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欧州連合の労働安全衛生の状況−パイロット調査

資料出所:European Agency for Safety and Health at Work発行
「The State of Occupational Safety and Health」
http://osha.europa.eu/publications/reports/#stateofoshsum
http://osha.europa.eu/publications/reports/404/en/summary_report.pdf
(PDF format in English)

(訳 国際安全衛生センター)

3.2 新たな防止策策定の必要性   

マニュアルで詳述した暴露指標/OSH上の諸結果のそれぞれについて、労働安全衛生への影響と、既存の対策が十分かどうかという面での現状評価をフォーカル・ポイントに要請した。以下の表では、新たな防止策を策定する必要があるとする回答数の多かった暴露指標/OSH上の諸結果を、順番に列挙した。

暴露指標/OSH上の諸結果

 

新たな防止策策定の必要があると指摘したフォーカル・ポイントの数

物理的影響

   

振動

9

オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、イギリス

騒音

7

ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、イギリス

低温

7

オーストリア、ベルギー、フィンランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン

高温

6

ベルギー、フィンランド、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペイン

姿勢および動作の影響

   

重量物の持ち上げ/移動

9

オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イギリス

反復動作

7

オーストリア、ベルギー、フィンランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン

緊張を強いる作業姿勢

6

オーストリア、ベルギー、フィンランド、イタリア、スペイン、スウェーデン

化学物質への暴露

   

化学物質の取り扱い

8

ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン、イギリス

発ガン性物質

6

ベルギー、ドイツ、アイルランド、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン

感染性生物学的要因

6

フィンランド、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、イギリス

生殖機能への危険有害要因

5

ベルギー、フィンランド、アイルランド、ポルトガル、スペイン

非感染性の生物学的要因

5

フィンランド、フランス、アイルランド、ポルトガル、スペイン

神経毒性物質

4

フィンランド、アイルランド、ポルトガル、スペイン

心理社会的労働条件

   

肉体的暴力

7

ベルギー、デンマーク、フィンランド、オランダ、アイルランド、スペイン、スウェーデン

いじめと個人攻撃

7

ベルギー、デンマーク、フィンランド、オランダ、アイルランド、スペイン、スウェーデン

高速での作業

6

ベルギー、デンマーク、フィンランド、オランダ、イタリア、スペイン

単調な作業

6

オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、スペイン、スウェーデン

機械に支配される作業ペース

4

ベルギー、デンマーク、イタリア、スペイン

社会的要求に支配される作業ペース

3

デンマーク、スペイン、スウェーデン

セクシャルハラスメント

2

デンマーク、スペイン

労働の背景状況

   

個人用保護具

6

ベルギー、フィンランド、イタリア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン

OSH上の諸結果

   

ストレス

10

ベルギー、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イギリス

筋骨格障害

8

オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン

3日を超える休業を伴なう労働災害

7

ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン

職業性疾病

7

ベルギー、デンマーク、フィンランド、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン

死亡災害

6

ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン

職業性の病休

5

ベルギー、アイルランド、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン

上の表から、すべての暴露指標/OSH上の諸結果について、新たな防止策の必要性は平均的に指摘されていることがわかる。振動をはじめ、物理的影響のグループに代表される伝統的な職場のリスクについては、十分な対策をとる必要性はいまも指摘されている。しかし同じ暴露指標/OSH上の諸結果のグループのなかでも、加盟国によって新たな防止策の必要性を指摘する程度は異なっている。

姿勢/動作暴露グループでは、手作業に伴なって発生することの多い「重量物の持ち上げ/移動」を指摘する国が9ヵ国あった。

心理社会的労働条件グループでは、「肉体的暴力」と「いじめと個人攻撃」の2つがトップで、「高速での作業」「単調な作業」が僅差で続いている。

すべての暴露指標/OSH上の諸結果のなかで、「ストレス」は、今後の労働環境の制御のための新たな防止策の必要性があると指摘する国が10ヵ国にのぼった。




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