このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
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ヒヤリ・ハット特集
Learning from Near-Accidents
資料出所:オーストリアARBEITSELEBENとスウェーデンUniversity of Lundの
共同プロジェクトによるウェブサイト「Near-Accident Net」
http://www.near-accident.net/UNIQ108858438104049712/doc2565A.html
(仮訳 国際安全衛生センター)
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オーストリア企業トップが語る「ヒヤリ・ハットから学ぶ」キャンペーンの利点
(要約)
構造用鋼会社の社長(従業員70名)
従業員には、オーナーの私にとって安全は重要なことだということをわかって欲しいと思います。従業員が、「オーナーは言葉だけでなく安全のために何かをしてくれる」のだと口にするようになれば良いと思います。労働災害が起これば企業及び国の経済は大きな痛手を受けます。従業員がひとり病気で休むと1名人手不足となり、会社は新たな費用負担を負うことになります。それでも、その仕事は終えなければなりません。ですから私は、従業員がなるべく災害に遭わず休業が発生しないようにすることに関心があります。誰もがそれぞれ応分の働きをするならば、つまるところ、多くのことが達成されるのです。
機械工業会社の社長(従業員21名)
ヒヤリ・ハットの問題点は、何かがあわや起こりそうだったけれど起こらなかったという点です。このため人は、そのできごとについて語らない傾向にあります。つまりその場に居合わせでもしない限り、そのできごとについて知り得ないことになるのです。けれども、なぜ何事も起こらなかったのか、どうしてこのヒヤリ・ハットが発生したのかということを調べるのはおもしろいものです。そうすることによって、作業手順とプロセスをより安全にする方法を見つけることができます。
配管・屋根葺き会社の社長(従業員43名)
私達の会社は近代的な会社で、安全のために大変な努力をしています。「チャンスがあればいつでも学ばなければならない」というのが私たちのモットーです。もしこれから先、教育訓練をやめたとしたら、会社は後退するでしょう。この「ヒヤリ・ハットから学ぶ」プロジェクトは私達にとってやりがいのあるプロジェクトです。プロジェクトの初期調査の段階ですでに、今後私達が認識し続けなくてははならないものが何であるかがわかりました。
配管・屋根葺き会社の社長(従業員40名)
多くのヒヤリ・ハット事例を知っています。大小の労働災害が多発しているだけでなく、現実には死亡災害もあるという事態も残念に思います。ですから私達はヒヤリ・ハットに関してとても敏感です。しかしこのプロジェクトを実行している課程で、思っていたよりはるかに多くのヒヤリ・ハットが現実には発生しているということに気付きました。
配管・屋根葺き会社の社長(従業員39名)
従業員がなんらかの労働災害に遭い、その後人生を狂わせてしまうのを見るのはつらいものです。残念なことに、従業員が自分の安全に関する態度を買い被っている例がよく見受けられます。例えコストが増えてもたえず従業員に対し、安全基準の順守を強く求めていかなくてはなりません。一番大切な資源は従業員なのです。機械ならいつでも買うことができるのですから。
窓枠製造会社の工場長(製造部門:従業員33名)
このプロジェクトの成果を期待しています。私たちの手本となる企業がこのプロジェクトに参加しているからです。私たち経営陣はこのプロジェクトを通して、さらに多くのヒヤリ・ハット事例を知ることになるでしょう。従業員に労働災害が及ぼす影響を知らせ、かれらをこうしたプロジェクトに参加させることは、極めて重要なことです。危険な傾向を芽のうちに摘み取ることができるからです。
錠前店の共同経営者(従業員11名)
防止できる労働災害というものはなんであれ、費用対効果を計算する上で正の効果をもたらします。人は一般的に、災害が起こるまでなかなか行動しないものです。私達が既にヒヤリ・ハット事例を検証しつつあり、なにか事故が起こりそうな事態を事前に察知しつつあることは大変すばらしいことだと思います。
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