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中央労働災害防止協会(中災防)
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E-mail: kokusai@jisha.or.jp
お知らせ
国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2011年10月31日
香港における労働災害統計については、香港職業安全健康局
ウェブサイトで閲覧することができる。
下記資料の2件から災害統計の概況を紹介する。
2009年における労働災害による死傷者は、39,579人で、2008年に較べて5.5%減少し、年千人率は15.0で前年に較べて5.1%減少した。産業災害による死傷者は、13,600人で、前年に較べて8.9%減少した。
一方、高リスク産業の建設業においては、死亡者数及び災害発生率で最も高くなっている。しかしながら、災害件数は前年の3,033に較べて2,755と9.2%減少し、年千人率でも61.4から54.6と11.1%減少した。2000年と較べると件数において76.9%、年千人率で63.6%減少した。
図1 労働災害による死傷者及び年千人率
*棒グラフは死傷者数、折れ線グラフは年千人率
2009年においては、労働災害による死傷者は39,579人で前年に較べて5.5%減少し、2000年の58,092人より31.9%減少し、また、過去5年間の平均よりも8.7%減少した。
労働災害による年千人率は15.0で前年の15.8より5.1%減少し、2000年の23.3より35.6%減少し、また、過去5年間の平均からも10.6%減少した。
図2 労働災害による死亡者及び年千人率
*棒グラフは死亡者数、折れ線グラフは年千人率
2009年においては、労働災害による死亡者は165人で前年の181人に較べて8.8%減少し、2000年の199人より17.1%減少し、また、過去5年間の平均よりも7.5%減少した。
労働災害による死亡者の年千人率は0.063で前年の0.068から8.4%減少し、2000年の0.080より21.6%減少し、また、過去5年間の平均よりも9.4%減少した。
表1 主要経済部門別の死傷災害の発生割合
卸し小売、レストラン、ホテル | 30.9% |
---|---|
地域、社会、個人サービス | 28.8% |
金融、保険、不動産及び輸出入業 | 13.4% |
輸送及び関連業、倉庫、通信 | 11.2% |
その他 | 15.7% |
労働災害による死傷者39,579人のうち、84%は上記の業種(その他を除く)で発生している。
図3 産業災害による死傷者数及び年千人率(2000〜2009)
*棒グラフは死傷者数、折れ線グラフは年千人率
2009年の産業災害による死傷者は、13,600人で前年の14,932人より8.9%、2000年の33,652人より59.6%、過去5年間平均の15,770人より13.8%減少した。
図4 産業災害による死亡者数及び年千人率(2000〜2009)
*棒グラフは死亡者数、折れ線グラフは年千人率
2009年の産業災害による死亡者は、21人で前年の24人より12.5%、2000年の43人より51.2%、過去5年間平均の25人より16%減少した。
図5 建設業における産業災害による死傷者及び千人率(2000〜2009)
*棒グラフは死傷者数、折れ線グラフは年千人率
2009年の建設業における産業災害による死傷者は、2,755人で、前年の3,033人に較べて9.2%、2000年の11,925人に較べて76.9%、過去5年間の平均(3,156人)に較べて12.7%減少した。千人率においても、54.6で、前年の61.4に較べて11.1%、2000年の149.8に較べて63.6%、過去5年間の平均(60.1)に較べて9.3%減少した。
図6 建設業における産業災害による死亡者及び千人率(2000〜2009)
*棒グラフは死亡者数、折れ線グラフは年千人率
2009年の建設業における産業災害による死亡者は、19人で、前年の20人に較べて5.0%、2000年の29人に較べて34.5%、過去5年間の平均(19.8人)に較べて4.0%減少した。千人率においては、0.376で、前年の0.405に較べて7.0%、過去5年間の平均(0.377)に較べて0.2%減少した。しかしながら、2000年の0.364に較べて3.3%増加した。
図7 飲食業における産業災害による死亡者及び千人率(2000〜2009)
*棒グラフは死傷者数、折れ線グラフは年千人率
2009年の外食産業における産業災害による死傷者は、7,470人で、前年の8,049人に較べて7.2%、2000年の12,621人に較べて40.8%、過去5年間平均(8,518人)に較べて12.3%減少した。
図8 製造業における産業災害による死亡者及び千人率(2000〜2009)
*棒グラフは死傷者数、折れ線グラフは年千人率
2009年の製造業における産業災害による死傷者は、2,045人で、前年の2,467人に較べて17.1%、2000年の5,436人に較べて62.4%、過去5年間の平均(2,622人)に較べて22.0%減少した。
図9 職業性疾病(2000〜2009)
2009年に認定された職業性疾病は、268件であり、前年の204件に較べて増加した。
表2 職業性疾病認定件数(2009)
職業性疾病 | 件数 |
---|---|
珪肺 (Silicosis) | 86 |
職業性難聴 (Occupational deafness) | 77 |
手または前腕の腱滑膜炎(Tenosynovitis of hand or forearm) | 39 |
結核 (Tuberculosis) | 18 |
ガス中毒 Gas poisoning) | 17 |
中皮腫 (Mesothelioma) | 15 |
職業性皮膚炎 (Occupational dermatitis) | 10 |
石綿肺 (Asbestosis) | 5 |
圧搾空気疾患、潜函病(Compressed Air Illness) | 1 |
合計 | 268 |
2009年に認定された最も多い業性疾病は、珪肺症で、次いで職業性難聴、手または前腕の腱滑膜炎、結核となっている。
図10 じん肺(2000〜2009)
