第74回(平成27年度)全国産業安全衛生大会2015 in 名古屋

安全衛生教育分科会

【会場】
名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)〔名古屋市千種区吹上2-6-3〕
【交通】
地下鉄桜通線「吹上駅」下車5番出口徒歩5分

 

10月29日(木)プログラム(9時00分開場)

9時30分
(1)体験教育への期待と重要性について
日本貨物鉄道(株)北海道支社 札幌機関区+苗穂車両所
車両技術係
大八木 健太
労働災害の発生しづらい職場づくりを目指し、これまでの机上教育と実地教育に加え、災害の怖さを身を持って経験し危険に対する感受性を高める効果を期待した体験道場を開設した。新入社員はじめ多くの社員が経験したことで、これまで長期間に亘り労働災害の発生はない。
9時50分
(2)映像ツール活用によるOJT安全教育について
(株)本田技術研究所四輪R&Dセンター
管理室安全衛生課 研究員
林田 雅文
現場におけるキーマンだった団塊の世代の退職により、各職場で安全意識の低下が懸案となってきた。これに対し現場OJTで実施できる映像による短時間安全教育に取り組んだ。これにより現場の安全性の向上や安全な作業の基準の一律化が図られた。今後はこの定着を図り労働災害防止を進める。
10時10分
(3)安全を最優先とする風土醸成への教育・訓練対応の果敢な挑戦
(株)村田製作所野洲事業所 コンポーネント事業本部
第1コンデンサ事業部 電極材料製造部製造1課
安全衛生・防災・環境事務局
山田 清広
当事業所は危険物製造所棟があり、一見小さく見えるリスクでも重大な災害を起こす危険性がある。平成21年度からリスク除去を徹底して行うために自作教育用動画の作成、先進取組みを行っている企業の活動を基に対応展開を図り許容できるリスクまで低減した事例を発表する。

10時30分〜10時40分 休憩

10時40分
(4)ヒヤリハットに着目した声掛け活性化による労災撲滅に向けた研究
東海旅客鉄道(株)新幹線鉄道事業本部 三島保線所
施設技術係
梅原 宏太
労災発生要因の大半を占める本人の不注意による労災を防ぐために有効な声掛けの活性化について研究した。施工会社の優良事例や作業員の声の分析から、ヒヤリハットに着目することで、実践的で効果の高い声掛けが誰でもできることを明らかにし、声掛けの取組みの普及と定着を図った。

講演

11時00分
全員参加型の安全衛生教育─安全に強い職場づくり─
(株)IK安全サポート
代表取締役
小出 勲夫
災害ゼロを目指す安全に強い職場を構築するには、階層別教育にとどまらず、経営トップから働く人一人ひとりが参加する全員参加型教育が必要である。

12時00分〜13時00分 昼休み

13時00分
(5)発生した労働災害を疑似体験することで、肌で感じるとる安全体感学習
東日本旅客鉄道(株)秋田支社 秋田総合車両センター
車両技術主任
沢田石 正彦
大量退職が進む中、若い世代に引き継がなければならない安全の「かんどころ」を学習するため、安全体験コーナーを開設した。内容は、実際に使用した各種保護具を展示したり、過去に発生した労働災害を疑似体験することで具体的で分かりやすく、マニュアル以上の効果が期待できる。
13時20分
(6)安全衛生教育・能力向上教育への取組みについて
旭硝子(株)鹿島工場
ガラス部 安全専任者
安藤 勝則
機械安全RAや化学物質管理等を進めるだけでは、労働災害はなくならない。危険有害業務に携わる作業者への安全衛生教育、管理者等への能力向上教育を継続的に行い、安全衛生レベルを向上させていく必要がある。安全衛生教育等の管理システムを構築し、浸透してきた内容を紹介する。
13時40分
(7)過去に発生した労働災害の模擬体験訓練について
西武鉄道(株)工務部 保谷保線所
副所長
白井 貴之

類似災害の再発防止教育として、過去に発生した災害事例の振返りを実施しているが、作業に潜む本当の危険を伝えるには机上の教育だけでは限界がある。そこで災害の模擬体験訓練という、よりリアリティを持った教育方法を実施し、安全意識向上を図った取組みについて紹介する。

14時00分
(8)安全道場による安全衛生教育の推進
日清紡ブレーキ(株)館林事業所
戦略室 安全衛生・環境管理課 課長
飯塚 由喜夫
当事業所の安全道場は、挟まれ、巻き込まれ、腰痛、5S、RA等13テーマの教育屋台で構成され、全従業員を対象に教育を行うものである。参加型教育、危険体感教育の採用や冷蔵庫や洗濯機など身近なものを題材にすることで、分かりやすく、効果的な教育を実現した。

