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中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
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E-mail: kokusai@jisha.or.jp
お知らせ
国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2010年1月29日
欧州安全衛生機構(EU-OSHA)は、リスクアセスメントに関する2年にわたるキャンペーンの成果のひとつとして、 「職場リスクの評価、除去、極限的抑制」と題する報告書を刊行した。 リスクアセスメントの主たる目的は、リスクを根源から除くことおよび極限的抑制にあるとして、 欧州諸国から提供された極限的抑制に成功した優良な事例20件及び簡易事例8件を掲載したものである。 リスクアセスメントを成功させるための要素及びチェックリストも記載されている。 この内容を要約したファクトシートも刊行されているので、併せてその内容を紹介する。
作業場所の安全と衛生の確保は、関係者のすべてにとって重要なことであり、 業務上傷害と疾病のほとんどは、防止することができるものである。 リスクアセスメントは、これを実現するための最初の一歩であり、リスクマネジメントの出発点である。
リスクアセスメントによって、 事業者は作業場所の健康と安全ならびに生産性を改善するために必要な事項を把握することが可能となる。 EU-OSHAは、リスクアセスメントに焦点を置いた全欧州キャンペーンを展開してきたが、 この2年間にまたがるキャンペーンの目的とするところは、リスクアセスメントのための統合的なマネジメントの推進である。
リスクアセスメントが欧州の労働安全衛生の基礎であることについては、十分な根拠がある。 リスクアセスメントおよび対処が適切に行われない場合、リスクマネジメントに前進がなく、 適切な防止対策が実施されないことになる。 体系的なリスクアセスメントによって、作業場所の安全と健康ならびに一般的な経営活動の改善が実現するのである。
1989年に欧州枠組み指令が採択されて以来、リスクアセスメントは、 作業場所の予防対策として一般的な概念となり、欧州の多くの企業が定期的に実施するようになったが、 傷害および疾病の発生に関する数字は、なお一層の改善が必要であることを示している。
本報告書は、リスクアセスメントによって特定されたハザードの除去または抑制に成功した事例の情報を提供することにより、 キャンペーンを支援するものであり、リスクアセスメントの実施および除去または抑制に関する意思決定を行う当事者を対象としている。
本報告を作成するに当たって協力いただいた関係者に謝意を表するものである。
2009年7月
欧州安全衛生機構長官 ユッカ タカラ
項目 | チェック事項 | 明確に 「はい」 |
恐らく 「はい」 |
わから ない |
恐らく 「いいえ」 |
明確に 「いいえ」 |
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リスクアセスメント | すべての関連事項を網羅して検討したか? | |||||
リスクの除去または他の低減対策を検討したか? | ||||||
労働者、専門家などすべての当事者が関与したか? | ||||||
リスク除去対策 | リスク除去対策の入手源をチェックしたか(同業他社の例、優良事例、手引き)? | |||||
機器メーカーの意見を求めたか? | ||||||
企業内でよい解決策を見出すことはできるか(能力、時間)? | ||||||
リスク除去対策の直接及び間接のコストは、高価でないか? | ||||||
リスク除去対策の実施によって、新たなリスクは生じないか? | ||||||
動機付け | 当事者間の動機付けは高いレベルにあるか? | |||||
不利を蒙る当事者が存在しないか? | ||||||
中期/長期にわたる効果 | 傷病の発生は減少するか? | |||||
企業イメージは向上するか? | ||||||
コストは、中期/長期にわたり低下するか? | ||||||
リスク除去対策の実施により技術的な進歩は得られるか? | ||||||
作業の流れはよくなるか? |
(略)
多くのリスクは、完全に避けるか、除去することが可能である。 残るリスクについても、著しく低減するか、ゼロに近づけることができる。 この報告書は、さまざまな分野において、このような結果が如何に得られたかの事例を示すものである。 リスクの完全な除去が得られなかった事例においても、広範な分野において、 「リスクを根源から除去するために如何に取り組んだか」が示されている。
本報告書において見出された、リスクアセスメントにおける成功を得るために必要な基礎的要素は以下である。
事例のすべてにおいて存在する成功を得るために必要な基礎的要素に加え、 以下の付加的要素が得られる場合、平均的な状況を上回る成果が得られる。
成功を得るために必要な基礎的要素に加えて、このような高い成功の得られる付加的要素が存在するとき、 リスクの低減または除去の実現する可能性が高い。
事例の多くにおいては、いくつかの対策が組み合わせて実施されている。 (リスクの根源からの除去、個人個人の作業への適用、技術的進歩の導入、作業者に対する適切な指示)成功を得るためには、 このように対策を組み合わせて実施することが重要である。
適切、詳細なリスクアセスメントの実施により、職場のリスクを除いたり、 極限的に抑制を行って、利益の得られた例が、本報告書にわかりやすく記載されている。
(略)
BAuAがリスクアセスメント支援データベースを設置
2009年11月30日
EUリスクアセスメントキャンペーン初年の中間状況
2009年10月16日
リスクアセスメント及びOSHMSに関する最近の海外動向−中災防調査研究報告書より
2009年5月26日
他