化学物質のリスクアセスメントの基本的な考え方や進め方は、一般的な作業や設備のリスクアセスメントと共通です。ただし、化学物質の危険性や有害性について考慮する必要があります。
化学物質のリスクアセスメントの手順
- 手順1化学物質等による危険性又は有害性の特定
たとえば、化学物質等による危険性又は有害性は、作業標準等に基づき、必要な単位で作業を洗い出した上で、「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)」で示されている危険性又は有害性の分類等に則して、各作業ごとに特定します。
- 手順2特定された危険性又は有害性によるリスクの見積り
危険性については、影響の大きさ(負傷又は疾病の重篤度)と発生の可能性により、リスクを見積もります。
有害性については、化学物質の有害性の強さ(度合い)とばく露量(程度)により、リスクを見積もります。
- 手順3リスクを低減するための措置内容の検討
次に掲げる優先順位で措置内容を検討します。
- 危険性又は有害性の高い化学物質等の使用の中止、代替化
- 化学反応のプロセス等の運転条件の変更、化学物質等の形状の変更等
- 工学的対策・衛生工学的対策(設備の防爆構造化、局所排気装置等)
- 管理的対策(マニュアルの整備、立入禁止措置、ばく露管理等)
- 個人用保護具の使用
- 手順4優先度に対応したリスク低減措置の実施
上記で検討した結果に従い、リスク低減措置を実施します。