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マレーシア国法

法律番号514

労働安全衛生法 1994年
Occupational Safety and Health Act 1994


(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちらから(マレーシアNIOSHへのリンク)
   


マレーシア国法

法律番号514

労働安全衛生法
1994年

 就業時の労働者の安全と健康と福祉を確保し、就業時の労働者の活動に関連しての安全と健康に対するリスクからその他の者を保護し、労働安全衛生全国協議会を設置することに関する追加規定、および関連規定を定めた法律。

[              ]

 召集された議会において、最も高貴な国王陛下が、国家委員長および国民委員会の助言と同意を受け、議会の許可を得て以下のとおり制定する。



第1章
序章



1. 略称と適用

(1) 本法は1994年労働安全衛生法として引用することができる。

(2) (3)項に基づき、本法はマレーシア全土で付属書1に定める産業に適用されるものとする。

(3) 本法に定めるいかなる規定も、1952年商船輸送条例(条例第70号/52年)、サバ州またはサラワク州の1960年商船輸送条例(サバ州条例第11号/60年、サラワク州条例第2号/60年)に準拠する航海中の船舶における作業および軍隊における作業には適用されないものとする。

2. 優先法規

(1) 本法に定める規定は労働安全衛生に関するその他の成文法に追加するもので、かかる成文法を無効にするものではない。

(2) 本法に定める規定と労働安全衛生に関するその他の成文法との間で矛盾または抵触が生じた場合は、本法が優先するものとし、またその他の成文法の矛盾または抵触する部分は本法に代置されると解釈するものとする。

3. 解釈

(1) 本法では、文脈上、異なる意味に解釈すべき場合を除き、下記の語句は以下に定める意味を有するものとする。

「雇用契約」とは、個人が別の個人に労働者として雇用されることに合意し、または労働者として雇用主に仕えることに合意した、口頭または書面による、明示または黙示の契約のことで、徒弟奉公の契約を含む。

 「協議会」とは、第8条に基づいて設置される労働安全衛生全国協議会のことをいう。

 「労働者」とは、本法が適用される産業の仕事に就いて、または関連して、雇用契約に基づいて賃金を得るために雇用される者のことで、以下の者を含む。

 (a) 職場またはその他の場所において、上記産業の仕事に付随し、先行し、または関連した仕事を履行するために主たる雇用主に直接雇用される者。
 (b) 上記産業の目的のために、または上記産業の目的に付随して履行する仕事の通常的部分としての仕事に関して、上記産業の職場で直接の雇用主に雇用され、または主たる雇用主もしくはその代理人の監督下で雇用される者。
 (c) 雇用契約を締結した相手方の者によって、一時的に雇用が主たる雇用主に貸与または賃貸される者。

 「雇用主」とは、直接の雇用主もしくは主たる雇用主または両者のことをいう。

 「政府」とは、連邦政府、州政府または地方政府のことをいう。

 「直接の雇用主」とは、直接の雇用主によって、または直接の雇用主を介して雇用される労働者に関して、主たる雇用主が事業、商業もしくは職業を営む職場において、または主たる雇用主もしくはその代理人の監督下で仕事を履行することを引き受けた者のことで、その者の仕事の一部もしくは全部が主たる雇用主の事業、商売もしくは職業の通常的部分の仕事であるか、または主たる雇用主の事業、商売もしくは職業に先行し、もしくは付随する仕事である。直接の雇用主には、雇用契約を締結した労働者の雇用を、一時的に主たる雇用主に貸与または賃貸した者を含む。

 「産業」とは、公益事業、法定機関または付属書1に定める経済活動のことをいう。

 「占有者」とは、職場に関して、職場を管理または監督する者のことをいう。

 「担当官」とは、第5条(2)項に基づいて任命された労働安全衛生担当官吏のことをいい、労働安全衛生担当総局長、副総局長、局長、局長補、副局長を含む。

 「職場」とは、労働者が仕事を行う施設、または設備や物質の保管に使用する施設のことをいう。

 「設備」には、機械、装置、器具、器械もしくは工具、またはそれらの構成部品、付属品および取付部品を含む。

 「実行可能」とは、以下の事項に関して実行可能であることをいう。
 (a) 問題のリスクまたはハザードの深刻さ
 (b) リスクまたはハザードの認識レベルおよびリスクまたはハザードを除去または緩和する方法
 (c) リスクまたはハザードを除去または緩和する方法の利用可能性および妥当性
 (d) リスクまたはハザードを除去または緩和する費用

 「施設」には、下記が含まれる。
 (a) 土地、建物または建物の一部
 (b) 車両、船舶または航空機
 (c) 陸地、沖合または海底もしくは海上のその他の場所における架設物
 (c) テントまたは可動式構造物

 「規定する」とは、本法または関係法規に規定されることをいう。

 「主たる雇用主」とは、事業の所有者または労働者が雇用契約を締結した相手方当事者のことをいい、以下の者を含む。
 (a) 労働者に対して賃金を支払う責任を有する管理者、代理人またはその他の者
 (b) 職場の占有者
 (c) 死亡した所有者または占有者の法律上の代表者
 (d) マレーシア政府、マレーシア政府の部局、地方政府または法定機関

 「秘書官」とは、第12条(1)項に基づいて任命された秘書官のことをいう。

 「自営業者」とは、他者を雇用するか否かに関係なく、雇用契約以外に基づいて利得または報酬を得るために働く個人のことをいう。

 「物質」とは、固体、液体、ガス、蒸気またはそれらを組み合わせた形の天然または人工の物質のことをいう。

 「仕事で使用する物質」とは、仕事だけに使用するか否かを問わず、就業時の労働者が使用を企図し、または使用するために納入された物質のことをいう。

 「納入」とは、設備または物質に関して、本人または代理人が販売、交換、賃貸借、購入または割賦販売によって納入することをいう。

 「労働組合」とは、1959年労働組合法(法律第262号)に定める意味の範囲内における労働者または労働者の組合または組織のことをいう。

(2) 本法の解釈上、就業時の作業員の活動に起因するリスクは、業務の履行方法、業務目的に使用する設備または物質、および業務目的に使用される施設またはその一部の状態を原因とするリスクに含まれるものとして取り扱うものとする。

(3) 本法の解釈上、
 (a) 「仕事」とは、労働者または自営業者としての仕事のことをいう。
 (b) 労働者は、職場にいる間は就業時と見なし、それ以外の場合は就業時とは見なさない。
 (c) 自営業者は、自営業者として仕事に従事している間は就業時と見なされる。

4. 本法の目的

本法の目的は以下のとおりである。
 (a) 就業時の労働者の安全と健康を、その活動に起因する安全と健康に対するリスクから保護すること。
 (b) 職場にいる就業時の労働者以外の者を、就業時の労働者の活動に起因する安全と健康に対するリスクから保護すること。
 (c) 就業時の労働者の生理的、心理的要求に適合した作業環境作りを促進すること。
 (d) 労働安全衛生に関する関係法規が、安全衛生基準を維持または改善することを企図とした本法の規定と相まって運用されるところの体系的規則および承認された産業活動規範に徐々に取って代わられるような手段を提供すること。


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