労働衛生調査分析センター

パッシブサンプラーを用いた個人ばく露測定

中災防では、従来から、外資系企業などの希望者に対し、パッシブサンプラーを用いた個人ばく露測定を実施してきましたが、改正安衛則に基づくばく露低減措置の義務化に対応するため、パッシブサンプラーを用いた個人ばく露測定を積極的に展開することとしました。
パッシブサンプラーは、主に揮発性溶剤を対象に、着用者の周囲の有害物の気中での拡散を利用して捕集するもので、有害物を吸引捕集するためのポンプやチューブは必要ありません。軽量で小型のバッジ式のものが市販されています。

3M有機ガスモニター3500+ 中災防購入品
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パッシブサンプラーを用いた個人ばく露測定の特徴

  • 高価な測定機器や、重い機材の装着は不要
    サンプリングをしたら、郵送にて分析依頼をします
  • 採取は簡単 /作業者への負担が小さい
    直径3cm程度の軽量小型のバッジを襟元に装着します。
    動力やこわれやすい機材、チューブなどはありません。
  • 測定可能物質が多数
    分析可能物質(成分)リスト(PDF 156KB)

パッシブサンプラーで個人ばく露測定をするには

試料採取(サンプリング)に、資格や特殊な技能は必要ないため、事業場の管理者などによる測定が可能です。あらかじめ分析部門に依頼した上で試料採取を行い、終了後は、所定の方法によりパッシブサンプラーを郵送します。
スリーエムガスモニターについて、中災防として受け付けている 分析可能物質(成分)リスト を参照ください。サンプラーが3種類(一般用、低濃度用、アルデヒド用)あるので、正しいものを選択してください。
リスト表中の同じ分析グループ内であれば、通常、1つのサンプラーで複数成分の分析が可能です。1つのサンプラーについて、4成分までごとに同一料金としていますが、共存する成分により分離分析ができないことがあります。
メーカーが推奨する方式により、正しく測定してください。測定方法についてのお問合せは、メーカーに直接お願いします。スプレー作業など溶剤ミストが存在する環境では、サンプラーの吸着剤に液滴が付着し、異常値が出ることがあります。また、所定の吸着量を超過すると測定できなくなるため、必要に応じて午前と午後などでサンプラーを交換ください。


えり元への装着例

便利な使い方

  • 労働者の呼吸域の濃度を簡単に実測したい場合
  • 建築工事などで、作業者にサンプラー器具やポンプの装着が困難な場合
  • 研究施設などで、外部の測定者の立入りが望ましくない場合
  • CREATE-SIMPLEによるばく露推定結果が予想外に高いなど、検証してみたい場合

パッシブサンプラーを用いた測定は、正しく測定する限りにおいては、リスク見積り測定として、あるいは確認測定として利用可能です。測定方法に自信がない場合は、作業環境測定士によるパッシブサンプラーを用いた測定をすることも可能です。

お問合せ

中央労働災害防止協会
労働衛生調査分析センター
東京都港区芝5-32-2
安全衛生総合会館 8階
TEL:03-3452-3145
FAX:03-3452-4807
E-mail: eiseise-pos@jisha.or.jp
パッシブサンプラー分析担当