1.5トンの部品を吊り上げようとしていました。ちょうど2mの高さに持ち上げた時、ホイストが突然壊れました。幸いなことに、誰もその下にいませんでした。ホイストには初めから欠陥があったに違いありません。
- 地階に貸しフラットがあり、ドアとドアの付属部品全てがガラスでできていました。ドアが開いているかどうか誰にも判別できなかったでしょう。私は中に入ろうとしました。が、ドアに当たり、文字通りはじき飛ばされてしまいました。同僚にそのできごとを告げてから私はドアを開け、奥へと進みました。しばらくしてガラスの壊れる音を聞きました。別の従業員が私と同じようにフラットに入ろうとしたのです。この経験から言えることは、透明な個所には粘着テープなどを貼りはっきりと表示しなければならない、ということです。
イレギュラーな事態にはいろいろありますが、一般的には特に目立つものではありません。従ってこの種の出来事は、誰も怪我しなかったからほっとしたとか、損害が思ったより小さくて助かった、ということで報告されてしまいがちです。
「物事が結果的にうまくいった事案」はよく覚えているものです。安全基準がより厳しくなり災害の発生件数自体は徐々に減少していますが、私たちがしなければならない事はまだたくさんあります。氷山の一角を見るだけではなく、水面下にある事象をよく調べることが大切です。そして人的損傷がなくて済んだ場合、あるいはわずかな物的損害だけで済んだ場合(以下に示す)でも、その出来事をまじめに取り上げる姿勢が大切なのです。
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