第X章 刑罰および手続き
第92条 法律違反に対する一般刑罰
本法の中で別途、明確に規定され、また第93条規定に従うものを除き、もし工場内または工場に関し、本法のいずれかの規定、または規定に基づき規定の規則、または規則に基づく命令書に関する違反があれば、工場の占有者および支配人は、それぞれ法律違反となり、2[2年]以下の禁固刑か3[10万ルピー]までの罰金刑、または、その双方を課せられ、またもし違反が判決後も継続すれば、違反の継続1日当たり4[1000ルピー]以下の罰金を重ねて課せられるものとする。
5[ただし、第W章の規定、または同章または第87条に基づく規則違反が、死亡または重大な身体的傷害をもたらす事故の原因となった場合、罰金は6[25,000ルピー]以上とし、重大な身体的傷害の場合、罰金は7[5000ルピー]以上とする。
説明:本条および第94条の「重大な身体的傷害」とは、いずれかの四肢の永久的な使用損失または永久的傷害、または視覚または聴覚の永久的損失または永久的傷害、何らかの骨の破断を含むか、または含む確率が極めて高い傷害を意味する。しかし手または足の指趾骨の骨または関節の破断(2つ以上の骨または関節の破断でないもの)を含まない。]
注
法律違反に管轄権を持たない第2級裁判所は証拠を記録した後、事件を第1級治安判事に送致する。第1級治安判事は、事件の発端から新規に手続きを進める。すでに記録された証拠に基づく有罪判決は破棄を免れない。B.D.Jhunjunwalla
v. The State 1977 (35) FLR 77.
2 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
3 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
4 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
5 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
6 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
7 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
1[第93条 ある状況内の施設所有者の賠償責任
(1) いずれかの施設において、別個の建物が別個の工場として使用するため異なる占有者に貸し付けられている場合、その施設を所有する者は、取り付け道路、排水、水道供給、照明、衛生などの共通の施設・設備およびサービスに責任を負うものとする。
(2) 主任監督官は、州政府の支配に従うことを条件として、施設所有者に(1)項の規定の履行につき命令を与える権限を持つ。
- (3) 独立または自営のあらゆる施設においても、階または建物区分を別個の工場として用いるため、異なる占有者に貸し付けている場合、その施設の所有者は、工場の占有者または支配人である場合と同様に、以下に関する本法の規定違反に賠償責任があるものとする。
-
(i) 便所、便器および洗浄設備用の共同の水供給維持に関する限り、便所、便器および洗浄設備;
(ii) 所有者に属し、占有者による使用のため特定して委任されていない機械類、プラントの囲い;
(B) 階または建物区分へ安全な接近手段、および階段、共同通路の維持および清掃;
(C) 防火;
(D) ホイストおよびエレベータの維持;
(E)施設に供されているその他のすべての共通施設・設備の維持。
(4) 主任監督官は、州政府の支配に従うことを条件として、施設所有者に(3)項規定の実行に関し命令する権限を持つ。
(5) 所有者の賠償責任に関する(3)項の規定は、あらゆる施設にあっても、共同の便所、便器および洗浄設備が付帯した独立室が、異なる占有者に別個の工場として貸与されている場合、適用される。
(6) 主任監督官は、州政府の支配に従うことを条件として、第46条および第48条の規定実行に関し、(5)項に述べた所有者に命令する権限を持つ。
- (7) あらゆる施設にあっても、部分、部屋、小屋が別個の工場として用いるため、異なる占有者に貸与されている場合、施設所有者は以下の規定に対する違反に賠償責任を負うものとする。
-
(i) 第14条および15条を除く第V章;
(ii) 第22、23、27、34、35、36条を除く第W章:
ただし、第21、24、32条の規定に関し、所有者の賠償責任は、これら規定が同人の支配下にある物品に関係する部分のみとする。