14時20分〜14時30分 休憩

14時30分
(9)事故の芽を摘んで摘みまくる!
九州旅客鉄道(株)大分車掌センター
車掌
江藤 翔平
当センターでは無事故を継続しているが、事故に結びつく可能性のある事象も数件発生している。「事故の芽」をなくすため、職場で製作した車掌用シミュレーターを使用した停止位置不良発生時の対応方法の習得などの取組みを行っており、これら取組み内容を報告する。
14時50分
(10)ヒューマンエラー災害防止の安全教育活動の工夫
豊和工業(株)
技術部 部長
近藤 和宏
ヒューマンエラー災害防止のため市販ビデオや安全教育本等を用いて安全意識の向上を図ってきたが、災害件数の減少には至っていない。教育効果が低い原因は、教育内容に親近感がないことと画面を見ての平面的教育で実感がないとのことから作業風景を寸劇で演じる等教育方法を見直した。
15時10分
(11)リスクアセスメントを幹とした職長教育
中部RSTトレーナー研究会親 正幸
平成12年5月から社内教育していたRST職長教育を、平成18年12月からは「リスクアセスメントを幹とした職長教育」として実施した。概略は以下の通りである。①RA重点の職長教育、②RA利用の職長能力向上教育、③事故・災害発生時の職長集合教育。
15時30分
(12)10年目の職長教育、能力向上教育(職長再教育)の実施による安全衛生活動の強化
コクヨエンジニアリング&テクノロジー(株)
安全衛生品質保証部 RSTトレーナー
木村 征司
職長教育をスタートして10年目を迎えた。5年目に一度発表したが、その後、職長教育修了5年を経過する者を対象に「能力向上教育(再教育)」に取り組み、現場力の強化を図り、安全衛生活動に対する意識改革を押し進めている。今では職長による自主的な活動も始まってきた。

15時50分〜16時00分 休憩

16時00分
(13)「中部RSTトレーナー研究会」の取組みとRST・安全衛生担当者との全国的連携の提案
中部RSTトレーナー研究会 副会長
(名古屋通信工業(株)安全衛生管理部 次長)
今井 敏
「中部RSTトレーナー研究会」は2年前に設立された。RSTトレーナーの資質向上を図るため研究会を中心に活動をしている。個人会員が多く運営・活動面で苦労をしているが、今後は各地トレーナーとの連携、更に全国組織の再構築を図り、その活動の強化、活動領域の拡大を図りたい。
16時20分
(14)グループ会社と一体になった安全体感教育
東日本旅客鉄道(株)大宮総合車両センター
総務課 車両技術主務
原田 弘司
現在、当総合車両センターでは、ベテラン社員が大量退職し、若手社員も増えてきている中、経験不足で発生した労働災害が近年発生している。その解決策の一つとして、安全体感教育の活用が有効的であると考え、社員とグループ会社の社員が一体になった、安全体感の教育を行っている。

16時40分

 

10月30日(金)プログラム(9時00分開場)

9時30分
(15)事故「0」への挑戦─未来へ─
九州旅客鉄道(株)
運輸部 運用課
木下 孝行
新人運転士の知識不足・経験不足により発生する失敗を防ぐため、過去の教訓を伝え続ける勉強会のカリキュラムと仕組みを創った。大きな事故だけでなく、ヒヤリハットや体験談等を調査・収集して、新人が次の新人である後輩に伝え続けるのである。今年で10年となり、今も続いている。
9時50分
(16)リアル擬似体験─身をもって体験して、気づき、行動に変える事例─
トヨタ自動車東日本(株)岩手工場
車体部 プレス課 シニアエキスパート
吉田 賢昭
擬似体験道場を造り教育を実施していたが、災害はなくならなかった。そこで「リアル擬似体験」と題し、現地現物で実際の作業を基に擬似体験を実施し、安全意識向上と無災害につなげている。リアルな体験が一人ひとりの心を動かし、行動に変えていった取組事例を紹介する。
10時10分
(17)「T-CRM訓練」によるチームの業務遂行能力(現場力)の向上について
東北電力(株)火力原子力本部
原子力部(原子力技術訓練センター)
伊藤 広恵
当社原子力発電所で発生した事象の根本原因分析結果、コミュニケーションや状況認識スキルの欠如が顕著であったため、航空業界が考案したチームの業務遂行能力の向上を図るCRM訓練を当社(原子力)版に適合化して運用し、CRMスキルを職場で発揮することで現場力の向上を目指している。

