• EU-OSHA Press release 2010年6月22日

欧州安全衛生機構(EU-OSHA)は、2009年の年次活動報告書の中で「安全衛生に関する費用の支出は、長期的には企業の収益に結びつくものであり、経済不況の影響により、短期的視点から節減することは不適切な行動である。」との見解を付して公表した。
約70ページの本体と4ページの要約とから成るが、要約に記載される内容を中心に当該活動報告書の概要を紹介する。
当該活動報告書の内容のうち、JISHA海外トピックスで紹介したものについては、当該トピックスの題名等を記載したので参照されたい。

原資料の題名と所在
Annual Report 2009: spending on health and safety is an investment not a cost (Publishing Date: 15.06.2010)

• 概要（View  )
• 本文（Download the full publication as  PDF 1897Kb)
• 要約版（Summary - Annual Report 2009  PDF 443Kb)
  
  
  • 要約版の概要
  • 運営に関する事項及び付属資料目次

欧州安全衛生機構（EU-OSHA） 年次活動報告書（2009年）
要約版の概要

2009年における活動の要点

1

情報の収集及び解析

1.1

リスク監視部門（European Risk Observatory-ERO）

1.1.1

新規及び増大するリスクに関する調査報告の刊行

1.1.2

文献調査報告他の刊行

1.2

作業環境情報部門（Working Environment Information）

1.2.1

職場健康増進プロジェクト関連資料の刊行

1.2.2

安全衛生教育関連資料の刊行

1.2.3

リスクアセスメントキャンペーンの一環としてのリスクアセスメントツールデータベース提供の開始及び資料の刊行

1.2.4

保全作業に関する安全衛生キャンペーン（2010〜2011）関連資料の作成

2

情報の周知、キャンペーン、啓発

2.1

リスクアセスメントに関する安全衛生キャンペーン

2.2

欧州における安全衛生に関する意識調査結果

2.3

その他

3

2010年への展望

1 情報の収集及び解析

1.1リスク監視部門（European Risk Observatory-ERO）

1.1.1 新規及び増大するリスクに関する調査報告の刊行

• 「新規及び増大するリスクに関する欧州広域企業調査
  (ESENER- European Survey of Enterprises on New and Emerging Risks  )」
• 「欧州安全衛生機構リスク監視活動報告書No.8（労働安全衛生に関する化学物質によるリスク増大についての専門家の予測報告書
  （Expert forecast on emerging chemical risks related to occupational health  ）)及びファクトシート」
  この報告書は、JISHA海外トピックスでも紹介された物理/生物学的要因、振動障害及び皮膚障害についての報告書に続いて刊行された。また、「安全衛生上のリスクに関する展望（New and emerging risks in occupational safety and health）」は、上記4件の報告書に基づいて刊行された。
• 数字で見る欧州の職場ストレス（OSH in figures: stress at work facts and figures  ）
• 数字で見る欧州の筋骨格系障害
  （OSH in figures: Work-related musculoskeletal disorders in the EU - Facts and figures  ）

1.1.2 文献調査報告他の刊行

• 増大するリスクとしての人と機械のインターフェース
  （The human-machine interface as an emerging risk  ）
• 清掃作業者の労働安全衛生（The occupational safety and health of cleaning workers  ）
• EU 諸国における発がん性、変異原性、生殖毒性物質のばく露限界に関する調査
  （Exploratory survey of Occupational　Exposure Limits (OELs) for Carcinogens‚ Mutagens and Reprotoxic substances (CMRs) at EU Member States level  ）
• 労働監督官による安全衛生戦略の策定
  （Labour inspectorates' strategic planning on safety and health at work  ）

1.2 作業環境情報部門（Working Environment Information）

1.2.1 職場健康増進プロジェクト関連資料の刊行

• 輸送部門における健康増進（ E-fact 47: Health promotion in the transport sector  ）
• 健康管理部門におけるメンタルヘルス増進
  （E-fact 46: Mental health promotion in the health care sector  ）

