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シンガポール 工場法
   
(仮訳 国際安全衛生センター)
   

第X部  管理


83. 本法の管理は、コミッショナーが責任を負う。


84.

(1) 大臣は、本法の目的のために、局長(工場主任検査官)ならびに、大臣が必要と見なすその他の検査官及び係員(名称を問わず、大臣が随時決定することができる)を任命することができる。


(2) 各検査官の任命は、これを官報で公告する。


(3) 各検査官には任命の証明書を公布し、検査官が本法の規定が適用される工場またはその他の場所を訪問する場合には、要請のあり次第当該証明書を工場の占有者または工場長もしくはその他の責任者に提示する。



85.

(1) 検査官は、本法を施行する目的のために、以下に掲げるいかなる事項を行う権限も有する。

  1. 中で人が雇用されていると思われる妥当な理由がある場合に、昼夜を問わず工場及び工場の各部分に立入り、調査及び検査すること、中で人が雇用されていると信じる妥当な理由があるいかなる場所にも、日中に立入り、調査及び検査すること、工場及び工場の一部を構成するいかなる部分もしくは建屋であると信じる妥当な理由のある場所で、爆発物もしくは可燃性の高い資材が貯蔵もしくは用いられていると信じる妥当な理由のある場所に、立入り、調査及び検査すること、ならびに、その機械、機械装置(プラント)、装置または用具を調査及び検査するに必要な権限を行使すること。

  2. 検査官がその職務を遂行するに当たり、重大な障害を受けると信じる妥当な理由がある場合に、警察官を同行させること。

  3. 本法の規定の下で備えられている工場記録、証明書、通告及び文書の提出を求め、これらを点検、検査及び複写すること。

  4. 工場及び工場の被雇用者について、本法及び雇用法第VIII、第IX及び第XI部の諸規定が遵守されているか否かを確認するに必要な検査及び調査を行うこと。

  5. 工場の占有者を特定するに当たり、工場内にいるいかなる者に対しても、その者の権限内の情報を提出するように要請すること。

  6. 事故もしくは危険の発生の事実及び状況、または本法の下の事項について、事情を知っていると思われる者を口頭で調査し、調査された者の行う言明を文書に作成すること。かかる者は、事故もしくは危険の発生の事実及び状況、または本法の下の事項について、真実を述べる。ただし、事実または状況に関して、刑事告訴、刑罰もしくは科料に触れる可能性のある言明は、これを行わないことができる。前述の者の行う言明は、これを同人に読んで聞かせ、必要に応じて修正した後、同人がこれに署名する。

  7. 情報その他により、事故もしくは危険の発生の事実及び状況、または本法の下の事項について、事情を知っている者がいる(ただしシンガポール内に限る)と思われる場合には、書面による命令を発して、検査官の前に出頭を要請すること。かかる者は、要請に応じて出頭する。要請に応じて出頭しない場合には、検査官は、治安判事にかかる不出頭を報告し、治安判事は、前述の当該命令で要請された者の出頭を確保する令状を発することができる。

  8. 検査官が登録医師である場合には、本法の規定により同人の職務のために必要な医療検査を行うこと。

  9. 工場から排出されている物質(固体、液体、気体、蒸気のいずれかを問わず)を採取すること。

  10. 工場内の状況及び、工場内で継続されている工程で、工場内の被雇用者の安全または健康に対して危険の恐れのあるものを記録するために、必要と考えられる写真を撮影すること。

  11. 本法の規定の下で行う検査または調査の目的に必要な、工場内のいずれの物品をも押収すること。かかる物品は、当該検査及び試験の終了後できるだけ早く返還する。

  12. 工場内にいるいかなる者に対しても、本法の規定による調査または検査の目的のため、身分証明書の提出を求めこれを検査すること。


(2) 工場の占有者、その代理人もしくは被雇用者または工場内にいるいかなる者も、検査官が、本法の規定の下で当該工場に関連して権限を遂行するに当たり、立入り、検査、調査、尋問、サンプル採取その他のために要請する必要な手段を提供する。


(3) いかなる者も、本条に規定する検査官の権限行使を故意に遅らせた場合、本条の規定による検査官の要請に従わない場合、本法の規定により提出を要請される記録、証明書、通告もしくは文書を提出しない場合、工場の占有者の特定にあたり情報を故意に提供しなかった場合、検査官の前に出頭する者もしくは検査官に検査される者を隠蔽もしくは妨害した場合、または隠蔽もしくは妨害を試みた場合には、かかる者は本法に定める検査官の権限遂行を妨害したと見なされる。


(4) 検査官が本法に定める権限の遂行を妨害された場合には、検査官を妨害する者は法令違反に当たり、2,000ドル以下の罰金もしくは3ヶ月以下の禁固に処する。


(5) 本法の規定の下で局長(工場主任検査官)が発行する証明書または通知は、有効期限が一定の場合も無期限の場合もあり、局長(工場主任検査官)はこれを修正または取消しすることができる。



86.

(1) 検査官は、本法の下で生じた、または検査官職務の履行により生じた告訴(charge)、通報(information)、不服(complaint)もしくはその他の手続き(proceeding)を、治安判事裁判所もしくは地方裁判所に起訴または送致(conduct)することができる。


(2) 本法の規定違反の起訴(prosecution)が、検査官の要請で、または検査官によって行われた場合に、証人として証拠を提示することは、検査官の資格に反するものではない。



87. 検査官としての職務遂行上知り得た製造上または商業上の秘密は、職務遂行以外でこれを開示してはならない。本条に違反する行為をした者は法令違反に当たり、5,000ドル以下の罰金もしくは2年以下の禁固、またはその両者を科する。




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