要約
訳者注:以下の日本語訳中の「イタリック体でのカッコ書き」は、訳者が文意を補足するために加えたものである。
- このConstruction (Design and Management) Regulations 2015(建設(設計及び管理)規則2015年。以下「新規則」という。)は、2007年に施行された同じ規則(以下「旧規則」という。)を全面的に改正して、新たに施行するものである。
- 新規則及び旧規則は、それぞれ、「(工期が)有期であるか、又は移動する建設現場の最低限の安全及び健康の要求事項の実施に関する(欧州理事会)指令92/57/EEC (OJ No L245, 26.8.92, p6)」(訳者注;この理事会指令のあらましは、
理事会指令_対訳.pdf
を参照されたい。)の要求事項を連合王国の国内法制として実施するものであるが、今般2007年以降の連合王国内における旧規則の履行状況等を踏まえて、上記のとおり改正した新規則を施行したものである。
- Construction (Design and Management) Regulations 2015(建設(設計及び管理)規則2015年)における旧規則からの主要な変更点は、次のとおりである。
- (1)
- 新規則は、ある者がその工程で働いているか、又はビジネスを推進しているかどうかにかかわらず、全ての依頼者(発注者)に適用される(規則2(1))。
- (2)
- 旧規則における建設(設計及び管理)責任者の役割は廃止され、新規則では依頼者(発注者)の義務を含む様々な義務(規則4)及び一般的な義務(規則8)が新たに課されている。
- (3)
- 旧規則では、届け出の義務のある工事(30日を超えて続きそして どの時点でも20人を超える労働者が同時に就業し、 又は500人日を超えることが見込まれる工事)について建設(設計及び管理)責任者の役割を任命されることが求められていたが、新規則では、依頼者(発注者)は、その工事において一人を超える請負者があるか、又は一人を超える請負者があることが合理的に予想できるいかなる工事においても、主設計者並びに主請負者(元方事業者)を任命することが要求される(規則5)。
- (4)
- 新規則において、旧規則から変更された鍵となる事項は、主設計者の役割である。この役割は、(工期が)有期であるか、又は移動する建設現場の最低限の安全及び健康の要求事項の実施に関する(理事会)指令92/57/EECの3.1で要求されているように、工事の準備段階のための安全と健康の責任者の機能を満たすものである。この役割は、以前は旧規則における建設(設計及び管理)責任者の役割として果たされていた。その理由として、新規則では、主設計者は、建設工事の前段階を通じて責任を持つ設計者であるべきなので、工事の中で、旧規則における建設(設計及び管理)責任者よりもより中心的な役割を持つこととされた(規則5(1)(a))。この場合、建設工事の前段階とは、その工事のための全ての設計及び準備作業を含む(規則2(1))こととされた。そこで、主設計者は、工事の前段階の全ての過程を通じて、工事の前段階の全体計画、管理及び監視に関連する全ての健康と安全の問題を調整することが要求される(規則11(1))。
原資料の題名と所在
Managing health and safety in construction
Construction (Design and Management) Regulations 2015
Guidance on Regulations
http://www.hse.gov.uk/pubns/priced/l153.pdf
概要
Construction (Design and Management) Regulations 2015(建設(設計及び管理)規則2015年規則)
(以下「CDM2015」という。英語-日本語対訳)
に関するガイダンス中の「表1 CDM2015の下での役割と義務の要約」を別記1として、
及び「予防の一般原則」を別記2として、CDM2015の全ての条項の目次を別記3として、それぞれ、紹介する。