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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

アメリカにおける全国労働災害補償状況(2007年次報告書)

2010年7月13日

2010年4月28日のアメリカ労働者記念日(Workers Memorial Day)に際し、疾病対策予防センター (CDC 別ウィンドウが開きます - Centers for Disease Control and Prevention)は、4月23日に発表の「死亡及び疾病統計週報」 (MMWR 別ウィンドウが開きます - Morbidity and Mortality Weekly Report April 28,2010)において、アメリカの主要な安全衛生統計値を以下のように紹介している。

  • 2008年における業務上傷害による死亡者5,071人
  • 毎年の業務上疾病による死亡者 49,000人
  • 2008年における死亡以外の傷病者:民間企業 370万人、州及び地方政府94万人(このうち40%-50% が休業又は配置換え)
  • 2007年における、業務上の傷病による救急処置機関での受診者340万人、このうち入院者9.4万人
  • 2007年において事業者及び保険事業者が労働災害補償のために支払った金額約850億ドル

このうち、労働災害補償の金額は、アメリカ全国社会保険協会(NASI 別ウィンドウが開きます- National Academy of Social Insurance)の2007年の年次報告書によるものである。この報告書の中から、アメリカの労災補償制度(要約)及び労災補償給付、適用労働者等及び費用の概要を紹介する。

原資料の題名と所在

アメリカの労災補償制度(要約)

労災補償は、業務上負傷し、または業務関連の疾病に罹患した労働者に対する給付により行う。給付には、医療補償及び遺失賃金を補償する現金給付がある。一時労働不能給付については、仕事から離れて回復する間、支給される。治癒した後においても継続的影響がある場合には、永久労働不能給付が支給される。死亡災害の場合には、労働者の扶養家族に遺族補償給付が行われる。労災補償給付については、連邦または州の税金は適用されない。

アメリカ合衆国における最初の労災補償法は、一定の連邦政府労働者に対してカバーする法で1908年に制定された。引き続いて各州の労働者災害補償プログラムが採択されたが、このことは米国における経済的、法律的及び政治的歴史上の重要な出来事と考えられている。

全国においてのこれらの法律の制定については、業界と労働者側が合意に達するのに多大の努力を要した。今日、50すべての州及びワシントンDCはそれぞれ独自のプログラムを有している。これと別に連邦の一般公務員についても別のプログラムが適用されている。その他の連邦プログラムとしては、黒肺じん症の坑夫、港湾労働者、米政府の海外請負業者の労働者、危険有害物質へのばく露に係る一定のエネルギー産業の労働者、原子爆弾製造に従事する労働者及び軍事行動において負傷した傷病兵に対するプログラムがある。

 

労災補償給付、適用労働者等及び費用

2007年において50の州 ワシントンDCの労災補償プログラム及び連邦(労災補償)プログラムは、合計554億ドル(約5.1兆円)の給付を行った。内訳は、医療給付が272億ドル、現金給付が283億ドルであった。この額は前年の543億ドルに比べて2.0%増加した。

医療給付は、3.3%増加し、現金給付は若干増加した。また、事業者の負担は、2007年には2.7%増加て、850億ドルとなった。

2007年において、労災補償プログラムは推計値で2006年に比べて1.1%増加の1億3,173万人の労働者をカバーした。また、賃金総額は約5.9兆ドル(約542兆円)で前年に比べて5.6%の増加であった。

労災補償給付の適用労働者数、賃金総額及び事業者負担金額(2006、2007)
労災補償給付の適用労働者数、賃金総額及び事業者負担金額(2006、2007)
  2006 2007 変化(%)
適用労働者(1,000人) 130,339 131,734 1.1
賃金総額(億ドル) 55,430 58,550 5.6
給付総額 543 554 2.0
   医療給付 263 272 3.3
   現金給付 280 283 0.8
事業者負担 873 850 -2.7
賃金100ドル当りの値(ドル) 2006 2007 変化(%)
給付総額 0.98 0.95 -0.03
   医療給付 0.47 0.46 -0.01
   現金給付 0.51 0.48 -0.03
事業者負担 1.58 1.45 0.13
*給付は、該当年の被災労働者及び当該労働者への医療提供者への支払額。
**事業者の負担は、労災補償給付、管理費及び保険料に係る該当年における事業者の支出
資料出所:NASI推計

図1は、過去19年の事業者負担と医療及び現金給付合計の傾向を示す。給付と負担は、1990年代の初期にピークとなったがその後急激に減少傾向をとり、2000年に最低となった。その後再び増加に転じたが、2005年以降減少してきている。賃金100ドルに対する給付は、2007年においては過去19年間の最低となり、0.95ドルとなった。

図2は、医療給付と現金給付の傾向を示す。2007年には医療給付及び現金給付とも過去19年間で最低となり、100ドルに対してそれぞれ0.46ドルと0.48ドルとなっている。

図1賃金100ドルに対する事業者負担と給付の変遷(1989〜2007)

資料出所:NASI推計

図2 賃金100ドルに対する医療給付と現金給付の変遷(1989〜2007)

資料出所:NASI推計

 

関連情報

  • アメリカ全国社会保険協会(NASI 別ウィンドウが開きます - National Academy of Social Insurance)のホームページ
    労働災害保険にとどまらず、社会保険全般について多くの情報が掲載されている。
  • ドイツ社会災害保険(DGUV 別ウィンドウが開きます − Deutsche Gesetzliche Unfallversicherung)(英名German Social Accident Insurance ) のホームページ
    (旧労働災害保険BG と教育機関の保険が再編された団体)(一部英文)
    Zahlen und Fakten zur DGUV 別ウィンドウが開きます のページに 補償金額の表が掲載されている。

労災補償給付(2006、2007、2008)                          (1,000ユーロ)

労災補償給付(2006、2007、2008)(1, 000ユーロ)
  2006 2007 2008 増減 %
給付総額 8.257.205 8.169.797 8.305.560 + 1,66
    医療、リハビリ等の給付 2.821.380 2.805.184 2.939.496 + 4,79
    現金給付 5.435.824 5.364.612 5.366.063 + 0,03
  • JISHA海外トピックス
  • 2010年5月21日 世界労働安全衛生の日関連情報
  • 2010年5月21日 アメリカ オバマ大統領が労働者記念日に当たっての声明

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