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シンガポール 工場法
   
(仮訳 国際安全衛生センター)
   


第V部  安全(一般規定)


18.

原動機に直結しているはずみ車(flywheel)及び、原動機(第19条に規定する原動機を除く)の各可動部分は、はずみ車(flywheel)または原動機がエンジンハウス内に設置されているか否かを問わず、確実に(フェンスで)囲う。



19.

発電機、モーター及び回転変流機(rotary converter)の各部分、及びこれらに直結されている各はずみ車(flywheel)は、確実に(フェンスで)囲う。ただし、構内で雇用されている、または作業している者全てにとって、確実に(フェンスで)囲っているのと同様に安全な位置にある場合または安全な構造である場合を除く。


20.

(1) 全ての電気施設及び電気機器(equipment)は、優良な構造を持ち、健全な材料により、瑕疵がなく、健全で安全な作動に関する一般に認められた原則に適合しているものとし、かかるように維持する。


(2) いかなる者も、電気設備または電気機器(equipment)の使用に起因する、またはこれらに関連する感電の危険からこれを保護するために、実行可能なあらゆる措置を取る。



21.

(1) 動力伝達装置の各部は、確実に(フェンスで)囲う。ただし、構内で雇用されている、または作業している者全てにとって、確実に(フェンスで)囲っているのと同様に安全な位置にある場合または安全な構造である場合を除く。


(2) 作業が行われている各部屋または作業場では、当該部屋または作業場の伝導装置の電源を直ちに遮断するための効果的な装置(デバイス)もしくは装置を備え、維持する。


(3) 機械的な力によって駆動することが意図されている各機械は、効率のよい始動停止装置を備え、機械作業員
により平易に、不都合なく作動できる状態で制御される。

(4) 駆動ベルトが使用されていない場合には、伝導装置の一部を構成する回転軸の上に置き、または乗せてはならない。


(5) 伝導装置の一部を構成する固定及び自由滑車と接続している駆動ベルト(driving belt)に対して、適切なストライキング・ギヤ(striking gear)またはその他の効果的な機械的装置を設置、維持して、駆動ベルト(driving belt)を作動するために使用し、かかるギアまたは装置は、駆動ベルト(driving belt)が固定滑車に巻き込まれないよう設計、設置及び維持される。


(6) 局長(工場主任検査官)は、第(2)項ないし第(5)項に規定する要件の遵守が不必要または実行不可能と認める場合には、書面による証明書を発行することにより、当該証明書に記す条件の下で遵守の適用を除外することができる。



22.

(1) 原動機及び伝導装置を除くいかなる機械の危険な部分も、全て確実に(フェンスで)囲う。ただし、構内で雇用されている、または作業している者全てにとって、確実に(フェンスで)囲っているのと同様に安全な位置にある場合または安全な構造である場合を除く。


(2) いかなる機械の危険な部分も、同等の効果を有するこの他の措置を取ることにより、構内に雇用されている、または作業している者にとって安全となる場合には、第(1)項は適用されない。


(3) 旋盤の主軸台の先に突出しているストックバー(stock bar)のいかなる部分も、確実に(フェンスで)囲う。ただし、構内で雇用されている、または作業している者全てにとって、確実に(フェンスで)囲っているのと同様に安全な位置にある場合または安全な構造である場合を除く。



23.

(1) 機械の部分が、第18条ないし第22条の目的のために、構内で雇用されている、または作業している者全てにとって、確実に(フェンスで)囲っているのと同様に安全な位置にあること、または安全な構造であることを判断する場合には、

  1. 機械の部分が作動中に実施することが必要な検査、潤滑または調整であって、かかる検査が直ちに必要であることが証明される場合には、機械の部分が作動中に機械の検査、潤滑または調整を実施する者は、これを考慮する必要はない。

  2. 局長(工場主任検査官)が、工場の中のいずれかの工程で使用される伝導装置について、連続工程の性質のため当該部分の作動停止が工場の工程の実行に重大な影響を及ぼす旨を、書面による証明書を発行することにより認める場合には、当該証明書に記される方法、状況、及び条件の下で潤滑、据付けまたはベルト交換を実施する者は、これを考慮する必要はない。


(2) 第(1)項は、つぎの場合にのみ適用される。

  1. 検査、潤滑または前述のその他の作業が男性によって行われ、以下の条件に該当する場合。

    1. 20歳の年齢に達成したこと。

    2. 必要な作業の目的で訓練を受け、機械を作動することによる当該検査、潤滑またはその他の作業に関連して生じる危険を熟知していること。(ii) 必要な作業の目的で訓練を受け、機械を作動することによる当該検査、潤滑またはその他の作業に関連して生じる危険を熟知していること。

    3. 当該検査、潤滑またはその他の作業を行うために使用する梯子が、確実に固定もしくは緊縛されていること、または梯子の下部に位置する者により確実に支えられていること。



24.

(1) 第V部のこれに先立つ諸条項に規定する囲い(フェンス)またはその他の保護措置は、堅固な構造を有し、囲いまたは保護措置を要する部分が、作動中もしくは使用中に、常に維持され正常位置に保たれなければならない。ただし、検査及び潤滑または調整のために作動していることが必要な場合(かかる検査が緊急に必要であることが証明されなければならない)で、第23条(2)項に規定する全ての条件が遵守される場合を除く。

(2) 機械及び機械装置(プラント)には、人の死亡または傷害を生じるような破損を防止するために適切な措置が取られる。



25.

(1) 工場のいかなる機械も、機械的動力によって駆動される機械である場合には、

  1. 回転軸(revolving shaft)、スピンドル(spindle)、ホィール(wheel)またはピニオン(pinion)上の止めねじ(set screw)、ボルトもしくはキーは、危険を防止するため埋込み、被いまたはその他の方法で効果的に保護されている。

  2. 作動中に頻繁な調整を要しない全ての歯車及びその他の歯状突起式もしくは摩擦式ギアは、完全に被い包まれている。ただし、完全に被い包まれているのと同様に安全に設置されている場合を除く。


(2) シンガポール国内の工場での使用に供するために、機械的動力で駆動される機械であって本条に規定する要件を遵守しないものを販売する者もしくは賃貸する者、または販売者もしくは賃貸者の代理人として販売もしくは賃貸をせしめる者もしくはかかる努力を行う者は、法令違反に当たり、これに5,000ドル以下の罰金に処する。


(3) 大臣は、官報に公告して命令を発することにより、第(1)項及び(2)項の適用を本法または本法の下で制定される規制で規定する要件(当該命令に記されるものに限る)に拡張することができる。本項の規定による命令は、特定の工程の機械または機械装置(プラント)を対象にすることができる。


(4) 本条の規定は、1960年6月1日より以前に製造された機械には適用されない。



26.

(1) 端から、人が落下する恐れのある高さの地点またはプラットフォームより1メートル未満の高さにある固定された容器、構造、水溜めまたは窪みで、湯焼性、腐食性または毒性のある液体を含有しているものには、その地点またはプラットフォームから少なくとも1メートル上で確実に被いを付しもしくは確実に(フェンスで)囲い、作業の性格によりこの高さでの確実な被いもしくは確実に囲うことが不可能な場合には、人が容器、構造、水溜めまたは窪みに落下することを防止するための被い、囲いまたはその他の実行可能なあらゆる措置を取る。


(2) 固定された容器、構造、水溜めまたは窪みで湯焼性、腐食性または毒性のある液体を含有しているものに確実に被いを付していないない場合には、その上部に、それを横切って、またはその内部に、以下の条件に当てはまらない梯子、階段または通路を設置しない。

  1. 幅が少なくとも500mm未満のもので、

  2. 両側で1メートル以上の高さで確実に(フェンスで)囲っており、確実に固定されているもの。

(3) 第(2)項に規定する容器、構造、水溜めまたは窪みが隣接し、それらの間の空間が幅500ミリメートル未満(周囲を取り巻くレンガまたはその他の工作物を除く)である場合、または両側で1メートル以上の高さで確実に(フェンスで)囲っていない場合には、その間の通行を妨げるよう確実な障壁を設置する。


(4) 本条の目的のために、梯子、階段または通路に板状囲い、もしくは上部及び下部レール及び落下物防止板が設置されていない場合には、確実に囲っていると見なされない。


(5) 容器、構造、水溜めまたは窪みに関して、危険の種類を記した警告通知を、工場の被雇用者に理解しやすい形式で、容器、構造、水溜めまたは窪み上に表示し、もしくはこれに添付し、またはこのいずれもが実行不可能な場合には、その近辺に掲示する。


(6) 局長(工場主任検査官)は、官報に公告して命令を発することにより、本条のいずれの規定もこれを拡張して以下に適用することができる。


  1. 固定されていない容器もしくは構造、または

  2. 液体でない物質を含有する容器、構造、水溜めもしくは窪み。

ただし、第(b)号を適用して拡張された規定により、液体でない物質に関して「湯焼性」とは、火傷を起こしやすいことを意味する。


(7) 局長(工場主任検査官)は、これらの要件が不必要または実行不可能と認める場合には、官報に公告して命令を発することにより、何らかの種類の容器、構造、水溜めまたは窪みに対して本条に定める要件の適用を免除することができる。



27.

