お問合せ
中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp
お知らせ
国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
2010年1月29日
EU-OSHA Press Releases 2009年11月18日
2008-2009年の2年間にまたがり展開されてきた欧州リスクアセスメントキャンペーンを総括する Healthy Workplaces European Summit - 17th November 2009 と題する会議が、 スペインのビルバオで2009年11月17日に開催された。
開催案内
event summary
及びプログラム
programme
が、EU-OSHAのサイトに掲載されているが、その一部を紹介する。
(EU-OSHA 広報推進部長Andrew Smith氏の講演−
European report on the Healthy Workplaces Campaign on Risk Assessment 2008 - 2009
:のパワーポイントより)
欧州安全衛生機構(EU-OSHA)の欧州リスク監視活動部門(ERO European risk observatory unit)は、 新しく出現するか、増大するリスクを監視する活動を行っているが、その一環として、 企業のリスクマネジメントに関する取り組みについての大規模な調査を実施した結果の速報が報告された。
リスクアセスメントが法的な義務であるのにかかわらず、従業員数10-50名の事業場の10-15%が、 簡単なチェックすら、いまだに実施していないことが明らかとなった。
また、リスクアセスメントの実施において、規模の小さい企業が外部サービスを多く利用する傾向のあることが、注目されている。 従業員数10-19名の企業の40%が外部サービスを利用しているのに対し、250-499名の企業においては、17%しか利用していない。 EU27ヶ国の企業の36%が外部サービスを利用しているが、利用している比率は、各国間において著しい差異がある。
欧州において行われた二年間のリスクアセスメントキャンペーンにおいて、重点の置かれた点を挙げるなら、下記になると考えられる。
なお、2010-2011年においては、「保全作業の安全」キャンペーンが、リスクアセスメントに続いて行われる。
表題 | 国名 | 業種 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|
入賞事業場 | 1 | 関係者全員がリスクアセスメントに参加する仕組み | リトアニア | ペットフードの製造 | 従業員と管理層の全員が作業場所におけるリスクアセスメントへ参加するため、リスクに対する理解と認識を向上させた。―ヒヤリ、ハット報告、危険箇所の定期的職場巡視による指摘、データベース化、掲示板に諸情報の掲示などによる。 |
2 | 自動車組み立てラインにおけるリスクの評価と対策 | チェコ共和国 | 自動車、トレーラーの製造 | 自動車照明灯の組み立て作業における操作工、チームリーダー、技術者の参加による身体負荷および環境に関するリスクの特定と低減に関する積極的な取り組みの導入 | |
3 | 「リスクカード」によるリスク評価と対策 | オランダ | 金属産業 | 「リスクカード」を用いた、全従業員によるリスクの評価と対策 | |
4 | 研究開発機関における実験の安全を確保するためのソフトウェアによるリスクマネジメント | オランダ | 研究開発実験機関 | 研究者が実験を開始する以前に、実験によるリスクを体系的に評価するソフトウェアを用い危険を回避する。 | |
5 | 作業環境を継続的に改善する基礎としてリスクアセスメントを実施する。 | スロベニア | 温泉保養 | 安全衛生マネジメントを企業全体のマネジメントに体系的に取り入れ、包括的対策とともに、高齢者、若年者、身体障害者等に対する個別的対策を導入した。 | |
6 | 電子質問票の利用による職場の問題点の解決 | デンマーク | 健康管理(病院) | 電子質問票による、IT機能を利用した調査を繰り返し行うことにより、職場の問題点と解決策に対する認識が高まった。 | |
7 | 日常作業における安全監視方法の強化 | フィンランド | 建設業 | 日常においてハザードまたはヒヤリ、ハットが特定されたとき、特定され次第、作業者の安全への認識、作業改善、情報の周知を徹底する手段を導入した。 | |
8 | 安全で健康的な学校とするための関係者間の連帯による取り組み | ルーマニア | 教育(中等学校) | ルーマニアの中等学校において、体系的なリスクアセスメントによって改善が得られた。 |
表題 | 国名 | 業種 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|
準入賞事業場 | 1 | 職場における部外者からの暴力の把握と対策 | スペイン | 公共鉄道輸送 | 従業員に対する部外者からの暴力による社会心理的リスクの評価と対応方針の樹立 |
2 | Rio Tinto鉱山における広範なリスクアセスメントとリスク対策 | オーストリア | 鉱業 | リスクアセスメントの向上のための補助手段として多様な方法とツールを導入した。 | |
3 | 国際企業VAE社におけるリスクアセスメントの体系的実施のためのガイドブックおよびソフトウェアの作成 | オーストリア | 鉄鋼、フェロアロイおよび電気機器の製造 | 本社および38の関連会社において、優良な作業方法を共有するための安全衛生および環境保全に関するガイドブックとソフトウェアツールの開発 | |
4 | 採石業におけるアスベスト含有原料の安全な取り扱い | ドイツ | 採石業 | アスベスト含有原料の取り扱いにおける教育訓練、モデルリスクアセスメント、モデル文書化を統合したマネジメントシステムの導入 | |
5 | Revoz自動車工場におけるリスクアセスメントへの広範な取り組み | スロバキア | 自動車製造 | FSSE(安全および身体負荷を評価する簡略シート)を用いた広範なリスクアセスメント/マネジメントへの取り組み | |
6 | 健康サークル活動―有効で楽しいリスクアセスメントの実施 | デンマーク | 医療(介護施設) | リスクアセスメントにおける従業員参加により、心理社会面および身体負荷面の環境が効果的に改善された。 | |
7 | 鉄鋼業におけるリスクアセスメントのためのコンピューターソフトウェア | トルコ | 鉄鋼・フェロアロイ製造 | リスクアセスメントをオンラインソフトウェアのみで実施することにより、リスクアセスメント情報の分類と評価が容易になった。 | |
8 | 塗装作業場の改善による作業の安全衛生の向上 | フランス | 建設業 | 塗装作業向けソフトウエアによるリスクアセスメントに基づいて、塗装および研磨作業の改善を行い、化学物質によるリスクが低減した。 | |
9 | 食品工場における転倒リスク対策 | イギリス | 食品製造 | 指名チームによる調査に基づいて、床の油脂・グリースの清掃に化学物質を用いる新しい方法を導入した結果、転倒リスクが低減した。 |
BAuAがリスクアセスメント支援データベースを設置
2009年11月30日
EUリスクアセスメントキャンペーン初年の中間状況
2009年10月16日
リスクアセスメント及びOSHMSに関する最近の海外動向−中災防調査研究報告書より
2009年5月26日
他