イギリス安全衛生庁( HSE )から2010/11(以下「10年度」という。)の死亡災害の暫定統計が公表されたので紹介する。

概況

原資料

Summary for 2010/11

• 10年度の労働災害による死亡者は、暫定値で171人であり、労働者10万人率では0.6である。
• 10年度の死亡者数171人は、過去5年間の平均の死亡者数(205人)に較べて17%低くなっている。死亡10万人率では、過去5年間の平均値(0.7)に対して、14%低くなっている。
• 09年度の労働災害による死亡者の確定数値は、147人であり、死亡10万人率では0.5である。

主要産業別死亡災害発生状況

• 農業における10年度の死亡者は、34人で、死亡10万人率は8.0である。過去5年間の平均死亡10万人率は9.6である。
• 建設業における10年度の死亡者は、50人で、死亡10万人率は2.4である。過去5年間の平均死亡10万人率は2.8である。
• 製造業における10年度の死亡者は、27人で、死亡10万人率は1.1である(死亡10万人率は過去5年平均と同じ)。
• サ−ビス産業における10年度の死亡者は、47人で死亡10万人率は0.2である(死亡10万人率は過去5年平均と同じ)。
• 廃棄物処理業における10年度の死亡者は、9人で、死亡10万人率は8.7である。過去5年間の平均値は、7.0である。

統計表

原資料

Statistics on fatal injuries in the workplace 2010/11

表1

主要産業別死亡災害発生状況(10年度)

	農業	採掘、ガス、 電気	製造業	上下水道、 廃棄物処理業	建設業	サ−ビス産業	合計
被雇用者	13	3	25	10	32	37	120
自営労働者	21	−	2	−	18	10	51
労働者合計※	34	3	27	10	50	47	171

※ 労働者合計は、被雇用者及び自営労働者を含む。

 

表2

主要産業別死亡10万人率の状況(10年度)

	農業	採掘、ガス、 電気	製造業	上下水道、 廃棄物処理業	建設業	サ−ビス産業	合計
被雇用者	5.6	#	1.1	6.8	2.6	0.2	0.5
自営労働者	10.8	#	1.1	−	2.1	0.3	1.2
労働者合計	8.0	#	1.1	6.5	2.4	0.2	0.6

# 死亡10万人率は、非計算

 

表3

主要産業別の過去5年間(05年度〜09年度)の平均死亡災害発生状況
(カッコ内数値は、09年度の確定値)

	農業	採掘、ガス、 電気	製造業	上下水道、 廃棄物処理業	建設業	サ−ビス産業	合計
被雇用者	14 (14)	7 (6)	30 (22)	9 (4)	42 (29)	51 (29)	153 (104)
自営労働者	22 (25)	−	1 (2)	−	19 (12)	10 (4)	52 (43)
労働者合計	35 (39)	7 (6)	31 (24)	10 (4)	61 (41)	61 (33)	205 (147)

 

表4

主要産業別の過去5年間(05年度〜09年度)の平均死亡10万人率の状況
(カッコ内数値は、09年度の確定値)

	農業	採掘、ガス、 電気	製造業	上下水道、 廃棄物処理業	建設業	サ−ビス産業	合計
被雇用者	6.3 (7.0)	#	1.2 (0.9)	6.2 (2.7)	3.2 (2.3)	0.2 (0.1)	0.6 (0.4)
自営労働者	14.5 (14.2)	#	0.7 (1.1)	−	2.1 (1.4)	0.4 (0.1)	1.3 (1.0)
労働者合計	9.6 (10.4)	#	1.1 (0.9)	6.1 (2.5)	2.8 (1.9)	0.2 (0.1)	0.7 (0.5)

# 死亡10万人率は、非計算

 

関連情報

JISHA海外安全衛生統計

• 2010年12月27日　海外の労働安全衛生統計−イギリス(2009/10)
• 2009年3月9日　海外の労働安全衛生統計−イギリス(2007/2008)日本とイギリスの労働災害発生率の差異について
• 2008年10月16日　海外の労働安全衛生統計−イギリスの死亡災害(2007/08)概要
• 2008年5月27日　海外の労働安全衛生統計−イギリス(2006/2007)