お問合せ
中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp
お知らせ
国からの委託事業であった
「国際安全衛生センター(JICOSH)」
が2008年3月末をもって廃止されました。
永らくのご利用ありがとうございました。
同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの
国別、
分野別情報にリンクして取り込んでおります。
アメリカの安全衛生関係団体で、最も活発に活動しているものの一つは、全米安全評議会(National Safety Council;NSC)である。NSCは、すべての人々の安全と健康や快適な環境の保持を目的とする非政府非営利団体で、1913年に職場の安全衛生の向上を目指す団体としてスタートし、その後、職場に限らず災害一般を対象に災害防止のための様々な活動を展開している。NSCは、1953年に連邦法上認められた組織となり、今日に至っているが、現在では、労働安全の指導者養成、労働者の安全衛生確保、自動車運転、救急措置、痛みに対する医学的処方等の分野に関する教育訓練講習会を幅広く実施している。また、毎年、アメリカ合衆国内での職場、自動車事故、家庭内、社会等における傷害事故に関する年報(例えば、Injury Facts 2015)を頒布している。また、毎年開催される大会及び展示会には15,000〜18,000人の安全と健康に関する専門家が参加している。
アメリカ産業衛生協会(以下単に「AIHA」という。)は、1939年に設立され、その会員のために、最も高い専門的能力を達成し、及び維持することに捧げることを目的としている非営利組織であり、その使命は、労働者の健康を保護するための知識を創造し、職場における(業務関連の)疾病を除去することであるとされている。
約10,000人に達する会員の半ば以上が、認定インダストリアル・ハイジニスト(Certified Industrial Hygienist;CIH。訳者注:前述したとおりである。)として認証されている者であって、さらに彼等の多くは他の専門的な資格をも保持している。また、AIHAは、労働衛生、環境衛生及び労働安全の分野の専門家としての能力を維持するための包括的な教育訓練プログラムを管理運営している。
このほか、AIHAは、アメリカ合衆国内で、毎年、ACGIHと協力して、労働者の健康を守るための新しい手段と戦略、経験及び情報交換等を目的として、世界中から数千人の産業衛生に関する専門家が参集する大会( AIHceと呼ばれている。)を主催している。
アメリカ産業衛生専門家会議(American Conference of Governmental Industrial Hygienists;ACGIH)は、1938年にその先駆的な団体(The independent National Conference of Governmental Industrial Hygienists ;NCGIH)として発足し、1946年に現在のACGIHとして再編成され、当初の会員構成が、連邦又は州政府に関連するインダストリアル・ハイジニストに限定されていた会員資格を、外国の政府関係機関に勤務するインダストリアル・ハイジニストにも広げた。その後2013年に、産業衛生、労働衛生、労働安全の分野に従事するすべての専門家が会員の資格を得ることができるようにした。
ACGIHの活動として最もよく知られているのは、Threshold Limit Values for Chemical Substances (TLV®-CS) Committee(化学物質についての抑制濃度委員会)が、1956年以来公表している"Threshold Limit Values (TLVs®)" 及びその科学的根拠をまとめて1962年以来公表しているDocumentation of the Threshold Limit Valuesであり、さらには物理的因子の許容限界、一定の化学物質についてのBiological Exposure Indices (BEIs®)(生物学位的暴露指標)である。
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アメリカ規格協会(以下単に「ANSI」という。)は、1918年に創立された、民間の非営利団体である。ANSIは、ほとんどすべての産業分野-音響装置から建設設備、日用品から畜産まで、さらにはエネルギー供給まで、そしてさらに多くの産業分野で-直接にビジネスに影響を与える数千にのぼる規格及びガイドラインの策定、普及及び使用についてカバーしている。
その使命は、任意的なコンセンサス基準及び確認システムを機能させ、さらにはこれらの活動を統合させてセイフガード機能を発揮させることによって、アメリカ合衆国のビジネス上の世界的規模での競争力及び生活の質(quality of life)を高めることである。
ANSIは、延べ10,000件以上のアメリカ合衆国国内規格を開発してきた実績を有するが、比較的最近における労働安全衛生に関連した規格としては、「Ⅵ 主要な労働安全衛生対策」の「3 労働安全衛生マネジメントシステムについて」で紹介したとおり、2005年のOHSS(Occupational Health and Safety Systemsについてのアメリカ合衆国国内規格の策定が挙げられる。