ストレスチェック50人未満義務化 ~改正Q&A~

今後安全衛生規則等改正により変更となる場合があります。

1義務化施行はいつ?
令和10年5月14日までの間です。施行日の前日までに実施しておくことが必要です。
【解説】
改正法は令和7年5月14日に公布されました。公布時に示された施行時期に、公布日から3年以内とされているので、令和10年5月14日までとなります。法改正時には労働行政団体等による説明会も行われると予想されます。一定の準備期間がありますので、焦らずしっかり準備をしていきましょう。
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について(報告)(厚生労働省)
2ストレスチェックは安全衛生法体系のどこに位置づけられているのでしょうか?
安全衛生法第66条の10です。ストレスチェックとは記載されていません。
【解説】
「心理的な負担の程度を把握するための検査」を行わなければならないとされています。
実施方法は安全衛生規則第52条に定められています。
3監督署への報告義務はありますか?
報告義務はありません。健康診断と同様です。
【解説】
事業場の負担を考慮し、報告義務はありませんが、実施は義務です。
健康診断と同様とご理解いただくのが分かりやすいです。
ストレスチェック制度を含めたメンタルヘルス対策について(厚生労働省)
4受検対象となる労働者は雇用契約をしている全員でしょうか?
派遣社員、役員等は受検対象になるのでしょうか?
健診と同じく、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者はストレスチェック実施義務の対象外です。 派遣社員の場合は、実施義務は派遣元にあります。役員は使用者であれば実施対象にはなりません。
【解説】
事業場としての実施の義務は、労働安全衛生法が適用となるすべての事業場ですが、受検対象者は、その事業場に勤務している無期雇用契約の労働者と契約期間が1年以上の労働者(予定含む)、週の所定労働時間数の4分の3以上である労働者です。

なお、「常時使用している労働者が50人以上いるかどうか」の判断は、契約期間(1年以上)や週の労働時間(通常の労働者の4分の3以上)をもとに判断するのではなく、常態として使用しているかどうかで判断されます。 例えば週1回しか出勤しないアルバイトやパート労働者であっても、継続して雇用し、常態として使用している状態であれば、常時使用している労働者として50人のカウントに含めます。

派遣社員の場合、実施義務は派遣元にあります。集団分析は職場単位で実施することが望ましいとされていることもあり、実施対象に含めることは可能です。 役員については、労働者ではなく使用者であれば実施対象にはならないとされていますが、実態により判断するため労働者性が強い場合(労働時間管理がされている等)は確認が必要です。

実施マニュアルP30、P112(厚生労働省)
550人未満の事業場は、産業医、衛生管理者の選任や衛生委員会の設置が義務付けられていません。
50人以上の事業場と同じことを50人未満の事業場で実施することができるのか心配です。
国は、実施者(医師、保健師等)や事務担当者等の適任者不在、プライバシー保護の観点等から外部委託を推奨しています。 また、施行までの3年以内に、50人未満の事業場に現実的で実効ある実施マニュアルの作成、面接指導体制の拡充等を予定しています。 詳しくは「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」でご覧いただけます。
【解説】
現在、国が50人未満向けに見直しを行っている実施マニュアルは、
事前準備資料として参考になるので、ご確認いただくことをおすすめします。
6外部機関はどのように探すのが良いでしょうか?
現在、健康診断を行っている健診機関にすることをおすすめします。
ストレスチェックも併せて依頼できるか確認しましょう。
【解説】
健診機関に受託することで、受検者情報等を一元的に管理でき、スムーズに実施できます。
全衛連(全国労働衛生団体連合会)に加盟している健診機関では、ストレスチェック事業を行っている機関がございます。 健診機関が対応できない場合は、地域産業保健センターに相談し、近隣の外部実施機関があるか、医師の面接指導等も含めて包括的な相談をおすすめします。
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7外部機関に委託をする場合のポイントはありますか?
ストレスチェック制度が始まって10年が経過し、外部実施機関も充実しており、健診と同時期実施する、紙受検・オンライン受検等実施方法も選択肢が広がっています。費用がかかることを念頭に、自社のニーズに合う内容を検討することが大切です。
中災防はストレスチェック制度の義務化前から事業場に提供している外部実施機関です。
【解説】
現在、国が50人未満向けに見直しを行っているチェックリストは、事前準備資料として参考になるので、ご確認いただくことをおすすめします。
外部機関チェックリスト:https://www.mhlw.go.jp/content/000533947.pdf
8実施規程や実施者、実施事務従事者と聞きなれない言葉が多いです。制度全容の理解が必要でしょうか?
義務化施行は、もうしばらく先ですので、まずは制度の理解から準備を始めるのが大切です。
お近くの地域産業保健センターや労働基準協会へのご相談をおすすめします。
【解説】
衛生委員会の実施体制のある50人以上の事業場では、衛生委員会等において実施方法を調査審議することが推奨されていますが、50人未満の事業場においては衛生委員会体制が求められていないため、関係労働者が安全衛生対策を検討する機会を用いて実施方法を含めた社内ルールを検討することが想定されます。
実施規程例:https://www.mhlw.go.jp/content/000533944.pdf
9医師による面接が必要になると聞きましたが、具体的にはどのような場面で医師が必要になるのでしょうか?
ストレスチェックの結果、高ストレス判定者に該当し、医師の面接を希望する社員との面接者として医師への依頼が必要です。
【解説】
高ストレス判定に該当した社員に面接の機会があることを説明し、本人が希望した場合に行う面接指導は医師が行わねばなりません。高ストレス判定に該当しない場合は保健師や産業カウンセラー等による面接が可能です。働く人のメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」相談窓口を社員の皆さんにご案内されている事業場もあります。
1050人未満の事業場ですが、現在既にストレスチェックを実施しています。
今回の改正に伴い、実施内容を変更する必要はありますか?
現在、実施している内容が法令等に従って実施している場合は、実施内容を変更する必要はありません。