欧州連合の労働安全衛生の状況−パイロット調査
はじめに
欧州連合(EU)の労働安全衛生状況監視システムの開発に役立つことを目的として、欧州安全衛生機構は、欧州連合全加盟国の労働安全衛生(OSH)の状況について、包括的な調査を行うことを決定した。目的は以下のとおりである。
■ 各加盟国の労働安全衛生の状況についての国別報告書の作成。
■ 15加盟国の報告書に基づくEU全体の労働安全衛生の状況に関する統合報告書の作成。
実行すべき作業量、目的達成に向けた課題の大きさは当初から認識されていた。パイロット調査の完了により、欧州連合の労働安全衛生の現状が一目で理解できるようになる。統合報告書の作成過程で、またそこで得られた教訓から、今後、欧州連合全体の労働安全衛生情報を定期的に更新する上で必要な事項も明らかになった。
この概要報告書は次の5章からなる。
■ 第1章の「はじめに」でパイロット調査の概要を示している。
■ 第2章では、利用したデータソースと調査方法を説明している。
■ 第3章では調査の主な結果を示している。具体的には、カギとなる点、新たな災害防止策の開発の必要性、危険性の高い産業、職業、性別とそれ以外の危険性、化学的/生物学的危険有害要因、そして新たに脅威となりつつある危険についてである。
■ 第4章では、パイロット調査の実施から得られた初期の教訓を明らかにしている。
■ 第5章では、パイロット調査に基づく暴露指標/労働安全衛生上の諸結果を欧州全体としてまとめている。
本概要報告書は、パイロット調査全体以下のように簡潔にまとめている。

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