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労働衛生調査分析センター

確認測定としての個人ばく露測定 

労働衛生調査分析センターは、事業者が技術上の指針に基づき確認測定を実施できるよう、令和6年4月から、一部の物質を対象に、個人ばく露測定のサービスを始めました。個人ばく露測定は、確認測定のほか、リスクアセスメントの一環として行うこともできます。

個人ばく露測定のサービスは、中災防では、厚生労働省の方針に従い、事業場に作業環境測定士を派遣することによってのみ実施しています。各地区安全衛生サービスセンターに直接お申し込みください。

個人ばく露測定を受け付けている物質(令和6年4月現在)

ニッケルアセトニトリル
タリウムヒドロキノン
しよう脳テトラメチルチラウムジスルフィド
ビフェニル2-エチルヘキサン酸
ε-カプロラクタムヒドラジン
塩化アリル酢酸ビニル

【濃度基準値設定物質】

令和6年4月1日から、リスクアセスメント対象物のうち濃度基準値が設定された67物質を製造し、または取り扱う業務を行う屋内作業場においては、事業者は、労働者のばく露の程度を、濃度基準値以下とする必要があります。従来のような特別則の下での管理濃度(作業場所の作業環境の良否を判断する管理上の指標)とは異なり、濃度基準値を超えてのばく露は法令違反となり、健康障害のおそれがあるとして、漏洩事故における大量ばく露と同様に、リスクアセスメント対象物健康診断(第4項健診)を直ちに実施する義務が課されます。

労働者のばく露の程度は、リスクアセスメント対象物の取扱量や作業方法に応じて、労働者の呼吸域の濃度を見積もることによっても把握でき、事業者(化学物質管理者)が明らかに低いと判断できる場合など、必ずしも実測が必要とはされていません。
しかし、国が公示する技術上の指針によれば、労働者の呼吸域の濃度の見積り等により、濃度基準値の2分の1を超えると判断される場合は、労働者の呼吸域の濃度を実測する「確認測定」をするよう定められています。

確認測定の結果、呼吸域における濃度が濃度基準値を超えた場合の措置としては、密閉化、換気装置の設置・稼働、管理的対策など様々なものが考えられ、呼吸用保護具の使用も選択肢の1つとなります。呼吸用保護具によるばく露防止措置を講ずる場合は、保護具着用管理責任者を選任し、保護具の適正な選択、使用と保守管理を管理させなければなりません。また、法令の義務付けはありませんが、技術上の指針で、フィットテストについても規定されています。

詳しくは、濃度基準値が定められた令和5年厚生労働省告示第177号および技術上の指針(令和5年技術上の指針公示第24号)を参照ください。

中災防は、化学物質管理者研修を令和4年10月から、保護具着用管理責任者研修を令和5年5月から実施しており、質の高い研修を受講いただけます。 また、企業として、化学物質管理者研修や保護具着用管理責任者選任時研修を自社研修室などで開催し、中災防の出張研修サービスを利用して労働衛生調査分析センターの専門スタッフを講師とすることもできます。