(1) 自動機械の縦断部品(traversing part)及び自動機械上で運搬される資材は、機械が走行する空間を人が通行すること(業務上であるか否かを問わない)があり得る場合には、機械の一部ではない固定構造物から500ミリメートル以内の距離を走行すること(外側へまたは内側へを問わない)はできない。


(2) 被雇用者が自動機械の縦断部品と機械の固定部品(内側への運動で、縦断部品が向かっていくもの)の間の空間で就業することがないよう、機械の担当者に指示を与える等により、実行可能なあらゆる措置を取る。ただし、縦断部品が外側に向かう運動で停止する場合を除く。



28.

(1) いかなる者も、身体に傷害を生じる恐れのある機械または工程に雇用されるためには、それら機械または工程に関連して発生する可能性のある危険及び、遵守すべき注意事項を十分に指導され、また以下の条件が満たされなければならない。


  1. 機械または工程の作業について十分な訓練を受けること。

  2. 機械または工程に関して熟達した知識及び経験を有する者の適切な監督の下にあること。

(2) かかる機械または工程に雇用される者に対して当該機械または工程の安全な操作に関連して遵守すべき安全措置を指導する目的のために、雇用者は、当該機械上に、もしくは工程に最も近い場所に、かかる機械または工程に雇用される者の理解する言語で、当該安全措置を説明した表示を掲げる。



29.

(1) ホイストまたはリフトを、以下の条件によらずして使用することはできない。

  1. 良好な機械的構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、適切に維持されていること。

  2. リフトの場合には、製造者により、もしくは製造者を代理して、設置前に試験及び綿密な検査が行われ、かかる試験及び検査の証明書(安全な作動荷重が記載され、製造者によるもしくは製造者を代理した署名のあるもの)が点検できるように備えられていること。
  3. 認定された者により、設置後に試験及び検査が行われ、かかる試験及び検査の証明書(安全な作動荷重が記載され、認定された者の署名のあるもの)が点検できるように備えられていること

(2) 各ホイストまたはリフトは、少なくとも6ヶ月に1回認定された者による綿密な検査を受け、各回の検査の結果について規定された様式により報告書を2部作成し、検査を行った者が署名する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は検査終了後28日以内に局長(工場主任検査官)宛て送付する。ただし、検査の結果ホイストまたはリフトが、一定の修理を直ちにもしくは一定の時間以内に行わなければ安全に継続使用できないとされる場合には、認定された者は報告書の他の1部を直ちに局長(工場主任検査官)宛てに送付する。


(3) 各ホイスト昇降路またはリフト昇降路は、ゲート付きの堅固な囲いにより効果的に保護されるていること(囲いは、ゲートが閉じている時に、人が落下することまたはホイストもしくはリフトの可動部分に接触することを防止できるもの)とする。


(4) 前述のゲートはいずれも、効果的なインターロッキングまたはその他の装置(デバイス)(ケージもしくはプラットフォームが着地点になければゲートを開くことができず、ゲートを閉じなければケージもしくはプラットフォームを移動することができないもの)を備える。


(5) ホイスト及びリフト、ならびに前述の囲いはいずれも、身体の部分、またはホイストもしくはリフトで運搬される物が、ホイストもしくはリフトと何らかの固定構造物の間、またはカウンターバランス・ウエイトとホイストもしくはリフトの他の可動部分の間に、はさまれることがない構造とする。


(6) 各ホイストまたはリフトには、安全に運搬することができる最大作動荷重を明瞭に表示し、ホイストまたはリフトでかかる荷重を超える荷重を運搬してはならない。


(7) リフトには、以下の追加要件が適用される。

  1. ケージまたはプラットフォームのオーバーランを防止するために、効果的な自動装置(デバイス)を設置し維持すること。

  2. 各ケージには、着地点にアクセスできる側には全てゲートを設置し、各ゲートには適切な装置(デバイス)(ケージに人または物がある場合には、全てのゲートを閉じなければケージを昇降することができず、ゲートを開くとケージが停止するもの)を備えること。

  3. プラットフォームもしくはケージがロープもしくはチェーンで吊るされているリフトで、1960年6月1日以降に製造または改造されたものは、プラットフォームもしくはケージには少なくとも2本のロープもしくはチェーンを別々に接続することとし、各ロープもしくはチェーン及びその付属物は、プラットフォームもしくはケージ及び最大作動荷重の全重量を支えることが可能であり、効果的な装置(デバイス)(ロープもしくはチェーンもしくはそれらの付属物が故障した場合に、プラットフォームもしくはケージ及び最大作動荷重を支えるように作動するもの)を設置、維持すること。

(8) 機械的動力で接続されていないホイストまたはリフトの場合には、

  1. 第(7)項は適用しない。

  2. 第(4)項に代えて、次の項目を適用する。

    「(4) 前述のゲートはいずれも、ケージまたはプラットフォームが着地点で静止している時以外は、閉じて締められている」

  3. 第(2)項に規定する6ヶ月は、12ヶ月と読み替える。

(9) 建屋内に設置されるホイスト昇降路またはリフト昇降路で、1960年6月1日以降に製造または改造され、2階以上にわたって走行するものは、本条の以下に定める規定に従って、これを耐火性の資材を使用して完全に囲み、ホイストまたはリフトへの全ての接近通路には、ドアまたは耐火性の資材を設置するもとする。ただし、ホイスト昇降路またはリフト昇降路が、火災の場合に容易にこわすことのできる資材のみにより上部が囲まれている場合、または上部に通気孔が設置されている場合を除く。


(10) 本条の目的のために、

  1. 運動の方向が1つもしくは複数のガイドにより規制されるプラットフォームまたはケージを有しない場合には、機械または装置はホイストもしくはリフトと見なされない。

  2. リフトには、人(品物と共にか否かを問わない)を運搬するのに使用される昇降用の機械または装置を含む。

(11) 大臣が、特別な事情により、何らかの型もしくは種類のホイスト、リフト、ホイスト昇降路またはリフト昇降路について、本条に規定するいずれかの要件を実施することが妥当でないと認める場合には、命令を発して当該型もしくは種類に関してかかる要件を適用しないことを命じることができる。



30.

