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ヒヤリ・ハット特集
Learning from Near-Accidents

資料出所:オーストリアARBEITSELEBENとスウェーデンUniversity of Lundの
共同プロジェクトによるウェブサイト「Near-Accident Net」

http://www.near-accident.net/UNIQ108858438104049712/doc2565A.html

(仮訳 国際安全衛生センター)



 
ヒヤリ・ハットから学ぶ
  利点
ヒヤリ・ハットから学ぶ方法
  ヒヤリ・ハットの報告
  事例研究
  体験討議
  スタッフ調査
教育訓練
リンク
ヒヤリ・ハットから学ぶ方法
(*原文はこちら

ヒヤリ・ハットから学ぶとは?
 基本的には、失敗の体験を学ぶためのチャンスおよび改善のためのチャンスととらえるような職場環境がなければなりません。災害防止対策「ヒヤリ・ハットから学ぶ」では、企業に以下を推進するコースを設置するよう求めています。

ヒヤリ・ハットを認識し記憶する。
 会社が全社を挙げてこの災害防止対策に積極的に取り組むならば事は簡単になります。

 活動内容としては次のものが挙げられます。
  • 覚え易いプロジェクト名、例えば"危機一髪""運が良かった""クローバーの葉キャンペーン"、または単に"ヒヤリ・ハットから学ぶ"といったプロジェクト名をつける。
  • 意欲的なスタッフに対し、そのスタッフが経験したり聞いたりしたことのあるヒヤリ・ハットについて調査を行う。
  • スタッフに対し、コンサルタントまたは専門家の指導の下で安全文化についての調査を行う。そうすることで会社は、安全ネットワークのどの部分、つまり心理社会面、技術面、組織面のつながりのどの部分が弱いのかを知ることができる。
  • イレギュラーな事案の報告書を作成する。この場合、報告書のレイアウト及び内容の少なくとも一部については従業員の提案を取り入れなくてはならない。
  • 事案報告のための用紙をあらかじめ設置しておく。そうすることにより@従業員が安全作業の大切さをいつでも思い出すことができる、A事案または災害が実際に発生した時、ただちに報告書を作成することができる、B従業員がヒヤリ・ハットについてオープンに話しやすくなるようにすることができる。
  • ヒヤリ・ハット事例を安全衛生委員会、定例役員会、労働協議などの議題で必ず取り上げる。
  • 異なった職場の代表者グループによる会合を定期的に開く。この会合を通してコミュニケーションギャップを解消し、知恵を出し合って安全職場のモデルを作る。
  • 従業員ひとりひとりに不安全行動を理解させるため、各職場に向けて、事故になりそうな状況のリストを作成する。
ヒヤリ・ハットについて語り報告する。
 この方法は、信頼に満ちた和やかなムードの中で会合を主催することにより効果を上げることができます。

 この方法を進めるための補足的な手段として次の方法があります。

  • 安全代表、労使協議会メンバー、品質コーディネーター、労働衛生専門家が、この「ヒヤリ・ハットから学ぶ」プロジェクトを調整する。
  • 従業員に対し、企業で培われた専門知識・技術を通常の業務だけでなく、職場の安全問題の解決のために用いるよう促す。
  • ヒヤリ・ハット状況を説明した事案報告書(記名・無記名を問わない)用の投書箱を社内に設置する。
  • 自分がヒヤリ・ハットを経験したあとでハザードを指摘した従業員を表彰し、感謝する。
  • このテーマに関する企業イベントを開催し、インターネット上のビデオを見ることができるようにする。
ヒヤリ・ハットから対策を練り実施する。
 この対策は、時間を効果的に使った実践的な方法(実証済みの方法を使い、良い結果を得るために考案されたもの)でおこなわれます。

 この方法を進めるための補足的な手段として次の方法があります。

  • 「体験討議グループ」による会合を定期的に開催する。
  • 「体験討議グループ」の成果を労働衛生専門家、品質コーディネーターが検証する。
  • 報告されたヒヤリ・ハット事例及び考案された改善策を社内で文書の形で公表する。この場合、関係者に必ずフィードバックする。
  • 社内安全リストの最新版を用意し、従業員の誰もが簡単に見ることができるようにし、同僚に対し健康への害を指摘することができるようにする。