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欧州連合の労働安全衛生の状況−パイロット調査
4.2特定のリスク分類についての情報ギャップ
下の表は、企業規模、性別、年齢、雇用形態のリスク分類について、国別報告に国内データが含まれているものと、不足のあるものを示している。
暴露指標/OSH上の諸結果
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企業規模
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性別
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年齢
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雇用形態
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騒音
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〇
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振動
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〇
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●
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〇
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高温
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〇
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●
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〇
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低温
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〇
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●
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〇
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〇
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姿勢および動作の暴露
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〇
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●
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〇
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〇
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重量物の持ち上げ/移動
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〇
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●
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〇
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〇
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反復動作
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〇
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〇
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〇
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〇
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緊張を強いる作業姿勢
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〇
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〇
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〇
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〇
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化学物質の取り扱い
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〇
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〇
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心理社会的労働条件
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〇
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高速での作業
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〇
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〇
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社会的要求に支配される作業ペース
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〇
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〇
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〇
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機械に支配される作業ペース
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〇
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〇
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肉体的暴力
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〇
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〇
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いじめと個人攻撃
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セクシャルハラスメント
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単調な作業
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労働の背景状況
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個人用保護具
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OSH上の諸結果
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●
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筋骨格障害
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〇
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ストレス
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〇
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〇
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職業性の病休
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〇
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〇
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〇
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凡例:
● 国別報告のデータに基づいて欧州全体の状況が提示できるもの
○ 国別報告にデータがないため、欧州全体の状況が提示できないもの
上の表は、雇用形態については各国情報がまったくないことを明示している。企業規模と年齢のデータもきわめて少なく、それぞれ2つまたは3つの暴露指標/OSH上の諸結果に関するデータしかない。性別については、10の暴露指標/OSH上の諸結果の国別データがある。
暴露指標のなかには、相互に関係し合っているためデータ収集がむずかしいものがある。具体的には、ストレス、いじめと個人攻撃、セクシャルハラスメントは、いずれも相互に影響し合う可能性がある。これらの指標については、リスクを基礎にした視点から相対的な重要性を判定するための調査を行い、これらのデータを収集、照合、分析する価値があるかどうかを決定する必要があるかもしれない。
今後の労働安全衛生状況の監視において、これらのリスク分類が、影響を受けやすいグループ把握のための方法として位置づけられる場合は、その価値を確定し、信頼できる情報を収集するための最適な方式を検討する必要があるかもしれない。
各加盟国が実施している労働安全衛生システムの多様性は、システムに関する質問への回答で明らかになった。予防的な労働安全衛生サービスの対象となっている労働者の比率、労働安全衛生研修の年間受講労働者数の報告は不十分で、欧州全体の状況を提示することはできなかった。今後、EU内の労働安全衛生の状況についてのデータを収集するためには、労働安全衛生システムに対する加盟国の理解を高める必要があるかもしれない。
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