(1) 材質を問わず、玉掛用具が良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、特許上の瑕疵がなく、または適切に維持されている場合を除き、これを使用することはできない。


(2) 各玉掛用具は、製造者によりもしくは製造者を代理して、または認定された者により、試験及び検査が行われ、かかる試験及び検査の証明書(安全な作動荷重が記載され、製造者もしくは製造者を代理した者または認定された者の署名のあるもの)を取得し、点検できるように備えられている場合を除き、これを使用することはできない。


(3) 各玉掛用具は、少なくとも12ヶ月に1回認定された者による綿密な検査を受け、各回の検査の結果について規定された様式により報告書を2部作成し、検査を行った者が署名する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は検査終了後28日以内に局長(工場主任検査官)宛て送付する。


(4) 第(2)項の試験及び検査に関する規定は、ファイバーロープまたはファイバーロープ・スリングには適用しない。


(5) 玉掛用具(ロープ及びロープ・スリングを除く)であって、局長(工場主任検査官)が官報に告示を公告して適用除外した型もしくは種類でない場合には、いずれも少なくとも12ヶ月に1回、溶解金属または溶解鉱滓に関連して使用されるチェーンの場合には6ヶ月に1回、焼戻しする。ただし、定期的に使用されない玉掛用具は、必要に応じて焼戻しすることが求められる。


(6) 玉掛用具には、安全作動荷重を超えた荷重をかけてはならない。ただし、認定された者または検査官が当該ギアを試験する目的で行う場合を除く。


(7) 検査官は、いつでも、いかなる玉掛用具をも試験することができ、使用が安全でないと認める場合には、その使用を禁じることができる。


(8) 試験の過程で玉掛用具に損傷が生じた場合に、政府、検査官または認定された者が責任を負うことはない。



31.

(1) 吊り上げ装置または吊り上げ機械を、以下の条件によらずして使用することはできない。

  1. 吊り上げ装置もしくは吊り上げ機械、またはその各部品(全ての作動ギアならびに、装置もしくは機械を係留もしくは固定するために使用される全ての機械装置[プラント]またはギアを含む)が、良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度と物質でできており、特許上の瑕疵がないこと。

  2. 適切に維持されていること。及び、

  3. 製造者によりもしくは製造者を代理して、または認定された者により、試験及び綿密な検査が行われ、かかる試験及び検査の証明書(安全な作動荷重が記載され、製造者もしくは製造者を代理した者または認定された者の署名のあるもの)を取得し、点検できるように備えられていること。

(2) 各ホイスト及びリフトは、少なくとも12ヶ月に1回、認定された者による綿密な検査を受け、各回の検査の結果について規定された様式により報告書を2部作成し、検査を行った者が署名する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は検査終了後28日以内に局長(工場主任検査官)宛て送付する。ただし、検査の結果吊り上げ装置または吊り上げ機械が、一定の修理を直ちにもしくは一定の時間以内に行わなければ安全に継続使用できないとされる場合には、認定された者は報告書の他の1部を直ちに局長(工場主任検査官)宛てに送付する。


(3) 各クレーン、ウィンチ台車及びウインチには、容易にアクセスでき効率よいブレーキもしくはその他の安全装置(デバイス)(吊っている荷重の落下を防止し、荷重を降下させているときに効果的に荷重を制御できるもの)を設置する。各ハンドには、安全な荷重作動を継続することができる効率よいツメが装着されている。


(4) 各吊り上げ装置及び吊り上げ機械には、安全作動荷重及び識別のための固有番号(または番号以外の方法)を明瞭に記す。ただし、ジブを昇降することにより安全作動荷重を変化させることのできるジブクレーンにあっては、操作者に明瞭に見えるように、ジブの半径とその半径に対応する安全作動荷重を常に正確に示す表示を取り付ける。


(5) 吊り上げ装置及び吊り上げ機械には、安全作動荷重を超えた荷重をかけてはならない。ただし、認定された者または検査官が当該ギアを試験する目的で行う場合を除く。


(6) 吊り上げ装置(安全作動荷重が150キログラムを超えるもの)及び吊り上げ機械は、その構造及び使用状況により定められる適切な期間内に、認定された者によって綿密な検査を受けることなしに、使用することはできない。ただし、かかる期間は12ヶ月を超えることはなく、検査の内容は第32条の規定により設けられる登録簿に記入される。


(7) 各吊り上げ装置及び吊り上げ機械は、適切、確実に保持され、各ロープ、チェーンもしくはワイア、及びステージ、骨組みもしくはその他の構造の各部分、ならびにマスト、ビーム、ポールまたは吊り上げ装置もしくは吊り上げ機械のいずれの部分を保持するその他の機械装置(プラント)の部分も、当該吊り上げ装置、その吊り上げ及びリーチ性能ならびに使用状況に照らして、良好な構造を持ち、健全な材料を使用し、十分な強度を有する。


(8) 走行クレーンが走行する全てのレール及び、輸送クレーンの台もしくはクレーン通路が移動する全ての走路は、適切なサイズと十分な強度を持ち、一様な走行面を有する。かかるレール及び走路は、全て適切に敷設され、十分に保持または懸下され、適切に維持される。


(9) オーバーヘッド式の走行クレーンの車輪走路の上または近辺で人が雇用されもしくは作業し、人がクレーンに当たる恐れのある場合には、当該クレーンがその場所の6メートル以内に接近することがないよう、効果的な措置を講じる。


(10) 第(9)項に規定する以外の状況で床レベルより上部の場所で人が雇用もしくは作業し、人がオーバーヘッド式走行クレーンまたはクレーンが運搬する何らかの積荷に当たる恐れのある場合、クレーンの接近を警告する効果的な措置を取る。ただし、その作業がクレーンの作動に関連または依存しており、警告が不要である場合を除く。


(11) 吊り上げ機械は、当該機械の操作訓練を受けた資格ある者以外の者が、これを操作してはならない。ただし当該機械は、訓練目的のために資格ある者の直接監督の下で人が操作することができる。ただし、機械的動力で駆動する吊り上げ機械を操作し、またはかかる機械の操作者に合図を送るために、18歳未満の者を雇用してはならない。


(12) 検査官は、いつでも、いかなる吊り上げ装置または吊り上げ機械も試験することができ、使用が安全でないと認める場合には、その使用を禁じることができる。


(13) 試験の過程でで吊り上げ装置または吊り上げ機械に損傷が生じた場合に、政府、検査官または認定された者が責任を負うことはない。



32. 工場では、第30、31条が適用される玉掛用具、吊り上げ装置及び吊り上げ機械に関して、本法付表第3に規定する詳細を掲載した登録簿を備える。



33.

(1) 全ての就業場所、床、昇降段、階段、廊下、通路及び入口は、以下の規定を遵守しなければならない。

  1. 良好な構造を持ち、適切に維持されること。

  2. 無理なく実行可能な限り、いかなる障害もなく、人がすべり易い物質がないこと。


(2) 床にある全ての開口部は、確実に(フェンスで)囲う。ただし、かかる囲い作業が、その性格から見て実行不可能である場合を除く。


(3) 人がいつでも作業を行うべきいずれの場所に向かう入口及び出口も、無理なく実行可能な限り、安全な接近手段を設置、維持され、かかる場所はいずれも、無理なく実行可能な限り、そこで就業するいかなる人にも安全でなければならない。


(4) 建物の全ての階段または建物から外へ出る手段には、堅固なハンドレールを設置、維持し、かかるハンドレールは、階段が一方に開口側(open side)を有する場合にはその側に、階段が二方に開口側を有する場合には両方の側に、設置、維持される。階段の開口側はまた、低いレールまたはその他の効果的な手段を設置、維持することにより保護する。


(5) 全ての梯子は、

  1. 良好な構造を持ち、適切に維持される。

  2. すべりを防止するために、確実に固定され、または人により保持される。


(6) いずれの機械も、作動中は、不必要な危険なく作業が行われるために、十分な広さを持つ、開かれた障害のない空間が維持される。


(7) 人が、3メートルを超えて、または溺死もしくは窒息しうる物質の中に墜落する可能性のある場所で就業する場合には、その場所で実行可能である限り、安全確保のため確実な足場及び手すりを設置する。


(8) 第(7)項に定める確実な足場及び手すりを設置することが実行可能でない場合には、かかる場所で就業する全ての人の安全を確保するため、安全帯及び囲い等、その他の適切な措置を講じる。


(9) 第(8)項の規定により安全帯を設置する場合には、安全帯のために親綱またはその他の方法によって十分で確実な安全帯の固定点を備え、かかる固定点は、安全帯を着用する人の作業位置レベルより低い位置にない。


