キャンペーン・募集
令和6年度 全国労働衛生週間
令和6年度 全国労働衛生週間によせて
10月1日(火)から10月7日(月)まで、令和6年度「全国労働衛生週間」が展開されます。
全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的に、昭和25年から毎年実施されています。
今年のスローガンは「推してます みんな笑顔の 健康職場」と決まりましたが、過去のスローガンから、その時代の労働衛生の課題、施策等が見えてきます。
かつては、「職業性疾患の絶滅」「健康診断の完全実施」がスローガンに掲げられ、法令遵守の徹底や有害環境の改善が課題であったと考えられますが、それが、「衛生点検」「健康な職場を作ろう」「快適な職場を作ろう」へと変わり、労働安全衛生法制定前後からは、「快適な職場」「健康なからだ」、さらには、「作業環境の改善」「健康な職場づくり」「明るい職場」へと変わっていきました。
昭和60年頃からは、健康保持増進対策の推進を念頭に、「心とからだの健康づくり」「心とからだの健康管理」がスローガンに、そして、平成4年の快適職場指針の公表後には「快適職場」が連続してスローガンに掲げられるようになり、過重労働による健康障害やメンタルヘルス不調などの健康問題が課題とされ、メンタルヘルス指針が公表された頃からは、「心とからだ」「心の健康」「心とからだの健康チェック」がスローガンに掲げられ、最近では、今年のスローガンのように「健康職場」という言葉が取り上げられることが多くなっています。
令和6年度全国労働衛生週間の実施要綱では、重点実施事項として、過重労働による健康障害防止のための総合対策、メンタルヘルス対策の推進、転倒・腰痛災害の予防対策、化学物質による健康障害防止対策、石綿による健康障害防止対策等と並んで、職場における受動喫煙防止対策が掲げられています。
平成15年5月の健康増進法の施行により受動喫煙防止に係る具体的な措置内容が示され、公共交通機関や公共施設などで分煙や禁煙の取り組みが広がっていきました。そして受動喫煙防止対策の強化を目的に、令和2年4月1日から改正健康増進法が全面施行され、多数の者が利用する様々な施設が「原則屋内禁煙」となりました。
一方、職場での受動喫煙防止対策については、労働安全衛生法第68条の2(平成27年6月施行)により、事業者及び事業場の実情に応じた措置を講ずるよう努めるものとするとの努力義務が規定され、さらに、改正健康増進法の施行を踏まえて、「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」(令和元年7月1日付け基発0701第1号)が公表されています。
このガイドラインでは、受動喫煙防止対策について、事業者と労働者がそれぞれの役割を認識し組織的に実施すること、推進計画を策定すること、担当部署や担当者を指定し受動喫煙防止対策全般についての事務を所掌させること、労働者に対して受動喫煙による健康への影響や健康増進法の趣旨等に関する教育や相談対応を行って受動喫煙防止対策に対する意識の高揚を図ること、喫煙専用室を設置する場合には健康増進法における技術的基準を満たすものとすることなどが挙げられています。
全国労働衛生週間を契機に、「健康職場」の実現を目指して、受動喫煙の健康への影響に関する理解を図るとともに、受動喫煙防止対策の意義などついて改めて考えてみてはいかがでしょうか。
令和6年8月
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