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マレーシア国法

法律番号514

労働安全衛生法 1994年
Occupational Safety and Health Act 1994


(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちらから(マレーシアNIOSHへのリンク)
   

第12章
違反行為の責任


51. 一般的処罰

本法または本法に基づいて制定された規則に反する作為または不作為を犯した者は、法律違反を犯したことになり、処罰が明確に規定されていない場合において、有罪判決を受けたときは、1万リンギット以下の罰金または1年以下の禁固または両刑に処すものとし、また有罪判決を受けた後も違反行為が継続する間は、1日につき、1000リンギット以下の追加の罰金が課されるものとする。

52. 法人の違反行為

(1) 法人が本法または本法に基づいて制定された規則に違反した場合、違反を犯した時点でかかる法人の取締役、経営者、秘書役、その他の業務執行担当役員を務めるすべての者は上記規定に違反したものと見なし、法人に関する法的手続において連帯してあるいは個別に責任を負い、またかかる法人の取締役、経営者、秘書役、その他の業務執行担当役員は上記違反の罪を犯したと見なすものとする。

(2) (1)項の規定に基づいて法人に対して訴訟が提起され、または有罪の判決が下されたか否かに関わらず、上記規定に基づいて個人に対して訴訟を提起し、または有罪の判決を下すことができる。

53. 労働組合の違反行為

(1) 労働組合が本法または本法に基づいて制定された規則に違反した場合、かかる労働組合の役員、労働者および役員の指示に基づいて行動したと申し立てられた者が上記規定に違反したものと見なし、労働組合に対する法的手続において連帯してあるいは個別に責任を負い、またかかる労働組合の役員、労働者、その他の者は上記違反の罪を犯したと見なすものとする。

(2) (1)項の規定に基づいて労働組合に対して訴訟が提起され、または有罪の判決が下されたか否かに関わらず、上記規定に基づいて個人に対して訴訟を提起し、または有罪の判決を下すことができる。

54. 代理人の違反行為

ある者が自分で犯したとすれば、本法または本法に基づいて制定された規則に基づき処罰されると思われる行為をした場合、かかる者は代理人が犯した行為に対する処罰と同じ処罰を受けるものとする。

55. 抗弁

本法または本法に基づいて制定された規則に基づく違反行為を理由として、ある者に対して提起された法的手続において、違反行為がかかる者の承認または黙認なしに行われ、またかかる者の職務、資格およびすべての事情に鑑み、かかる者が違反行為を防止するために尽くすべきであった相当の努力を尽くしたことを裁判所に確信させれば、抗弁を構成するものとする。

56. 法人または労働組合に対する科料

法人または労働組合が本法または本法に基づいて制定された規則に基づく違反行為で有罪の判決を受けた場合、かかる違反行為に対して規定された罰金が科されるのみとする。

57. 幇助と教唆

本法に基づく違反行為を幇助または教唆した者は、かかる違反行為に対して規定された処罰を受けるものとする。

58. 追加の個人的責任に対する保護

本法または本法に基づいて制定された規則に基づき、ある者が本法または本法に基づいて制定された規則に基づく義務の履行に際して、かかる者の作為または不作為によって損失または損害が発生した場合でも、かかる損失または損害に対する個人的責任を負わないものとする。但し、損失または損害が故意、無謀または過失によって発生した場合はこのかぎりではない。

59. 第4章、第5章および第6章の影響を受けない民事責任

第4章、第5章および第6章ならびに関連する産業活動規範に定めるいかなる規定も、
 (a) 作為もしくは不作為による上記規定の違反に関する民事訴訟の訴権を与え、または
 (b) 民事訴訟の訴権に対する抗弁を与え、もしくは民事訴訟の訴権に影響を及ぼし、または
 (c) 安全衛生に関するその他の法律に基づいて課された義務の違反に関して発生した訴権または提起された民事訴訟の範囲に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

60. 実行可能な限界を立証する責任

可能なかぎり、何かを行い、または何かを行うために最善の手段を使用する義務もしくは要件の不履行を構成する、本法または本法に基づいて制定された規則に基づく違反行為に対する法的手続において、かかる義務もしくは要件を履行するために実際に行われたこと以上のことを行うことが不可能であったこと、またはかかる義務もしくは要件を履行するために実際に使用された手段より良い手段がなかったことを立証する責任は被告人にあるものとする。

61. 訴追

本法または本法に基づいて制定された規則に基づく違反行為の訴追は、事前に書面で検察官の承諾を得た上で、刑事訴訟法の規定に基づいて、安全衛生担当官吏または総局長から書面で権限を授権された役人が提起および遂行することができる。

62. 違反行為の私和

(1) 主務大臣は、官報に記載した命令によって、本法または本法に基づいて制定された規則に基づく違反行為を、私和することができる違反行為として規定することができる。

(2) 総局長は、有罪判決が下される前であれば、随時、(1)項に定める違反行為を私和することができる。かかる違反行為については、違反行為を犯した合理的な嫌疑がある被疑者が有罪判決を受けた場合に科される罰金の上限を上回らない金額を被疑者から徴収することで私和することができる。
但し、総局長は、被疑者が書面で違反を犯したことを認め、本条に基づき違反行為を処分するように総局長に要請しない限りは、本条に基づく権限を行使してはならない。



(注)私和・・・当事者双方が表沙汰とせず、志談ですますこと


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