(10) 第(7)項及び第(8)項で規定する要件が遵守されない場合には、いかなる者も、3メートルを超えて落下する、または溺死もしくは窒息を発生させることがあり得る物質の中に落下する可能性のある場所での作業を他者に要請、許可または命令することはできない。


(11) 製品もしくは資材を上昇もしくは降下(昇降)させるために用いられる開口部またはこれに類似の出入口(機械的動力によるものか否かを問わない)は、確実に(フェンスで)囲い、開口部または出入口の各側に確実な手すりを備える。囲いは適切に維持され、所定の位置に保持される(ただし、製品または資材の上昇もしくは降下[昇降]が開口部または出入口で行われる場合を除く)。


(12) 工場で貯蔵または積上げされる全ての製品、物品及び物質は、以下の条件で貯蔵または積上げされる。

  1. 自然光または人工光の十分な採光、機械もしくはその他の機器(equipment)の適切な作動、通路もしくは交通路の障害のない使用または、スプリンクラー・システムの効率的な機能もしくはその他の消火用機器(equipment)の使用に支障を来たさない方法によること。

  2. 沈下する恐れのない堅固な基礎の上に置き、床に過負荷を掛けない方法によること。

  3. 最善の安定性を確保し、当該製品、物品もしくは物質またはそれらの支柱の崩壊を防止する方法によること。

また、壁もしくは仕切りに向けて貯蔵または積上げしない。ただし、壁または仕切りが当該圧力に耐える十分な強度を有する場合を除く。



(13)

  1. 各工場の基礎及び床は、当該工場の設計目的とする荷重を支持するに十分な強度を有するものとし、基礎または床に過負荷を掛けてはならない。

  2. 各工場の屋根は、必要な懸垂荷重を支えるに十分な強度を有する。

(14) 人が水に転落し溺れる危険がある場合には、

  1. 溺れる者を救助し、蘇生するための機器(equipment)及び手段を備え、

  2. 人が水に転落した場合に、当該人を浮かせておくための適切な救命胴衣及びその他の機器(equipment)を備える。

(15) 第(14)項に定める機器(equipment)は、いかなる時も瑕疵がないよう適切に維持される。



34.

(1) 第(2)項ないし第(8)項の規定は、工場の内部の作業が何らかの室(chamber)、タンク、大桶、窪み、パイプまたは狭い空間(confined space)で行われ、且つ以下の条件に該当する場合に効力を発する。

  1. (a) 人に危害が生じる危険を生じる程度に、有害なヒュームが立ち込める可能性がある場合。

  2. (b) 空気の供給が、生命を維持するのに不十分である場合、または不十分な程度まて減少する恐れのある場合。

(2) 狭い空間には、他に十分な立入り手段がない場合には、マンホールを備える。当該マンホールは長方形、長円形または円形とすることができ、縦457ミリメートル、横406ミリメートル、または(円形の場合)直径457ミリメートルを下回ってはならず、またタンクワゴン及びその他の移動式機械装置(プラント)の場合には、縦406ミリメートル、横355ミリメートル、または(円形の場合)直径406ミリメートルを下回ってはならない。


(3) 第(4)項の規定の下で、いかなる者も、いかなる目的によっても狭い空間に入ること、もしくは留まることはなく、またいかなる者に対しても、入ることもしくは留まることを指示または命令することはない。ただし、狭い空間に入る者または留まる者が、適切な呼吸器具を着用し、資格ある者によって入ることを認められ、実行可能な場合にはロープを確実に取り付けたベルトを着用し、引き上げる能力のある者が外でロープの一方を持ち見張っている場合を除く。


(4) 資格ある者により狭い空間が一定の期間呼吸器具なくして入ることに対して安全であると証明され、かかる一定の期間が失効していない場合には、第(3)項の規定は適用されない。ただし、かかる期間が失効する時期について警告を受けていない場合には、いかなる者も入ることまたは留まることはできない。


(5) 狭い空間は、以下の条件が満たされない場合には、第(4)項による証明を受けることはできない。

  1. (a) 有害なヒュームの侵入を防止するために効果的な手段が取られること。

  2. (b) 有害なヒュームを発生させる恐れのある沈殿物またはその他の付着物が取り除かれ、有害なヒュームを発生させる恐れのあるその他の物質が空間に含まれていないこと。

  3. (c) 空間が十分に換気されて、有害なヒュームの検出試験が行われ、生命を維持するに十分な空気の供給があること。

ただし、第(b)号の目的のために、有害なヒュームを発生させる恐れのある付着物またはその他の物質について、微量の場合には考慮に入れない。


(6) 第(5)項の規定による試験については、記録をとり、いつでも点検できるように備える。


(7) 適切な呼吸器具、ベルト及びロープ、ならびに適切な蘇生器具及び酸素は、十分な量を備えて常に使用できる状態に維持し、器具、ベルト及びロープはこれを維持し、少なくとも1ヶ月に1回または資格ある者が規定するこの他の頻度で、綿密に検査する。各検査の報告書は、検査を行うものが署名をし、定められる事項を記載し、点検できるように備える。


(8) 第(7)項に規定する器具の使用法及び呼吸回復方法については、十分な人数の被雇用者が訓練を受け、練習を行う。


(9) いかなる狭い空間も、空気中の酸素比率が相当に減少する恐れがある場合には、いかなる者も中に入りもしくは留まることはできず、またいかなる者をも中に入りもしくは留まるように要請、許可、または命令することはできない。ただし、次の場合を除く。

  1. 適切な呼吸器具を着用している場合。または

  2. 十分な換気が行われ、また現に行われており、資格ある者が試験を行った結果、酸素供給が十分にあり呼吸器具なしで入ることに対して安全であると証明した場合。

35.

(1) 粉じん、ガス、蒸気または物質を発生させる工程に関連して、粉じん、ガス、蒸気または物質が作業場に流れ込み、着火により爆発する恐れがある状態及び程度になる可能性がある場合には、以下の方法により爆発を防止するための実行可能なあらゆる方策を取る。

  1. 当該工程の行われる機械装置(プラント)を密閉すること。

  2. 粉じん、ガス、蒸気または物質の蓄積を除去すること、または防止すること。

  3. 着火の源になる得るものを除去すること、または効果的に密閉すること。

  4. 適切な防爆機器(equipment)を使用すること。


(2) 機械装置(プラント)において前述のような工程で着火により爆発する恐れがある状態及び程度になる可能性がある粉じんがある場合であって、機械装置(プラント)がかかる爆発で発生する可能性のある圧力に耐えることのできる構造でない場合には、かかる爆発の拡散及び影響を抑制するために、機械装置(プラント)に関連して閉止装置、隔壁及びガス抜き孔またはその他の効果的な装置を設置して、実行可能なあらゆる手段を取る。


(3) 機械装置(プラント)のいずれかの一部に、爆発物もしくは可燃性ガス、または大気圧を超える圧力の蒸気を含有する場合には、かかる部分は、開いてはいけない。ただし、以下の規定による場合を除く。

  1. 機械装置(プラント)のかかる部分に接続しているパイプのジョイントを締結する前、またはかかる部分への開口部のカバーを締結する前に、ストップバルブまたはその他の手段を使用して、かかる部分またはパイプへのガスもしくは蒸気の流れを効果的に停止されること、及び

  2. かかる締結が除去される前に、パイプまたは機械装置(プラント)のかかる部分のガスもしくは蒸気の圧力を大気圧まで減じるために、実行可能なあらゆる手段が取られること。

(4) 何らかの爆発物または可燃性物質を含有している、もしくはこれらを含有していた機械装置(プラント)、タンクまたは容器では、物質及びそれから生じるヒュームを除去するため、またはそれらを非爆発物もしくは不燃性にするために実行可能なあらゆる手段が取られるまでは、以下の事項を行ってはならない。

  1. (a) 溶接、ろうづけ(brazing)またはハンダ付け作業。

  2. (b) 熱を使用する切断作業。

  3. (c) 機械装置(プラント)、タンクまたはそのものの一部を分離もしくは除去する目的で、熱を使用した何らかの作業。

また、機械装置(プラント)、タンクまたは容器にかかる作業を行う場合には、物質に着火する危険を防止するため、金属が十分に冷却されるまでの間、機械装置(プラント)、タンクまたは容器に爆発物もしくは可燃性の物質を入れてはならない。

