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中央労働災害防止協会(中災防)
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お知らせ

国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

リスクアセスメント及びOSHMSに関する最近の海外動向−中災防調査研究報告書より

2009年5月26日

ウ:アメリカ(OSHA)

ウ:1 労働安全衛生マネジメントシステム普及のための自主的保護プログラムVPP認定事業場数が2,000を超えた。

自主的保護プログラムVPP(Voluntary Protection Programs)とは、行政、事業者及び従業員の協力により、 事業場における安全衛生マネジメントシステムを発展させて、労働者の安全と健康を向上させるため、 所定の水準に達した事業場にOSHAが認定を与え、これを獲得した事業場は、OSHAによる定期監督の対象から除外される制度である。

OSHAがこの制度を開始したのは1982年だが、2008年末までに認定された事業場の数は2,161に達した。 認定された事業場における災害の発生率は、同業他社と比較すると著しく低く、安全衛生の向上に著しく貢献するとされている。

なお、認定の段階には、3種類があり、模範的な状態に達した事業場に「星印」(star)、模範的に近いが、 なお改善の必要があるときは「優秀」(merit)の認定が与えられる。また、特殊な対処を試験的に行っているときには、 「実証段階」(demonstration) の認定が、それぞれ与えられる。

原文    : http://www.osha.gov/dcsp/vpp/index.html 別ウィンドウが開きます
訳(一部): JISHA海外トピックス
http://www.jisha.or.jp/international/topics/200812_01.html

 

ウ:2 自主的保護プログラムが改正されて、建設業など、場所の移動する事業場などが追加され、プログラム内容も拡充された。

OSHA Trade News Release Jan. 9. 2009
アメリカ官報01/09/2009年1月9日74:927–952の概要

今回の改正(2009年5月施行)により、従来は認定の対象が固定した事業場だけであったのが、 建設業など移動する事業場および複数の事業場を有する企業がこの制度の対象に追加された。 また、プログラムの内容も拡充され、VPPにおける安全衛生マネジメントシステムの要求内容が示された。 この構成内容は、ILOのガイドラインなどの安全衛生マネジメントシステムに、 リスクアセスメント/マネジメントが組み込まれたものとなっている。膨大な記載があるが、その概略を以下に示す。

  • 認定を得るための条件
  1. 安全衛生マネジメントシステムがすぐれた状態にある。
  2. OSHAとの協調関係が存在する。
  3. 従業員によるVPP参加への支持がある。
  4. 労働安全衛生法が遵守されている。
  5. 従来のOSHAによる検査の履歴に問題がない。
  6. 上記が今後維持されることに関する保証
  • 安全衛生マネジメントシステムにおける主要な要求内容

A.経営層のリーダーシップと従業員参加

  • 労働安全衛生に関する姿勢表明
  • VPP参加に対する姿勢表明
  • 安全衛生方針、目標、目的
  • 安全衛生計画(文書による)
  • 目に見える形での経営層のリーダーシップ
  • 従業員参加
  • 協力会社などの従業員も対象
  • 安全衛生マネジメントシステムに関する自己評価の実施

B.作業場所の危険有害要因分析

  • 分析の対象
  • 分析の内容
  • 日常点検など
  • 記録の作成など

C.危険有害要因の防止と抑制

  • 抑制手段の内容
  • 抑制のシステム
  • 手段の優先順位

D.安全衛生教育訓練

  1. 責務の全階層における理解
  2. 危険有害要因の認識
  3. 抑制手段の使用
  4. 緊急時措置
  5. 個人用保護具の使用
原文    : OSHA Trade News Release/ アメリカ官報
http://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_table=NEWS_RELEASES&p_id=17270 別ウィンドウが開きます
http://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_table=FEDERAL_REGISTER&p_id=21385 別ウィンドウが開きます
訳(一部): JISHA海外トピックス
http://www.jisha.or.jp/international/topics/200904_07.html

 