1.2.2 安全衛生教育関連資料の刊行

• 加盟各国における安全衛生及びリスクに関する教育の学校教育カリキュラムへの組み込み及び実施の状況
  （OSH in the school curriculum: requirements and activities in the EU Member States  ）
• 若年労働者のリスク防止に関する政策、プログラム、職場事例
  （Preventing risks to young workers: policy‚ programmes and workplace practices  ）

1.2.3 リスクアセスメントキャンペーンの一環としてのリスクアセスメントツールデータベース提供の開始及び資料の刊行

• 中小企業向け無料リスクアセスメントツールデータベース
  （online interactive risk assessment tool (OiRA)  ）
• リスク防止の実例―リスクアセスメントキャンペーン表彰対象事例集
  （Prevention of risk in practice: Good practice related to risk assessment  ）
• 職場リスクの評価、除去、極限的抑制
  （Assessment‚ elimination and substantial reduction of occupational risks  ）
• 多様な労働者のすべてを対象としたリスクアセスメント
  （Workforce diversity and risk assessment:ensuring everyone is covered  ）

1.2.4 保全作業に関する安全衛生キャンペーン（2010〜2011）関連資料の作成
（Healthy Workplaces Campaign on Safe Maintenance  ）

2 情報の周知、キャンペーン、啓発

2.1 リスクアセスメントに関する安全衛生キャンペーン

Healthy Workplaces Campaign on Risk Assessment

2009年は、リスクアセスメントに関する安全衛生キャンペーンの最終年であったので、下記の情報提供及び行事の開催などが行われた。

• 正式協力団体の活動（official campaign partners  ）
• 優良事例表彰（Good Practice Awards  ）
• 欧州安全衛生週間行事（European Week for Safety and Health at Work‚ in　October 2009  ）
• 欧州の健康な職場活動トップ会合（Healthy Workplaces European Summit 2009  ）

3 2010年への展望

• 将来増大が予測されるリスクへの取り組み、当面は、グリーンジョブ（環境に対する影響を持続可能な水準まで減じかつ経済的に成立する雇用）に関する情報に重点を置く。
• 文献調査：ナノテクノロジー、労働者参加、MSD及び社会心理的リスクへの複合ばく露、自営業者に存在するリスク、保全作業に関する安全衛生キャンペーンに関する事項
• 無料リスクアセスメントツールデータベース（online interactive risk assessment tool (OiRA)）の評価と普及
• 安全衛生に関する経済的インセンティブ（保険料、税制など）が各国で実施されている状況調査
• 職場の健康増進活動（Workplace Health Promotion project）に関するファクトシート、事例集などの作成
• 2012-13年の安全衛生キャンペーンのテーマ選定他の準備

欧州安全衛生機構（EU-OSHA） 年次活動報告書（2009年）
運営に関する事項及び付属資料目次

上記の要約に記載した事項の詳細(7-33)ページの他に運営に関する事項及び12件の付属資料が掲載されている。

運営に関する事項

2009年における支出

人件費

517万7千ユーロ

建物、機器費

155万ユーロ

活動費

732万ユーロ

合計

1‚404万7千ユーロ

職員数

66人　(男性　19人、女性　47人)
同国籍別内訳
オーストリア　3人、ベルギー　3人、デンマーク　1人、フィンランド　2人、フランス　7人、ドイツ　3人、ハンガリー　1人、アイルランド　2人、イタリア　4人、ラトビア　1人、オランダ　1人、ポーランド　2人、スペイン　28人、イギリス　8人

付属資料

  1

運営委員会名簿

  2

組織の概要

  3

組織図

  4

職員名簿

  5

各国フォーカルポイントリスト

  6

各国フォーカルポイントの活動状況

  7

各国トピックセンター(協力機関)

  8

ウェブサイト年間アクセス件数　約230万件、マスコミ報道件数　2‚162件

  9

2009出版物リスト

10

支出金額の内訳

11

監査報告書

12

2010年の展望