(5) 何らかの爆発物または可燃性物質を含有している、もしくはこれらを含有していた機械装置(プラント)、タンクまたは容器では、当該機械装置(プラント)、タンクまたは容器が資格ある者により検査されて以下の事項が証明されるまで、第(4)項(a)号及び(b)号の作業を行わない。

  1. (a) 爆発物もしくは可燃性物質がないこと、かかる物質から発生するヒュームがないこと、またはかかる物質もしくはそれから発生するヒュームが非爆発物もしくは不燃性になったこと、及び

  2. (b) かかる作業のいずれを行うことも安全であること。

(6) 第(5)項の規定により資格ある者(competent person)の発行する証明書は、いつでも点検できるよう備えられていること。


(7) 局長(工場主任検査官)は、第(3)項及び第(4)項に定める要件の遵守が不必要または実行不可能であると認める場合には、書面による証明書を発行することにより、当該証明書に示す条件の下で、かかる要件の適用除外を認めることができる。


(8) 本条では、「タンク」にはそれにつくパイプ及びバルブ、ならびにその全装着部分及び付属品を含む。



36.

(1) 各蒸気ボイラーならびにその部品及び全用具と付属品は、良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、特許上の瑕疵がなく、適切に維持される。


(2) 各蒸気ボイラーは、個別のものか、一連のもののひとつであるかに拘わらず、
  1. 以下のものが設置されている。

    1. 適切な安全弁(いかなるストップバルブからも分離しているもの、およびストップバルブから独立することができないもの)、ボイラーが、最大許容作動圧力を超えて作動することを防止するように調整されており、ボイラーに直接付属しているか、実施可能な限りに接近しているもの。

    2. ボイラーをスチーム・パイプに接続する、適切なストップバルブ。

    3. 蒸気スペースに接続しており、ボイラー担当者が容易に見ることのできる、正確なスチーム圧力ゲージ。ボイラー内のスチーム圧力を表示するもの、または最大許容作動圧力が明瞭な色でが記されているもの。

    4. 少なくとも1個の、透明な素材またはその他局長(工場主任検査官)により認められた形の水量ゲージで、ボイラー内の水量レベルを示すもの。ただし、同ゲージがガラスの管状で、ボイラーの中の作動圧力が通常平方メートル当たり275キロ・ニュートンを超える場合には、当該ゲージには効果的な保護具を備えるが、ゲージ目盛りの読みを阻害してはならない。
    5. 2個またはそれ以上のボイラーのひとつである場合には、容易に読み取ることのできる明瞭な番号の表示板。

  2. テスト・プレッシャーゲージを取り付ける手段が備わっている

  3. 適切な溶融プラグ(fusible plug)または効果的な低水量警告装置(デバイス)が備わっている。


(3) エコノマイザーについては第(2)項(2)(ii)号、エコノマイザーまたはスーパーヒーターについては第(2)項(a)(iii)号、(iv)号及び(v)号、第(2)項(b)号、及び第(2)項(c)号は、適用されない。


(4) 第(2)項の目的のためには、レバーバルブは適切な安全バルブと見なされない。


(5) いかなるボイラーも、本法の下で制定される規則により発行される資格証明書の所持者によらずして、またはかかる所持者の管理の下になくして、操作されない。


(6) いかなる者も、2個またはそれ以上のボイラー系列のひとつである蒸気ボイラーに入ること、もしくは入っていることはできない。ただし、以下の場合を除く。

  1. 他の部分から当該ボイラーの中に蒸気または熱湯が進入する全ての注入口が、当該部分と接続されていない場合、または

  2. かかる流入をコントロールする全ての弁または栓が閉じられ、確実に施錠され、かつ、ボイラーに他のひとつ以上のボイラーと共通な吹き出し管(blow-off pipe)もしくは共通のブローオフ容器(blow-off vessel)もしくは水溜めがつながっている場合で、それぞれのボイラーの吹き出し弁(blow-off valve)または栓をキー(鍵)で開けることができ、キーが弁または栓を閉じるまで抜くことができない構造であり、またいくつかの吹き出し弁または栓の一組に使われる唯一のキーである場合。

(7) ボイラー炉またはボイラー炎管では、被雇用者にとって作業を安全にするため、換気またはその他の方法により十分に冷却されていない間は、いかなる作業もこれを行ってはならない。


(8) いずれの蒸気ボイラーならびにその全ての用具及び付属品も、少なくとも12ヶ月に1回または大規模な修理の後に、認定されたボイラー検査官により綿密な検査を受ける。ただし認定されたボイラー検査官は、自己の裁量により、当該12ヶ月期間が経過した後1ヶ月以内の期間までに検査を行うことができる。


(9) 局長(工場主任検査官)は、適切と見なす場合には、書面による証明書を発行することにより、当該証明書に示す条件の下で、第(8)項に定める検査を行わなければならない期間について、12ヶ月を超える期間を認めることができる。


(10) 第(8)項に定める要件による検査は、第一に、低温状態にあるボイラーで、その内側及び外側が規定された方法により準備されているものの検査とし、第二に、通常の蒸気圧力にあるボイラーの検査(ただし、エコノマイザーまたはスーパーヒーターの場合を除く)とする。通常の蒸気圧力におけるボイラー検査は、低温状態でのボイラー検査の後できるだけ早く行い、検査官は、ボイラーが最大許可作動圧力より高い圧力で作動することを防止するように安全バルブが調整されていることを調べる。


(11) かかる検査の各回の結果報告書には、規定の書式により規定の事項(最大許容作動圧力及び、ボイラーの安全作動のために必要なその他の条件を含む)を記載し、できるだけ早く、ただし遅くとも検査後28日以内に、検査を行った者が2部作成する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は局長(工場主任検査官)に送付する。


(12) 検査報告書に関する第(11)項ないし第(15)項の目的のために、低温状態でのボイラー検査と通常の蒸気圧力におけるボイラー検査は、これを別個の検査として取り扱う。


(13) 従前に使用されたことがある蒸気ボイラーは、いかなる工場においても第(8)項ないし第(11)項の規定に準じて検査及び報告されるまで、初めて使用されることはない。新品の蒸気ボイラーは、局長(工場主任検査官)から証明書(ボイラーの最大許容作動圧力が示され、当該ボイラー及び用具が受けた試験の性質を記してあるもの)を入手し、当該証明書が点検できるように備えられており、また当該証明書に関連するとの識別が可能な印がボイラーに付されるまで、使用されない。


(14) 本条の規定による検査報告書に、蒸気ボイラーの安全な作動を確保するための条件が記されている場合には、当該ボイラーはその条件を遵守せずに使用されない。


(15) 本条の目的のため、認定ボイラー検査官(検査官である)による蒸気ボイラー検査を受けることを希望する者、または認定ボイラー検査官(検査官である)から第(13)項に規定する証明書の入手を希望する者は、局長(工場主任検査官)にその旨を届け出るものとし、局長(工場主任検査官)は、かかる者が規定の料金を支払った後、検査を実施すること、または必要な試験を実施すること(証明書発行を目的とする)を認定ボイラー検査官に命じる。


(16) 本条は、蒸気機関車のボイラーで、マレー鉄道の所有物であるもの、またはこれが使用しているものには適用しない。



37.

