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EU 欧州連合の労働安全衛生の状況−パイロット調査
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JICOSH 注) 国際標準産業分類(ISIC; International Standard Industrial Classification )はこちら 「建設」産業は、20項目の暴露指標/OSH上の諸結果のうち、以下の9項目でリスクが最大とする回答がもっとも多かった(112回)。 ■ 振動、低温、重量物の持ち上げ/移動、緊張を強いる作業姿勢、個人用保護具の使用 ■ 3日を超える休業を伴なう災害、死亡災害、職業性疾病、筋骨格障害 次に回答数が多かった(63回〜52回)産業グループは、「金属加工製品の製造(機械および設備を除く)」「農業、狩猟および関連業種」「医療およびソーシャルワーク」「食品および飲料の製造」である。
JICOSH 注) 国際標準産業分類(ISIC; International Standard Industrial Classification )はこちら 「鉱業、建設業、製造業および運輸の単純労働者」は、20の暴露指標/OSH上の諸結果のうち、以下の10の職業でリスクが最大であるとする回答がもっとも多かった(123回)。 ■ 振動、低温、高温、重量物の持ち上げ/移動、化学物質の取り扱い、緊張を強いる作業姿勢 ■ 死亡災害、職業性の病休、職業性疾病、筋骨格障害 2位から4位の職業グループは「金属、機械および関連職業従事者」(80回)「採鉱、建築職従事者」(76回)「機械操作員および組立工」(73回)である。 回答数が19回〜36回あったのは、「販売」「顧客サービス」「医療およびソーシャルワーク」関連の官民の職業である。 その他のリスク分類−企業規模、性別、年齢、雇用形態各国段階での情報が得られないため、企業規模、性別、年齢、雇用形態のリスク種別に関連した回答数は少なかった。したがって、これらの分類のうちでリスクが最大なのはどれかは判断できなかった(4.2参照)。そこで「性別」以外は、国別報告でフォーカル・ポイントが共通にコメントした内容だけを以下に記載した。 性別国別報告のデータから、騒音、振動、高温、低温に対しては男性の方がリスクが高いとみられていることは明白である。また男性は、3日を超える休業を伴なう労働災害、死亡災害、職業性疾病のリスクも高いとされている。一般に女性は、反復動作とセクシャルハラスメントのリスクが高いとみられている。 暴露指標/OSH上の諸結果について、性別のリスクを報告したフォーカル・ポイントの数を以下の表に記載した。
フォーカル・ポイントの共通のコメントを基にしたその他のリスク分類企業規模 小規模企業ほどリスクが高いとの指摘が多かった。その理由は、職場の個別の危険有害要因と、リスク低下に最適な既存の慣行を理解するためのリソース(時間、資金、専門要員)が限られているからである。 年齢多くの理由から、若年層は職場の危険有害要因の影響をとくに受けやすいとする意見が多かった。若年労働者はリスクのある作業により積極的であるとの報告もあり、また若年であるために経験と労働環境への理解が不足し、リスクがより大きいとみられている。さらに同僚労働者にみずからの能力を誇示したいと考える場合もあり、これも災害の可能性を高める要因になりうる。 若年労働者はリスクに対する判断力も弱い場合がある。騒音、手作業、有害物質などは、最初に暴露してから職業性の負傷という結果をもたらすまでに相当の時間がかかる場合があるからである。したがってリスクが十分に理解されず、制御対策も十分に守られないおそれがある。個人用保護具の装着に積極的でない若年労働者がいるとされるが、これが一因かもしれない。 雇用形態自営業者、派遣労働者、短期契約労働者がリスクが高いとする指摘や意見が多かった。リソースが少なく、とくに安全衛生の研修と情報へのアクセスが限られているからである。これらのグループへの安全衛生の取り組みが十分か、経営者の責任が何かは不明である。安全衛生の情報が十分に提供されているか、そのためにどのような制度があるかも明らかではない。これらのグループが安全衛生情報と研修の活用法を確立することが重要である。
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