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欧州連合の労働安全衛生の状況−パイロット調査

資料出所:European Agency for Safety and Health at Work発行
「The State of Occupational Safety and Health」
http://osha.europa.eu/publications/reports/#stateofoshsum
http://osha.europa.eu/publications/reports/404/en/summary_report.pdf
(PDF format in English)

(訳 国際安全衛生センター)


2.1 マニュアル

加盟国、欧州委員会、ユーロスタット、およびダブリン財団が指名した専門家グループが欧州安全衛生機構と協力し、加盟国からデータを集めるためのマニュアルの策定に取り組んだ。加盟国の事業場、仕事の内容、暴露の諸結果と防止対策を把握するために最適と思われる多数の個別指標を選定し、それらをマニュアルに組み込むことで、加盟国の労働環境をわかりやすく見えるようにした。マニュアルに組み込んだ暴露指標/安全衛生上の諸結果は以下の項目が含まれている。

■物理的環境:騒音、振動、高温、低温

■姿勢および動作の影響:重量物の持ち上げ/移動、反復的動作、疲れをさそう業姿勢

■化学的暴露:化学物質、発ガン性物質、神経毒性物質の取り扱い、生殖機能への危険有害要因

■生物学的要因への暴露

■心理社会的職場環境:高速での作業、社会的要求に支配される作業ペース、機械に支配される作業ペース、肉体的暴力、いじめと個人攻撃、セクシャルハラスメント、単調な作業

■安全衛生上の諸結果:3日を超える休業を伴なう労働災害、死亡災害、労働が原因の筋骨格系障害、ストレス、職業が原因の病休、職業から来る疾病

これらの個別指標に加え、労働の背景状況に関連して以下をはじめとする多数の質問を作成した。

■在宅勤務(在宅勤務者の概数と労働安全衛生上のポイント)

■有期契約労働者、派遣労働者、見習いまたは他の研修労働者、自営業者の労働条件に関する特別の懸念

■個人用保護具の使用

■労働におけるリスクについての情報提供

■事業者が提供すべき安全衛生に関する研修

マニュアルでは各フォーカル・ポイントに対し、国内の労働安全衛生システムによる防止体制について、組織構造の概要、労働監督官の数、予防的な労働安全衛生サービスの対象となる労働者の比率、労働安全衛生研修の年間受講者数の報告を求めた。

マニュアルを配布した後は、データ収集の具体的方法は各フォーカル・ポイントの決定に任せた。こうした方法をとったのは、加盟国によってデータ収集と照合の方法、手順が大きく異なっていることをフォーカル・ポイント自身が理解していたためである。

専門家委員会を組織してマニュアルを完成した国や、関連するデータ収集の専門家の意見をふまえて、個々のフォーカル・ポイントでマニュアルを完成した国もある。

マニュアルはCD-ROMに収録している。



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