(1) 各蒸気溜めならびにその部品及び用具は、良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、特許上の瑕疵がなく、適切に維持される。


(2) 蒸気溜めで、ボイラーの最大許容作動圧力、または蒸気溜めと何らかの供給源を結ぶパイプに得られる最大圧力に耐えるよう製造、維持されていないものには、以下のものを装備する。

  1. 蒸気溜めの安全作動圧力を超過することを防止するための、減圧バルブまたはその他の適切な自動装置。

  2. 安全作動圧力を超過した場合に、できるだけ早く蒸気を逃がすように調整されている適切な安全バルブ、または、できるだけ早く自動的に蒸気の供給を切断する適切な装置。

  3. 正確な蒸気圧力ゲージ(蒸気溜め内の蒸気圧力を表示するもの)

  4. 適切なストップバルブ、及び

  5. 蒸気溜めが1個のみ使用されている場合を除き、識別番号を容易に読み取れるように示した表示板。

また、安全バルブと圧力ゲージは、蒸気溜め、または、蒸気溜めと減圧バルブもしくは安全な作動圧力の超過を防止するその他の装置との間にある供給パイプのいずれかに装備する。


(3) 第(e)号を除く第(2)項の目的のために、単一のパイプで蒸気が供給され単一の機械の一部を構成する1組の蒸気溜めは、1個の蒸気溜めとして取り扱うことができ、第(d)号及び第(e)号を除く同項の目的のために、単一のパイプで蒸気が供給されるこの他の蒸気溜めの組は、1個の蒸気溜めとして取り扱うことができる。ただし、本項は、減圧バルブまたは安全な作動圧力の超過を防止するその他の装置が、かかる単一パイプ上に設置されてない場合には、当該1組の蒸気溜めには適用されない。


(4) 各蒸気溜め及び全ての用具は、蒸気溜めの構造により許容される限り少なくとも24ヶ月に1度、認定されたボイラー検査官により綿密な検査を受ける。


(5) 局長(工場主任検査官)は、適切と見なす場合には、書面による証明書を発行することにより、当該証明書に示す条件の下で、第(4)項に定める検査を行わなければならない期間について、24ヶ月に期間を認めることができる。


(6) かかる検査の各回の結果報告書には、規定の書式により規定の事項(安全な作動圧力の事項を含む)を記載して2部作成し、検査を行った者が署名する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は局長(工場主任検査官)に送付する。


(7) 従前に使用されたことがある蒸気溜めは、いかなる工場においても第(4)項及び第(6)項の規定に準じて検査及び報告されるまで、初めて使用されることはない。新品の蒸気溜めは、局長(工場主任検査官)から証明書(蒸気溜めの安全作動圧力が示され、当該蒸気溜め及び用具が受けた試験の性質を記したもの)を入手し、当該証明書が点検できるように備えられており、また当該証明書に関連するとの識別が可能な印が蒸気溜めに付されるまで、使用されない。


(8) 本条の目的のため、認定ボイラー検査官(検査官である)による蒸気溜め検査を受けることを希望する者、または認定ボイラー検査官(検査官である)から第(7)項に規定する証明書の入手を希望する者は、局長(工場主任検査官)にその旨を届け出るものとし、局長(工場主任検査官)は、かかる者が規定の料金を支払った後、検査または試験(いずれか該当するもの)の実施を認定ボイラー検査官に命じる。


(9) いずれの蒸気コンテナも、常時放出口が開いており障害がないように維持される。



38.

(1) 鋳鉄下方燃焼式加硫装置ならびに、その全ての用具及び付属品は、良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、特許上の瑕疵がなく、適切に維持される。


(2) 鋳鉄下方燃焼式加硫装置には、次のものが取り付けられている。

  1. 適切な安全バルブ(いかなるストップバルブからも分離しているもの、およびストップバルブと一体になっているもの)。加硫装置が、最大許容作動圧力を超えて作動することを防止するように調整されており、加硫装置に直接付属しているか、実施可能な限りに近接しているもの。

  2. 蒸気スペースに接続しており、容易に読み取ることのできる、正確な蒸気圧力ゲージ。加硫装置内の蒸気圧力を表示するもの、または最大許容作動圧力が明瞭な色で記されているもの。

  3. 1個の、透明な素材またはその他局長(工場主任検査官)により認められた形水量ゲージで、加硫装置内の水量レベルを示すもの。ただし、当該ゲージがガラスの管状で、加硫装置の中の作動圧力が通常平方メートル当たり275キロ・ニュートンを超える場合には、当該ゲージには効果的な保護具を備えるが、ゲージ目盛りの読みを阻害してはならない。

  4. 同一構内で2個またはそれ以上の加硫装置が使用される場合、容易に読み取ることのできる明瞭な番号の表示板。

(3) 鋳鉄下方燃焼式加硫装置の作動圧力は、平方メートル当たり413キロ・ニュートンを超えない。


(4) いかなる鋳鉄下方燃焼式加硫装置も、別の加硫装置、または加硫装置の外部にある他の蒸気溜めに蒸気を供給するために使用してはならない。


(5) いずれの鋳鉄下方燃焼式加硫装置ならびにその全ての用具及び付属品も、少なくとも12ヶ月に1回または大規模な修理の後に、認定されたボイラー検査官により綿密な検査を受ける。ただし認定されたボイラー検査官は、自己の裁量により、当該12ヶ月期間が経過した後1ヶ月以内の期間までに検査を行うことができる。


(6) 第(5)項に定める要件による検査は、第一に、低温状態にある加硫装置の検査とし、第二に、通常の蒸気圧力にあるボイラーの検査とする。通常の蒸気圧力における加硫装置検査は、冷たい状態での加硫装置検査の後できるだけ早く行い、検査官は、加硫装置が最大許可作動圧力より高い圧力で作動することを防止するように安全バルブが調整されていることを調べる。


(7) かかる検査の各回の結果報告書には、できるだけ早く、ただし遅くとも検査後7日以内に、規定の書式により2部作成し、検査を行った者が署名する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は局長(工場主任検査官)に送付する。


(8) 従前に使用されたことがある鋳鉄下方燃焼式加硫装置は、いかなる工場においても第(5)項ないし第(7)項の規定に準じて検査及び報告されるまで、初めて使用されることはない。新品の鋳鉄下方燃焼式加硫装置は、局長(工場主任検査官)から証明書(加硫装置の最大許容作動圧力が示され、当該加硫装置及び用具が受けた試験の性質を記してあるもの)を入手し、当該証明書が点検できるように備えられており、また当該証明書に関連するとの識別が可能な印が加硫装置に付されるまで、使用されない。


(9) 本条の規定による検査報告書に、鋳鉄下方燃焼式加硫装置の安全な作動を確保するための条件が記されている場合には、当該加硫装置はその条件を遵守せずに使用されることはなく、最大許容作動圧力は、平方メートル当たり413キロ・ニュートンを超えることはない。


(10) 本条の目的のため、検査官である認定ボイラー検査官による鋳鉄下方燃焼式加硫装置検査を受けることを希望する者、または第(8)項に規定する証明書を入手するため、検査官である認定ボイラー検査官により必要な試験の実施を希望する者は、局長(工場主任検査官)にその旨を届け出るものとし、局長(工場主任検査官)は、かかる者が規定の料金を支払った後、検査または試験(いずれか該当するもの)の実施を認定ボイラー検査官に命じる。



39.

(1) いずれの空気溜め及びその用具も、良好な構造を持ち、適切に維持される。


(2) いずれの空気溜めも以下の条件を遵守する。

  1. その上に、安全作動圧力が、明確に読み取れるよう記されていること。

  2. 空気溜めが空気圧搾プラントに接続されている場合には、コンプレッサーで得られる最大圧力に安全に耐えるよう製造されていること、または、適切な減圧バルブもしくは空気溜め安全作動圧力の超過を防止するためのその他の適切な装置を装備していること。

  3. 安全作動圧力を超過した場合に、できるだけ早く空気を逃がすように調整されている適切な安全バルブを装備していること。

  4. 空気溜め内の圧力を表示する正確な圧力ゲージを装備していること。

  5. 空気溜めを排水するための適切な装置を装備していること(固体または液体の物質が貯えられ、圧搾空気により強制される空気溜めを除く)。

  6. 内部を綿密に清掃することができる適切なマンホール、ハンドホールまたはその他の手段を備えていること。

  7. 工場内で2個以上の空気溜めが使用される場合には、容易に読み取ることができる識別記号を表示していること。

(3) 安全バルブ及び圧力ゲージに関する第(2)項の目的のために、単一のパイプにより空気が供給される1組の空気溜めは、1個の空気溜めとして取り扱うことができる。ただし、適切な減圧バルブまたは安全作動圧力の超過を防止するためにその他の適切な装置の装備が必要な場合には、バルブまたは装置が当該単一パイプ上に装備されていない場合には、本項は適用されない。