さらに占有者は、自らに属し、または自らが供給したプラントまたは機械類に関し、第W章の規定順守に対する賠償責任を持つものとする。
(B) 第42条。
(8) 主任監督官は、州政府の支配に従うことを条件として、施設所有者に対し、(7)項規定の履行につき、命令する権限を持つ。
(9) (5)項および(7)項に関し、本法規定のため雇用全労働者数を算出する際は、施設全体を単一工場と見なす。]
第94条 再犯時の刑罰強化
1[(1)もし、第92条による刑罰の対象である法律違反により有罪を宣告された人が、再び、同じ規定の違反を含む法律違反を犯した場合、続く有罪判決で2[3年以下]の禁固または3[4[1万ルピー]以上]で5[20万ルピー]以下の罰金のどちらか、または、その双方を課せられる:
6[ただし、裁判所は判決で言及した妥当、特別な理由により、7[1万ルピー]以下の罰金を課すことができる:
さらに第W章の規定または、同章または第87条に基づく規定の違反が、死亡または重大な身体的傷害を与える事故の原因となった場合、罰金は死亡事故であれば8[3万5千ルピー]以下、重大な身体的傷害事故であれば9[1万ルピー]以下とする。]
10[(2) (1)項の目的において、人が有罪判決を受けることになる法律違反行為日より2年以上過去の有罪判決は、認定の範囲外とする。]
1 1976年法律94号により94条を(1)項に変更(w.e.f. 26.10.1976)
2 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
3同法により「1000ルピーまで拡大できる」を置換
4 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
5同法により「1000ルピーまで拡大できる」を置換
7同法により「1000ルピーまで拡大できる」を置換
8 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
9 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
10 1976年法律94号により挿入(w.e.f. 26.10.1976)
第95条監督官妨害に対する刑罰
本法により、または本法に基づいて与えられた権限を行使する監督官を意図的に妨害した者、または監督官の要求に際し、本法またはそれに基づく規則により保存、保管中の登録簿その他の書類を提出しない者、工場の労働者を隠し、労働者と監督官との面会、または監督官による検査を妨げた者は、禁固または11[1万ルピー]以下の罰金、またはその双方を課せられる。
第96条第91条による分析結果の不正公開に対する刑罰
本法により罰せられる犯罪を訴追する目的で必要な場合を除き、第91条によって行われた分析結果を公表または他人に明らかにした者は、12 [6ヶ月以下の]禁固または13[1万ルピー]以下の罰金、またはその双方を課せられる。
14[第96-A条 第41B、41C、41H各条の規定違反に対する刑罰
(1) 第41B、41C、41H各条のいずれかの規定、またはそれに基づく規則の規定に従わず、または違反した者は、応諾拒否または違反に関し7年以下の禁固および20万ルピー以下の罰金を課せられ、応諾拒否または違反が継続する場合、最初の応諾拒否、違反の有罪判決が下った後、応諾拒否、違反が続く1日につき、5千ルピー以下の罰金を追加して課せられるものとする。
(2) もし(1)項に述べた応諾拒否または違反が、判決後1年を超え継続する場合、違反者は10年以下の禁固により罰せられる。]
11 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
12 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
13 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
14 1987年法律20号により挿入(w.e.f 1.12 1987)
第97条 労働者による法律違反
(1) 第111条の規定に従い、もし工場に雇用されている労働者が本法の規定または、それに基づく規則の命令に背いて労働者に義務または賠償責任を課した場合、同人は1[500ルピー]以下の罰金により処罰される。
(2) (1)項により処罰される法律違反により、労働者が有罪判決を申し渡された場合、その工場の占有者または支配人は、防止にすべての合理的な措置を取らなかったことが証明されない限り、背反について法律違反の罪があるとは見なされない。
