
「エイジアクション100」の改定について(2021年3月)
「エイジアクション100」は、2018年6月に中央労働災害防止協会(中災防)において開発しました。その後、厚生労働省により2020年3月に「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(通称エイジフレンドリーガイドライン)が公表されました。エイジフレンドリーガイドラインには、高年齢労働者の安全と健康の確保のための職場改善ツールである「エイジアクション100」のチェックリストを活用することも有効である旨記述されています。
そこで、中災防は、「エイジアクション100」をご活用いただくことにより、エイジフレンドリーガイドラインに対応できるようにするため、2021年3月に「エイジアクション100」を改訂いたしました。
エイジアクション100
「エイジアクション100」は、高年齢労働者の安全と健康確保のための100の取り組み(エイジアクション)を盛り込んだチェックリストを活用して職場の課題を洗い出し、改善に向けての取り組みを進めるための「職場改善ツール」です。
「エイジアクション100」の基本的な考え方
高年齢労働者の労働災害の発生には、加齢に伴う身体・精神機能の低下が影響を与えていることから、高年齢労働者の労働災害防止のためには、そうした視点を踏まえた労働災害発生のリスク低減対策がポイントとなります。厚労省のガイドラインに記された「事業者に求められる事項」取組事項のほとんどをカバーするチェックリストを活用することにより、職場の課題を洗い出し、改善に向けた取り組みを進めることができます。
「エイジアクション100」の仕組み
- (1)高年齢労働者の安全と健康確保のためのチェックリスト
推奨する100の取り組みを盛り込んだチェックリストを活用して、現在の取り組み状況をチェックし、職場の課題を洗い出すことができるように設定しています。
- (2)高年齢労働者の安全と健康確保のための職場改善計画
チェックリストを活用して、現在の取り組み状況をチェックした上で、職場改善に向けての検討を行い、職場改善計画を作成します。
- (3)高年齢労働者の安全と健康確保に役立つパンフレット等のリスト
今後の職場改善の検討に当たり、標準的な取り組み手法は、すでに国等の指針やパンフレットの中でかなり示されているので、それを参考に進め方の検討を行います。
「エイジアクション100」を活用したガイドライン対応の取り組みの進め方
「エイジアクション100」を活用したガイドライン対応の取り組みは、主として、①事業場単位で、②安全(衛生)管理者(推進者)等が、③安全衛生委員会等で検討を行って、職場改善を進めます。
また、労働災害に直結する可能性の高い事項や法令上の事業者の義務となっている事項等について優先的に改善を行った上で、次のステップである「働きやすい職場環境の整備や働き方の見直し」につなげるなど、順次、スパイラルアップさせながら、継続的に取り組みます。
「エイジアクション100」を活用したガイドライン対応の取り組みの流れ
- 現状把握
事業場における過去の労働災害の発生状況、高年齢労働者の作業負荷の程度や健康状況等の現状把握を行います。
- チェックの実施
- (1)チェックの実施
チェックリストの解説やその他の参考資料を参照しつつ、チェックを行います。
- (2)優先度のマーク
「×」が付された項目のうち、優先度が高いと考える項目に、チェックの際に、マークを付しておきます。
- 職場改善の実施
- (1)取組事項の選定
- 「×」が付された項目のうち優先度が高いものについて、職場改善計画を作成し、安全衛生委員会等において検討を行い、事業場としての方針を決定した上で、取り組みを進めます。
- チェックリストの「3 高年齢労働者に多発する労働災害の防止のための対策」の「主な業種別の最優先取組事項」の中で「×」が付された項目については、そのまま放置した場合には、労働災害に直結する可能性が高いことから、できる限り優先して取り組みを進めます。
- (2)職場改善策の検討
職場改善策を検討するに当たっては、国等において示されている各種の労働災害防止や健康確保に関するパンフレット等のリストを参考にします。
- (3)PDCAサイクルの仕組みによる着実なレベルアップ
職場改善の取り組みの1サイクルは、主に6カ月~1年くらいのサイクルを、PDCAサイクルの仕組みで実施することにより、中長期的・継続的な取り組みとして、着実にレベルアップしていけるようにします。
- 高年齢労働者に配慮したエイジフレンドリー職場へ
参考資料
先進企業の取組事例(2018年6月)
高年齢労働者の安全と健康確保のための職場改善セミナー(2018年6月7日開催)