10時30分〜10時40分 休憩

10時40分
(18)安全衛生活動のITツールの活用について
JFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)
安全衛生室 主任部員
國井 久男
ルール違反に対する意識調査を実施したところ、慢心手抜きが4割を占める結果となり、災害の怖さを身を持って感じさせる危険体感教育がマンネリ化していた。ITツールとVR技術・CGによる災害事例集を作成し、疑似体験をすることで体感したリスクへの感受性と理解度の向上を図った。
11時00分
(19)活線認定試験における技術力ならびに安全意識の向上
東日本旅客鉄道(株)新潟支社
新潟電力技術センター
羽倉 裕也
電力職場では高所作業において墜落事故が発生している。新入社員に安全帯・安全器具の使い方を基本から指導しているがまだまだ不慣れである。訓練内容の工夫や設備の改良を行った結果、高所での動作も上達しお互いに注意し合える風土ができ、職場全体に安全意識が高まった。
11時20分
(20)「知恵袋」の作成と活用─過去の失敗から学ぶ─
大鉄工業(株)大阪支店
鳳出張所
坂本 道泰
世代交代が激しい中で技術等を継承し、過去に発生したトラブルの再発防止を図るため、発生事象を記録として残し今後の教訓とする必要がある。今回、過去の発生事象を取りまとめ、技術等の勘所や事故等の経験に基づくベテラン等の声などを冊子化した「知恵袋」を作成したので紹介する。
11時40分
(21)“経験値をあげろ"未熟練作業者の危険予見力と結果回避力向上への取組み
(株)北川鉄工所
総務部 安全・環境推進課 係長
菅原 則昭
作業経験年数の浅い作業者の災害増加傾向に歯止めをかけるため、経験値の促成を主眼とした活動を推進している。主な取組みである災害現場見学説明会、危険体感教育、危険の見つけ方教育等の内容と安全衛生活動における位置づけについて紹介する。また今後の課題も考察する。

12時00分〜13時00分 昼休み

講演

13時00分
効果的な安全衛生教育について考える
 福成 雄三
企業で安全衛生教育を推進してきた経験を基に、安全衛生教育を効果的に進めるためのポイントとノウハウを紹介する。
14時00分
(22)重大災害を想定した救命救急訓練 ─ 一人でも尊い命を救うために─
日本貨物鉄道(株)東海支社
静岡総合鉄道部 助役
入井 大祐
当社では、自動体外式除細動器が事業所内に設置されているものの従業員のほとんどが扱えない状況にあり、急病人が発生した場合に対応できないことが危惧されていた。そこで従業員の発意から全従業員を対象に消防局が認定する救命講習を計画・実施し、修了証を全従業員に取得させた。

14時20分〜14時30分 休憩

14時30分
(23)労働災害防止と技術継承を目的とした実地訓練について
東武エンジニアリング(株)
杉戸電気区 助役
臼井 剛

当社では、急激に進む世代交代を背景に、近年若手社員の労働災害が増加傾向にあるため、同社員の技能向上や危険予知の感度向上が課題となっている。このため、新設した訓練施設を活用し、ベテラン社員を指導者とした怪我をしない・させないための勘どころを含めた実地教育を行っている。

14時50分
(24)衛生教育の到達目標としての衛生管理者試験の有用性について
(株)ブリヂストン那須工場
健康管理センター 保健師
橋 敬子
現場の衛生教育において、受講者自身が担当する業務と無関係な内容の場合、受講者の関心を維持することが難しく、効果的な教育方法について模索していた。今回、教育の現実的な目標として衛生管理者試験を用いることで、受講者のモチベーションを維持することができた。
15時10分
(25)労働無災害に向けた3つの取組み─全員で考動、実践─
北海道旅客鉄道(株)苫小牧運転所
検修・車両技術係
岡田 佑也
JR北海道では若手社員の労働災害が多発している中、当所では過去5年間発生していない。無災害継続は、「安全会議」による職場討議、「保護具セミナー」の展開、「労働災害再現DVD」の作成・視聴による教育により、職場全員が労働災害防止に努めているからである。
15時30分
(26)動画教材を活用した分かりやすい安全衛生教育の取組み
コニカミノルタ(株)東京サイト八王子
社会環境部 安全防災グループ 安全企画グループ
坂本 範雄
日常の歩行や階段昇降における災害、専門家の非定常作業における災害がなくならない。これらの被災行動を教訓として再現した動画教材を作成し、安全教育に活用した。従業員の危険感受性が向上し、類似災害も減少してきている。好評につき同様の災害が多い中国でも展開を開始した。

15時50分

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

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