1 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
第98条 児童の二重雇用容認に対する刑罰
もし児童がすでにある工場で作業している日に別の工場で働いた場合、児童の両親または保護者、その児童の身柄を預かりまたは管理し、または児童の賃金から直接に利益を得ている者は2[2ヶ月以下の]禁固または罰金3[1千ルピー以下、またはその双方]を課せられる。
2 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
3 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
第99条児童の二重雇用容認に対する刑罰
もし、児童がすでにある工場で作業している日に、別の工場で働いた場合、児童の両親または保護者、またはその児童の身柄を預かり、または管理し、または児童の賃金から直接、利益を得ている者は、その児童がこのような両親、保護者、人物の同意または黙過なしに作業したと裁判所が判断した場合を除き、4「1千ルピー」以下の罰金を課せられる。
4 1987年法律20号により置換(w.e.f 1.12 1987)
第100条 5[********]
5 1987年法律20号により削除(w.e.f 1.12 1987)
第101条 特定の場合における占有者または支配人の責任免除
工場の占有者または支配人が本法により罰せられる法律違反で告発された場合、当人が正式に異議を作成し、異議申し立てを行う意図を文書で3日以内に検察官へ通知すれば、実際の法律違反者であると当人が非難している他の者を、論告予定時に法廷へ出廷させる権利を持つ。また、もし法律違反行為が立証された後も、工場の占有者または場合によっては支配人が、以下を裁判所が満足する程度に証明した場合、‐
(a) 当人は本法を履行するために適切な努力を払った、
(b) その他の者は、当人の認識または同意、黙認なく、問題の法律違反を犯した、
他の者は法律違反に対する有罪判決を受け、工場の占有者または支配人である場合と同様に、刑罰を受けるものとし、その占有者または場合によっては支配人は、その違反に関する本法による賠償責任から解放される。
ただし、前述の立証を求めるさい、工場の占有者または場合によって支配人は、宣誓の上尋問され、その証言および自らを弁護するため要請した目撃者による証言は、検察官および彼が実際の犯人であると非難する者の立場に立つ反対尋問を受けるものとする。
さらに、もし、占有者または支配人が実際の法律違反者であると非難する者を、論告が行われる時間に裁判所に出廷させ得なければ、裁判所は3ヶ月を超えない間、聴聞を随時延期し、もし前述の期間が終了するまでに実際の違反者であると非難された者を裁判所に出廷させ得なければ、裁判所は占有者または支配人に対する論告を聴き、もし法律違反が証明されれば、その占有者または支配人に有罪判決を申し渡す。
第102条 命令を定める裁判所権限
(1) 工場の占有者または支配人が本法により罰せられる法律違反につき有罪宣告を受けた場合、裁判所は何らかの刑罰を与えるのに加えて、命令書で当人に命令に示す期限(裁判所が適切と考えれば、この期限を随時延長できる)内に、法律違反が起きた事例を改善するため示した措置を取ることを要求できる。
(2) (1)項により命令が出された場合、工場の占有者または場合によって支配人は、本法に基づき裁判所が認めた期間または延長期間(場合によって)を通じ、違反継続に関し賠償責任を負わない。しかし、もしこのような期間、または場合によっては延長された期間が終了した時に、裁判所命令が全面的に遵守されていなければ、占有者または場合によって支配人は、さらなる違反を犯したものとされ、このため裁判所により6ヶ月以内の禁固、または期間終了以後、命令が遵守されていない1日につき100ルピー以内の罰金、またはその双方が課せられる。
第103条 雇用に関する事実認定
もし食事時間または休息時間を除く時間中に、作業が進行しまたは機械類が作動中である時に、人が工場内で視認された場合、その者は被用者でないことが証明されるまで、本法およびそれに基づく規則の規定では、その時点に工場に雇用されていたと認定される。
1 [第104条 年齢に関する責任
(1) もしある者が一定年齢に達していなければ、ある行為または不作為が本法により罰される法律違反である時、またその者が裁判所の見解で、反証がない限りその年齢以下であるとされた場合、その者が年齢未満でないことの立証責任は被告にあるものとする。