ウ:3 安全衛生マネジメントシステム普及のために発行している主な資料

  • OSHA Fact Sheet「有効な安全衛生マネジメントシステム」
    約20項目の簡潔なチェックリストを中心に刊行したもの。
    (OSHAの規則においては、事業者に対してこのシステムの実施を求めていないが、 傷害と疾病の防止に著しい効果があり、企業経営の向上にも寄与することを強調している。)
    原文    : http://www.osha.gov/Publications/safety–health–management–systems.pdf
    訳(一部):JISHA海外トピックス
               http://www.jisha.or.jp/international/topics/200809_06.html
  • OSHAのHPに掲載の安全衛生プログラムに関する情報
    安全衛生トピックス:安全衛生プログラム (Safety and Healthn Topics :Safety and Health Programs) に下記をはじめ、多くの情報が掲載されている。
    • 安全衛生プログラムに関するOSHA基準
    • 安全衛生プログラムとはなにか?
    • 作業ハザード分析Job Hazard Analysis.
    • マネジメントシステム OSHA e Tool
    • 安全衛生マネジメントプログラムガイドライン
    • 安全衛生プログラムの実施、運営および評価をどのように行うか?
    原文: http://www.osha.gov/SLTC/safetyhealth/index.html
  • 中小企業のための安全衛生ハンドブック
    安全衛生は価値を生む /安全衛生マネジメントシステムの価値/職場の四重点計画: 計画の出発点/安全衛生マネジメントシステムの開始: 計画の作成/多岐にわたる自己点検チェックリスト /中小企業の安全衛生に対するOSHAの支援などから成る。
    原文: http://www.osha.gov/Publications/smallbusiness/small–business.html
      訳:旧JICOSH
          /international/jicosh/japanese/country/usa/topics/reference/2007/rf_071212.html

 

ウ:4 作業ハザード分析(2002年改訂版)

OSHAはリスクアセスメントをJob Hazard Analysisと称しているが、その普及のための手引き書である。

原文: http://www.osha.gov/Publications/osha3071.html 別ウィンドウが開きます
  訳:旧JICOSH
       /international/jicosh/japanese/country/usa/topics/20051209.html 別ウィンドウが開きます

  • OSHA eTools  ハザード認識アドバイザー (OSHA Hazard Awareness Advisor)
    対話型インターネットツールであって、ユーザーが自己の事業場に関する情報を入力すると、 存在するハザードがリストアップされる。

原文: http://www.osha.gov/dts/osta/oshasoft/hazexp.html 別ウィンドウが開きます

 

ウ:5 アメリカの安全衛生成績が、このところ着実に向上してきたのは、OSHAの施策の成功による

OSHA Trade News Release Nov. 21‚ 2008

2003年から2007年までの間に、業務上の休業傷病災害件数は、11.9%減少した。 特に筋骨格系障害は、2007年において、2006年より9%減少した。
これは、規制を行うにとどまらず、VPPの推進、協力・提携計画、事業主の意識向上、 教育訓練などの安全衛生を推進するための支援を行うという、OSHAの施策の成功によるものである。

OSHA QuickTakes Dec. 1‚ 2008

協力・提携計画は、開始から10周年を迎え、この間に業界団体、個別企業、研究機関などと締結した契約件数は、 583に達し、関与した事業者数と従業員数は、27‚000および約100万人に達した。

OSHA QuickTakes Dec. 15‚ 2008

OSHA教育訓練センター(OSHA Training Institute(OTI)Education Center) の地域センターの数は、44に達し、2‚054学級で29‚346名が受講した。 教育訓練ガイドライン2008年版が公表されている。

上記の状況が下記資料にまとめられている。
OSHA2008会計年度概況Fact sheet (Enforcement Activity in FY 2008)
またOSHAが設立されて以来、2007年までの30年間の活動についてまとめた Fact book も、2008年12月に公表されている。

原文 http://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_table=NEWS_RELEASES&p_id=16973 別ウィンドウが開きます
http://www.osha.gov/as/opa/quicktakes/qt12012008.html#anniversary 別ウィンドウが開きます
http://www.osha.gov/as/opa/quicktakes/qt12152008.html#6 別ウィンドウが開きます
http://www.osha.gov/as/opa/2008EnforcememtData120808.html 別ウィンドウが開きます
http://www.osha.gov/as/opa/OSHAfact–book–stohler.pdf 別ウィンドウが開きます

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