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各国情報・国際関係

ドイツで危険有害物質規則2010施行

2011年2月28日

ドイツ連邦労働社会省(BMAS)告示- 2010年12月1日 別ウィンドウが開きます

ドイツ連邦労働社会省(BMAS 別ウィンドウが開きます )は、2010年11月30日、危険有害物質規則(Verordnung‚ordinance)及び爆発物規則の改正に係る政令である危険有害物質規則2010(Gefahrstoffverordnung 2010 別ウィンドウが開きます )を官報で公布した。同年12月1日から施行されている。

危険有害物質規則2010は、欧州のCLP(Classification, Labeling and Packaging of substances and mixtures 別ウィンドウが開きます )規則やREACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals 別ウィンドウが開きます )規則をドイツ国内で適用するものである。危険有害物質規則2010は徹底した「リスク管理」の考え方に基づいており、どんな安全対策をとるかは、もっぱらリスクアセスメントの結果によることになる。

リスクアセスメントについて、表示に基づいて安全対策のレベルを決定するアプローチは廃止される。危険有害物質規則2010は、リスクアセスメントの体系的な実施過程を明記している。

経過期間中(2015年6月1日まで)は、リスクアセスメントは改正前の制度で行うこともできる。

危険有害物質の登録は、実務的に拡大されることになる。
改正前の規則では以下がその内容となっている。

  • 安全データシートの参照指示
  • 危険有害物質の表示
  • 分類または危険性
  • 量(十分な量、たとえば「危険有害物質曝露評価(EMKG)」の場合の量)
  • 業務の表示

危険有害物質規則2010は基本的義務と、リスクアセスメントにより決定される安全対策を分けて定めている。

基本的義務はあらゆる場合に適用される。

  • 最小限度の原則及び代替物の使用原則
  • 安全対策の優先順位付け
  • 作業場限界値の順守及び安全対策の有効性の検査の順守

安全対策は改正前の規則と同じく、危険性が高くなるにつれ、追加的な安全対策が要求される。

  • あらゆる安全対策の基礎となる一般的安全対策
  • 追加的な安全対策
  • 発がん性、変異原性または生殖毒性物質(CMR物質)及びカテゴリー1及び2に掲げた混合物に対する特別の安全対策

有毒物、高有毒物、CMR物質についても、危険有害物質規則2010が定める事例においては、僅少危険性の場合がある。僅少危険性については、業務に必要な一般的安全対策で十分である。

技術的な安全対策の有効性については改正前の制度と同じく、検査を行わなければならないこととされている。その期限は対策ごとに決まっており、3年を超えることはない。粉じんの除去、収集、堆積に関する装置の検査は、改正前と同じく1年1回と設定されている。

TGRS400 別ウィンドウが開きます 「危険有害物質の取り扱いにおけるリスクアセスメントに関する告示」で定める毒物に関する検査データまたは比較可能な情報が欠如している場合の対策は、危険有害物質規則2010に盛り込まれた。

危険有害物質規則2010は、国内で製造または使用される物質のみに適用される。それに加え、REACH−VO附則17におけるEU全体における制限も順守されなければならない。

危険有害物質規則2010は2015年6月1日の経過期間の終了まで、分類及び表示についての新旧両制度が利用できる法的根拠となる。その時点まで安全データシートには旧制度に基づく分類が適用される。

事業場におけるCLP規則の運用については、危険有害物質に関する告示408で定めている。

有害物質規則2005の附則Ⅱ「情報、表示、包装に関する特別規定」は廃止される。

爆発危険物質の取り扱い及び有機過酸化水素の取り扱いは危険有害物質規則2010に統合される。

危険有害物質規則2010は、安全対策の決定はリスクアセスメントの結果のみによるべきだとしている。それは、CLP規則を導入する可能性となる小さな一歩である。企業は、経過期間中はリスクアセスメントに対する新旧両制度を利用することができる。

関連情報

本稿で紹介した危険有害物質規則2010はまだ英訳されていないが、改正前の危険有害物質に関連する法令GefStoffV(Gefahrstoffverordnung )、技術規則TRGS(Technische Regel für Gefahrstoffe)、告示BekGS(Bekanntmachung zu Gefahrstoffe)その他の情報は、ドイツ連邦労働安全衛生研究所の″Topics from A to Z″の″Hazardous Substances″に英語で掲載されている。

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