(2) 認定工場医がある労働者を検査し、その者が未成年であると判断した場合、その工場医の書面による陳述は、本法およびそれに基づく規則の目的上、その労働者の年齢の証拠として採択される。
第104-A条 実行可能な限界などの立証責任
何らかの行為を行う義務または要件の不作為を内容とする、本法の規定およびそれに基づく規則に背反した法律違反の訴訟手続きにおいて、義務または要件を満たす目的の対応が合理的に実行可能でなかった、場合によっては、実行可能な措置はすべて実施したと立証する責任は、行為を行う義務または要件に対応しなかった容疑を受けている者にある。]
1 1987年法律20号により挿入(w.e.f 1.12 1987)
第105条 法律違反の認定
(1) いかなる裁判所でも、監督官の申し立て、または文書による事前の同意なしに、本法に基づく法律違反を認定してはならない。
(2) 2大統領府判事、または3治安判事または第一級判事は、いずれも、本法に基づく法律違反を審理しない。
注
刑事訴訟法第901条1項から明らかな通り、治安判事は法律違反を、それが起きたとの疑いのみに基づいて認定できる。従って工場の主任監督官があらゆる方法で自分の申し立てを治安判事に伝えるかは重要でない。もし治安判事がそう判断すれば、何者かが主任監督官に代わって申し立てても、治安判事は法律違反を認定できる。治安判事は葉書または電報を受け取っただけででも、法律違反の発生を認定できる。法律には、告訴人が自らは申し立てを提出しないことを理由として、治安判事の法律違反の認定を阻止する規定はない。主任工場監督官が行った申し立ては、警察官以外の者から受け取った情報と同様に取り扱われ、刑事訴訟法第190条(1)項(c)の対象となる。主任工場監督官は、その申し立てを自ら提出する必要はなく、治安判事は監督官がたとえ口頭または文書通知で申し立てを行ったとしても、これを認定できる。工場法第105条(1)項の下で必要なのは、工場監督官による申し立てまたは工場監督官の事前の文書許可を含むことだけである。申し立てがこれらの必要条件を満たす場合、治安判事が申し立てを認定しても、治安判事の行動に対抗する法的異議はあり得ない。治安判事が申し立てを取り上げるか否かは、治安判事の裁量権の行使であり、また治安判事が申し立て採用を決めても「申し立てが適切に提出されなかった」と言うことはできない。 Gopi
Nath Bhargava v. State 1977(35) FLR 182.
2現在では首都圏判事または第一級司法判事(1973年刑事訴訟法)
3現在では首都圏判事または第一級司法判事(1973年刑事訴訟法)
第106条 訴追手続きの制限
裁判所は、本法により罰することができるあらゆる法律違反も、監督官が法律違反容疑を知った日から3ヶ月以内に申し立てを行われない限り、認定してはならない。
ただし、法律違反が監督官作成の命令書に対する不服従を内容とする場合、申し立ては、法律違反があったとされる日から6ヶ月以内に行われ得るものとする。
1[説明:本条の目的では、
(a) 継続中の法律違反事案では、制限期間は法律違反が継続している各時点を参照して算定するものとする;
(b) 工場の占有者または支配人の申し出により、何らかの行動遂行のため時間が与えられ、または延長された場合、制限期間はそのように供与または延長された時間が終了した日から算定される。]
1 1976年法律94号により説明を挿入(w.e.f. 26.10.1976)
2 [第106-A条 法律違反に対し訴訟手続き等を取る裁判管轄権
プラントの操業について、本法またはそれに基づく規則の違反に関する裁判管轄権を認める目的において、プラントが現在置かれている場所が法律違反の発生場所と見なされる。]
注
工場法第106条が要求するのは、「申し立ては、主張される法律違反が監督官の知るところとなった日から3ヶ月以内に行われねばならない」ことであり、裁判所がこの期間内に法律違反を認定しなければならない、のではない。地方治安判事による申し立て受理は、工場主任監督官が地方治安判事へ申し立てをしたに等しい。同条は申し立てが本人によって行われることを要求していない。法律違反を構成する事実を述べ、行動を取るよう求めた治安判事宛書簡は適切な申し立てである。
本人が申し立てを提出する必要がなく、現在の事案で主任工場監督官が署名し、書留郵便で地方治安判事に送った書簡は、適切な申し立てである。State
v. Rajendra Lal, Manager, Doab Sugar Mills 1977(35) FLR 178.