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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別、分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2011年5月6日
イギリス安全衛生庁(HSE )がカーボンナノチューブの製造と取扱いについて資料を作成した。また、本資料は、新たに出現しているカーボンナノチューブに係る毒性の証拠に対応し作成されている。本資料で詳述されるリスクマネジメントの原理は、類似のアスペクト比(aspect ratio)を有する他のナノサイズの生物耐性繊維に対し適応可能である。
原資料の題名と所在
Risk management of carbon nanotubes,
pdf file
この情報は、カーボンナノチューブ(CNTs)の製造と取扱いに関連する安全衛生の指針を提供する。CNTsは、単層と多層からなる3次元構造の物質である。性状は、長く、真っ直ぐな繊維若しくはからみあった繊維と考えられる。成分は、純粋な炭素、若しくは金属または他の物質が存在する場合がある。強度は、スチールの60倍以上、更に、6倍以上軽い。
CNTsの職業ばく露は、次の作業で生じる。
新しいデータでは、CNTsを吸引すると肺の炎症及び線維症を誘発する可能性を示している。CNTsのタイプ、その物理的形態、不純物の存在及び表面の状態が深刻な反応に影響を与えるのかもしれないが、現在のところ、どの要因が最も関連しているのかについて確定的な情報はない。また、吸入したCNTsが身体の肺以外のその他の部位に不逆的健康影響を生じる役割を持つかどうかについて明らかではない。しかし、細くて、長い、真っ直ぐで鋭利なCNTs及び他のナノ粒子(高アスペクト比等)は、特有の危険を示唆する証拠が増えている。
ナノ粒子の職業的使用には、危険物質管理規則(COSHH2002-Control of Substances Hazardous to Health Regulations 2002)が適用される。リスクアセスメントの原理がCOSHHに組み込まれ、たとえナノ粒子に必要なすべての情報を入手できなくても、その原理を適用する。
CNTsを他の会社または大学に提供するときには、この物質とともに安全衛生情報を提供しなければならない。この情報には、CNTの含有量(%)または濃度とともに、CNTsを含む物質である警告をともなうべきである。“警告:物質の毒性は十分に分っていない” というラベル表示は、良い事例である。
CNTsは懸念物質であり、吸入による危険性に対し信頼性のある証拠が入手できるまでは、予防措置として、すべてのCNTsに対しリスクマネジメントが採用されるべきである。もし、CNTsの使用が避けられなければ、CNTsのばく露する作業場所に対しリスクマネジメント計画をたて、CNTsのばく露を可能な限り最小にしなければならない。そのための計画に盛り込む要素は次のとおりである。
ナノ粒子の製造及び使用する労働者に対する特別な医学的スクリーニングを正当化させるかどうかを判断するための利用可能なデータの継続的な再評価とあいまって、ナノ粒子の危険性の研究は、必要とされる。CNTs取扱い者のための健康診断に係る法規定はない。しかし、COSHH健康記録様式と同様にCNTs取扱い者すべての記録の保存が最良の方法である。
廃棄物の取扱いは次のとおりである。
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