(4) 各空気溜めは、少なくとも24ヶ月に一度綿密な清掃及び検査を受ける。ただし、引抜き構造の空気溜めで内部表面が綿密に検査できない構造である場合には、内部検査に代えて空気溜めの適切な水圧試験を行う。


(5) 局長(工場主任検査官)は、適切と見なす場合には、書面による証明書を発行することにより、当該証明書に示す条件の下で、第(4)項に定める検査を行わなければならない期間について、24ヶ月を超える期間を認めることができる。


(6) 第(4)項に規定する検査は、認定されたボイラー検査官が行い、かかる検査の各回の結果報告書は、規定の書式により規定の事項(安全な作動圧力の事項を含む)を記載して2部作成し、検査を行った者が署名する。当該報告書の1部は工場の占有者に手渡し、他の1部は局長(工場主任検査官)に送付する。


(7) 従前に使用されたことがある空気溜めは、いかなる工場においても第(6)項の規定に準じて検査及び報告されるまで、初めて使用されることはない。新品の空気溜めは、局長(工場主任検査官)から証明書(空気溜めの安全作動圧力が示され、当該空気溜め及び用具が受けた試験の性質を記してあるもの)を入手し、当該証明書が点検できるように備えられており、また当該証明書に関連するとの識別が可能な印が空気溜めに付されるまで、使用されない。


(8) 本条の目的のため、認定ボイラー検査官(検査官である)による空気溜め検査を受けることを希望する工場占有者は、局長(工場主任検査官)にその旨を届け出るものとし、局長(工場主任検査官)は、かかる者が規定の料金を支払った後、検査の実施を認定ボイラー検査官に命じる。


(9) いかなる空気溜めも、内燃機関のシリンダーから充填してはならない。



40. (1) 従前に使用されたことがある冷凍・冷蔵装置の圧力溜めは、認定されたボイラー検査官により検査及び報告されるまで、いかなる工場においても初めて使用されることはない。新品の冷却装置圧力溜めは、局長(工場主任検査官)から証明書(圧力レシーバーの最大許容作動圧力が示され、当該圧力レシーバー及び用具が受けた試験の性質を記してあるもの)を入手し、当該証明書が点検できるように備えられており、また当該証明書に関連するとの識別が可能な印が圧力レシーバーに付されるまで、使用されない。


(2) 本条の目的のため、認定ボイラー検査官(検査官である)による冷凍・冷蔵装置の圧力溜めの検査または試験を受けることを希望する工場占有者は、局長(工場主任検査官)にその旨を届け出るものとし、局長(工場主任検査官)は、かかる者が規定の料金を支払った後、検査の実施を認定ボイラー検査官に命じる。



41. 腐食性、毒性、爆発性または可燃性の物質を含有する各圧力容器ならびにその各部品、及び全ての用具と付属品は、良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、特許上の瑕疵がなく、適切に維持される。



42. 蒸気、空気、冷媒または腐食性、毒性、爆発性もしくは可燃性の物質を移動するために用いられる各パイプライン、ポンプ、コンプレッサー及びその他の機器(equipment)、ならびにその各部品、及び全ての用具と付属品は、良好な構造を持ち、適切な材料を使用し、十分な強度を有し、特許上の瑕疵がなく、適切に維持される。



43. 大臣は、当該規定の適用が妥当でないと認める場合には、官報に公告して命令を発することにより、何らかの種類または型の圧力容器について第36条、37条、38条、39条、及び40条の規定の適用を除外することができる。かかる適用除外には、無条件とすること、または当該命令に示す条件を付することができる。



44.

(1) 全てのガス・プラントは、良好な構造を持ち、適切に維持される。


(2) 大臣は、官報に公告して規則(使用することができるガス・プラントの性質、ならびに全てのガス・プラントまたはいずれかの型のガス・プラントで使用することができる用具及びパイプの型を指定するもの)を制定することができ、かかる規則の中で、ガス・プラントの検査についての規定及び、当該規則のかかる規定に反した場合またはこれを遵守しない場合に当該プラントの使用を禁じる規定を定めることができる。


(3) 第102条第(2)項及び(3)項は、本条に定める規則に適用する。


(4) 本条では、

「ガス」には、気体の状態または液体の状態に関わらず、いかなるガスも含む。

「ガス・プラント」とは、ガスの製造及び貯蔵のための機械装置(機械、器具または機械を意味し、ガスを、使用される場所に移動するために用いられるパイプ及び装置を含む。)


(5) 貯蔵能力を25立方メートル以上有する水密性ガスタンク(gasholder)は、少なくとも2年に1度、資格を有する者による綿密な外部検査を受け、各回の検査について定められる事項を掲載する記録を登録簿に記入または添付する。


(6) いかなるガスタンクも修理または取壊しする場合には、かかる作業を監督する資格を有する者(爆発の危険についての必要な防止策及び、ガスの影響を被った人の取扱いについて、研修を受け、経験を積み、知識を有する者)の直接の監督の下で行う。


(7) いかなるガスの充填を行う場合にも、かかる作業を監督する資格を有する者(いかなる危険についても必要な防止策について、研修を受け、経験を積み、知識を有する者)の直接の監督の下で行う。


(8) 腐食性ガス用のガスボンベ(gas cylinder)には、少なくとも2年に1度、資格を有する者による検査または試験を受けない限り、ガスを充填してはならず、また、その他のガス用のガスボンベ(gas cylinder)には、少なくとも5年に1度、資格を有する者による検査または試験を受けない限り、ガスを充填してはならない。さらに、かかる検査または試験の結果は登録簿に記載され、検査官の検査のために保管されなければならない。



45. 圧力容器の補修を不適切に行うと危険な結果が生じる恐れのある場合には、局長(工場主任検査官)による書面による事前承認を得ることなしに当該圧力容器の補修を行ってはならない。



46.

(1) 熱源または着火源は、これを可燃性資材または可燃ガスもしくは蒸気を発生させる工程から分離するため、あらゆる実際的な手段を取る。

(2) いずれの工場でも、火災を消火する手段(それぞれのケースの状況に照らして十分かつ適切であるもの)を備え、即座に利用できるように維持されなければならない。

(3) 第(2)項に規定する火災を消火する手段は、資格ある者が定期的な間隔をおいて試験を行う。



47.

(1) いずれの工場でも、火災が発生した場合に被雇用者が避難する手段(それぞれのケースの状況に照らして妥当に必要とされるもの)を備える。


(2) 前項の規定による避難手段は、障害がないよう適切に維持される。


(3) 人が雇用されている部屋内は、火災の生じた場合に部屋にいる全被雇用者の避難手段となる障害のない通路があるように、配備または配置する。


(4) 人が雇用の目的で工場内にいる場合には、工場のドア及び人が中にいる部屋のドア、ならびに工場が位置している建物または囲いから工場内の被雇用者が外に出る手段となるドアは、内側から容易かつ即座に開けることができない方法で施錠もしくは締結してはならない。


(5) いずれの工場でも、中に雇用されている人が工場から外に出る手段となる全てのドアは、外開き構造になっている。ただし、スライディングドアの場合を除く。


(6) 窓、ドアまたは、火災が発生した場合に避難もしくは進入の手段となるその他の出入口(通常に使用する出入口を除く)には、工場で被雇用者の理解する言語により、十分な大きさの赤い文字で注意文言が明瞭かつ顕著に記される。


(7) いずれの工場でも、火災が発生した場合の避難手段及びその使用方法ならびに火災が発生した場合に遵守すべき措置手順について全ての者が習熟するよう、効果的な手段を取る。


(8) いずれの工場でも、火災が発生した場合に工場全域で明瞭に聞き取ることのできる効果的な警報装置(デバイス)(いかなる者にも不要な危険を生じることなく操作できるもの)を設置、維持し、少なくとも1ヶ月に1度試験を行うこと。



48.

