欧州連合、イギリス、ドイツ及びアメリカにおけるリスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステムに関する最近の動向について概要を報告する。
(なお、当該情報は、2010年(平成22年)3月に報告された中央労働災害防止協会 「製造業におけるリスクアセスメント及び全社安全衛生活動の好事例に関する調査研究報告書」のⅢ 欧米におけるリスクアセスメント、OSHMSの動向」にも掲載されており、
JISHA海外トピックス2009年5月26日「リスクアセスメント及びOSHMSに関する最近の海外動向−中災防調査研究報告書より」の続編である。)
欧米におけるリスクアセスメント、OSHMSの動向
「製造業におけるリスクアセスメント及び全社安全衛生活動の好事例に関する調査研究報告書」
(中央労働災害防止協会 平成22年3月)より
欧米におけるリスクアセスメント及びOSHMSのメリット制等、普及促進策はどのようになっているか、近年の動向についてまとめる。注目される事項は以下のとおり。次ページ以降に詳細を掲載する。
目次
注目される事項
- 小売業、サービス業なども含め、広範にわたる職種/業種に対し、実施例、チェックリスト、ツール、ITソフトなどの多数が、データベースによって提供されている。
- 危険有害要因とその対策について、個々の要因ごとに詳細な情報が提供されている。
- 家族経営事業場を含む中小企業に対して重点が置かれている。
- 表彰された優良事例に見られるように、パソコンソフトなど手法が多岐にわたる。
- 経営者のリーダーシップの発揮、従業員の参加が図られている。
- 傷害だけでなく、職場ストレス、遅発性健康障害も対象に含まれる。
- リスクの根源からの除去(優先順位)ALARPの徹底が掲げられている。
- リスクアセスメントが形骸的になることの防止が重視され、これをチェックするツールが用意されている。
- 安全衛生経営方針とリスクアセスメントを結合したテンプレート(様式)の導入により、安全衛生経営方針作成の徹底を図っている。
- EU-OSHAは、協賛者団体を認定することにより、広い範囲からの協力を求めている。
- IOSHの提供するリスクアセスメントルートファインダーは、企業経営において安全衛生以外に存在するリスクも対象としている。
- リスクアセスメントとリスクマネジメントの区分が見当たらない。システム認証については、どこにも触れられていない。
- 点付けも姿を見せていないように思われる(HSEは、一つの手段だが、実施においては、弊害を防ぐための注意が必要としている)。
- アメリカOSHAのVPPは、認定事業場の災害発生後のフォローについて、改善が必要な旨、連邦会計検査院から指摘を受けた。
※なお、今回まとめた内容以前の動きについては、「リスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の普及状況と促進方策に関する調査研究報告書」(中災防・2009(平成21年3月))及び
JISHA海外トピックス2009年5月26日「リスクアセスメント及びOSHMSに関する最近の海外動向−中災防調査研究報告書より」を参照のこと。
1 欧州連合
- (1)
- 欧州リスクアセスメントキャンペーンの総括
- キャンペーン活動の概要
- 企業におけるリスクマネジメントの実施状況について、欧州リスク監視活動部門による調査結果の速報
- EU-OSHAがリスクアセスメントツールデータベースの提供を開始
- EU-OSHA報告書・ファクトシート:職場リスクの評価、除去、極限的抑制
- EU-OSHA報告書:多様な労働者のすべてを対象としたリスクアセスメント
- (2)
- 国際社会保障協会(ISSA)鉄鋼金属部会が刊行の中小企業向けリスクアセスメントの手引き
2 イギリス
- (1)
- イギリスIOSHが設置のリスクアセスメントルートファインダー
- (2)
- イギリス安全衛生庁(HSE)によるリスクマネジメントの進展
- (3)
- イギリス安全衛生庁HPに安全衛生マネジメントのページ新設
3 ドイツ
- (1)
- ドイツ連邦安全衛生研究所が設置のリスクアセスメント支援データベース
- (2)
- ドイツ連邦安全衛生研究所「リスクアセスメント支援データベース」に掲載の外部コンサルタント機関に関する情報
4 アメリカ
- (1)
- 2007会計年度におけるVPP活動成果評価の概要
- (2)
- 連邦会計検査院のVPP改善に関する報告書
5 関連情報
- (1)
- JISHA海外トピックスの記事
- (2)
- 主要サイトURL
以上の項目に対する詳細情報は、以下のPDF資料から、ご参照ください。