2009年に認定された珪肺症(Silicosis)は、86件で、大部分は建設業及び採石業の作業者であった。石綿肺(Asbestosis)と認定された5件は、船舶造修および建設業の作業者であった。
図11 職業性難聴(2000〜2009)
2009年、77件の職業性難聴が認定され、主な作業は岩石研磨、はつり作業(50.6%)、金属研磨作業(24.7%)であった。
図12 手または前腕の腱滑膜炎(2000〜2009)
2009年、39件認定され、主に職種は事務職、飲食業、保健関連サービス、一般労働者などである。
図13 医療関連労働者の結核(2000〜2009)
2009年、18件が認定され、主な職種は看護師、医療関連職員、検査技師などであった。
表1 産業災害、労働災害及び職業性疾病(2009/2010)
区分 | 2009年 | 2010年 | 対前年比 |
---|---|---|---|
産業災害 | 13,600(21) | 14,015(18) | +3.1% |
建設業 | 2,755(19) | 2,884(9) | +4.7% |
飲食業 | 7,470 | 7,541 | +1.0% |
製造業 | 1,991(1) | 2,009(1) | +0/9% |
その他 | 1,384(1) | 1,581(8) | +14.2% |
労働災害 | 39,579(165) | 41,907(183) | +5.9% |
職業性疾病認定件数 | 268 | 229 | -14.6% |
※カッコ内は、死亡者数以下同じ。
表2 産業部門別の労働災害(2009/2010)
産業部門 | 2009年 | 2010年 |
---|---|---|
農業、林業、水産業 | 17(1) | 21 |
鉱業、採石業 | 1 | 0 |
製造業 | 2,792(6) | 2,838(14) |
電気、ガス、廃棄物管理 | 231 | 226(5) |
建設業 | 2,827(41) | 2,965(26) |
輸出入、卸小売業 | 4,415(14) | 4,661(18) |
輸送、倉庫、郵便、宅急便 | 4,540(29) | 5,227(30) |
宿泊、飲食業 | 9,153(8) | 9,580(14) |
情報、通信 | 405(1) | 364(5) |
金融、保険 | 207(2) | 239(1) |
不動産 | 1,889(15) | 2,073(13) |
専門・ビジネスサービス | 4,346(18) | 4,564(31) |
公務、社会、個人サービス | 8,381(20) | 8,791(18) |
その他 | 375(10) | 358(8) |
合計 | 39,579(165) | 41,907(183) |
※カッコ内は、死亡者数
表3 事業の種類別産業災害発生(2009/2010)
事業の種類 | 2009年 | 2010年 |
---|---|---|
製造業 | 1,991(1) | 2,009(1) |
繊維 | 85 | 66 |
衣料 | 47 | 40 |
電子機器 | 78 | 73 |
組立金属製品 | 43 | 46 |
ゴム、プラスティック | 46 | 35 |
船舶造修 | 76 | 55 |
印刷、記録媒体再生 | 170 | 155 |
建設業 | 2,755(19) | 2884(9) |
飲食業 | 7,470 | 7,541 |
その他 | 1,384(1) | 1,581(8) |
合計 | 13,600(21) | 14,015(18) |
表4 産業別職業性疾病認定件数(2010年、珪肺、石綿肺、中皮腫、難聴及びガス中毒を除く)
産業部門 | 職業性疾病コード(2009) | 職業性疾病コード(2010) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 8 | 14 | 16 | 20 | 合計 | 3 | 8 | 14 | 16 | 20 | 合計 | |
農業、林業、水産業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
鉱業、採石業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
製造業 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 05 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
電気、ガス、廃棄物管理 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
建設業 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
輸出入、卸小売業 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 8 | 0 | 3 | 1 | 11 |
輸送、倉庫、郵便、宅急便 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 |
宿泊、飲食業 | 0 | 7 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 5 |
情報、通信 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
金融、保険 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
不動産 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門・ビジネスサービス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 |
公務、社会、個人サービス | 0 | 20 | 18 | 0 | 4 | 42 | 1 | 23 | 11 | 0 | 3 | 38 |
その他 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 1 | 39 | 18 | 0 | 10 | 68 | 1 | 48 | 11 | 3 | 5 | 68 |