(1) 局長(工場主任検査官)が、工場内の通路、製作所、機械、または機械装置(プラント)の一部を使用することにより危険が生じる差し迫った恐れがあると認める場合には、書面により工場の占有者宛てに命令を発して、かかる危険が除かれた旨検査官が認めるまでの間、その使用を禁じることができる。


(2) 本条の規定により局長(工場主任検査官)から命令を受けた者は、かかる命令の後30日以内に大臣に申立てを行うことができる。大臣の決定は、これを最終とする。


(3) 工場の占有者は、本条の規定により合法的に発せられた命令を遵守しない場合には法令違反に当たり、これに5,000ドル以下の罰金もしくは6ヶ月以下の禁固またはその両者を科し、これによりこの他科されるべき罰則が免除されることはない。判決の対象になった違反が判決後も継続する場合にはさらなる法令違反とし、違反が継続する1日当たり500ドル以下の罰金もしくは7日以下の禁固またはその両者を科す。



49.

(1) 局長(工場主任検査官)が以下のいずれかの点を認める場合には、

  1. 工場または工場の一部で、被雇用者の安全、健康もしくは福祉について然るべく留意して工程もしくは業務を行うことができない状況または配置があること。または

  2. いずれの工場でも、身体に損傷を発生させる危険を生じる方法によって、工程もしくは業務が行われていること、または何ごとかが行われることもしくは行われたこと。

命令を発することにより、被雇用者の安全、健康もしくは福祉について然るべく留意して工程もしくは業務を行うことができるよう、危険を除去するために当該命令に示される手段を取ること、または永久にもしくは当該命令に示される手段が取られるまでの期間、工程または業務の実行を直ちに停止することを、工場の占有者に対して命じることができる。


(2) 工場の占有者が第(1)項の規定による命令を遵守しない場合には法令違反に当たり、これに10,000ドル以下の罰金もしくは6ヶ月以下の禁固もしくはその両者を科するものとし、違反が継続する場合には、判決の後に違反が継続している1日について1,000ドル以下の罰金を科する。


(3) 工場の占有者が第(1)項の規定による命令を遵守しない場合には、局長(工場主任検査官)は妥当な時にはいつでも工場の施設内に立ち入ることができ、当該命令を遵守するための措置を取り業務を行うことができる。検査に生じた費用及び経費は、工場占有者が政府に支払うべき債務として取り戻すことができる。



50.

(1) 第49条の規定により局長(工場主任検査官)が発する命令を受けた者は、命令の後14日以内に大臣に申立てを行うことができる。大臣は、当該命令を撤回または変更することができる。


(2) 第(1)項の規定により申立てが行われた場合も、申立て人は、申立ての結果が下されるまでの間命令を遵守しなくてはならず、局長(工場主任検査官)は第49条第(3)項に示される権限を行使することができる。



51.

(1) 以下の場合には、

  1. 工場内で事故が発生した場合で、

    1. 工場内で被雇用者が死亡した場合。
    2. 人が傷害を受けて、雇用されていた業務により得るべき賃金の全額が得られない期間が、3日を超える場合。
    3. 人に傷害を発生させて、経過観察または治療のために24時間以上の入院を要することになった場合、または

  2. 工場内で危険が発生した場合

     
    工場の占有者は、付表第9に定める書式による書面で局長(工場主任検査官)宛て直ちにその届出を行う。


(2) 雇用された者が事故または危険の発生の被害を被り、工場の占有者が、死亡した者もしくは傷害を負った者の実際の雇用者でない場合には、工場の占有者に代わり実際の雇用者が、付表第9に定める書式による書面で局長(工場主任検査官)宛て直ちにその届出をなす。


(3) 本条の規定により傷害を発生させた事故の届出がなされ、かかる届出の後に傷害を負った者が死亡した場合には、工場の占有者またはその者の雇用者(いずれか該当するもの)は、死亡の事実を知った後できるだけ早く、局長(工場主任検査官)宛て書面による死亡の届出をなす。



52.

(1) 局長(工場主任検査官)は、事故の届出を受領し、必要であると認める場合には、検査官を事故の発生地点に派遣し、状況の予備調査を行い、当該調査の結果を書面に記録するように命じることができる。


(2) 危険の発生の届出を受領した場合には、検査官は危険の発生地点に立入り、状況の予備調査を行い、当該調査の結果を書面に記録する。



53.

(1) 人の死亡事故または危険発生の場合には、その原因になった可能性のある、いかなる機械、機器(equipment)、機械装置(プラント)または物品も、局長(工場主任検査官)の同意なくして変更もしくは追加を行ってはならず、局長(工場主任検査官)の同意なくして死亡事故または危険発生の現場を変更もしくは追加してはならない。ただし、救助活動または生命及び財産の全般的な安全に必要な作業を阻害する結果になる場合を除く。


(2) 占有者が傷害を負った者もしくは死亡した者の雇用者でない場合には、第(1)項の規定による変更または追加は、工場の占有者が行ったと推定する。ただし、これと異なることが証明された場合を除く。



54.

(1) 局長(工場主任検査官)は、第52条の規定により行われた調査の結果、望ましいと認める場合には、事故または危険発生の全容報告書(full report)を大臣に提出するものとし、大臣は、必要と認める場合には、治安判事(Magistrate)に対し、大臣の指名する1名以上の陪席判事(assessor)とともに、工場内での事故または危険の発生、ならびにその原因及び状況の調査を行うように命じることができ、かかる調査について本条の第(2)項ないし第(7)項の規定は効力を有する。


(2) 治安判事及び指名された陪席判事は、事故または危険発生の原因及び状況の確定、ならびに本条で規定される報告書作成を可能とするために最も適切と見なす方法及び状態の公開法廷(open court)で、調査を行う。


(3) 治安判事及び陪席判事は、調査の目的のため本法の下で違反を審理する場合には、治安判事裁判所の全ての権限、及び本法の規定による検査官の全ての権限ならびに、以下の権限を有する。

  1. (a) いかなる場所または建物にも立入り、検査する権限(立入り及び検査が調査の目的のために必要と見なされる場合)。

  2. (b) 治安判事が署名する召喚状を発することにより、治安判事及び陪席判事が召喚及び調査が適切と見なす全ての者に対して、出席を要請し、適切と認める質問への回答もしくは反論を要請する権限。

  3. (c) 治安判事及び陪席判事が調査の目的のために重要であると見なす全ての書物、書類及び文書の作成を要請する権利。(及び)

  4. (d) 宣誓を執行し、調査対象の者がなす言明について真実の宣言を行い、これに署名することを要請する権限。

(4) 治安判事及び陪席判事は、事故または危険発生の原因及び状況を記した報告書を、治安判事及び陪席判事が正しいと考える見解を付け加えて、大臣に宛てて作成し、治安判事が、事故または危険発生に関連していずれかの者に対して刑事訴訟手続きを開始すべきとの意見である場合には、治安判事は、同報告書の写し1部を検察官(Public Prosecutor)にも送達する。


(5) いかなる者も、妥当な事由なくして(その証明責任は、当該者に存する)、治安判事による召喚、命令もしくは要求を遵守しない場合、または治安判事及び陪席判事の職務遂行を妨害もしくは阻止した場合には法令違反に当たり、2,000ドル以下の罰金に処する。


(6) 大臣は、適切と認める時期と方法で、治安判事及び陪席判事による報告書を公開することができる。


(7) 局長(工場主任検査官)は、本条の規定による調査及びそれに続く刑事訴訟手続きが終わるまでの間、資格証明書の効力を中断させることができ、その対象の者は、効力中断期間にその資格証明書を局長(工場主任検査官)に引渡すものとし、いかなる蒸気ボイラーの管理も行わない。裁判所または、本条の規定による調査結果により大臣は、裁判所または大臣(該当するもの)が適切と認める期間、いかなる者の資格証明書の効力を中断し、または取消すことができ、本項の規定により資格証明書の効力を中断または取消された者は、かかる効力中断または取消期間中は、いかなる蒸気ボイラーの管理も行うことはできない。




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