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キャンペーン・募集

安全衛生教育促進運動

安全衛生教育の実施について

1. 安全教育の必要性

事業場においては、機械設備の安全化、作業マニュアルの整備などによって安全対策が講じられています。また、最近はリスクアセスメントによる取り組みも進められています。しかし、実際に作業を行う労働者や労働者を指揮、監督する者が安全についての知識や技能を十分に有していないと、これらの安全対策も実効をあげることが出来ません。特に、危険な業務に従事する労働者が安全についての知識、技能を十分に持たないで、作業方法を誤ってしまうと、すぐさま大きな労働災害につながりかねません。

このように安全に関する知識を付与する安全教育は、労働災害を防止する上で大変重要な意義を持っています。 教育に実施に当たっては、それぞれの労働者の業務の内容に応じて、対象者、実施時期、教育内容等を適切に定め、繰り返し、計画的に行っていくことが必要です。

教育を行う者には、その内容に十分な知識を有する者を充てることが必要であり、そういう人材を養成することも重要です。しかし、そのような人材がいない場合には、事業場の外部の専門家や専門の教育機関を活用することになります。外部の専門家や教育機関を活用することは、その事業場での教育の内容をリフレッシュするのにも有効と考えられます。

また、教育を教育担当者任せにするのではなく、ときには、経営トップが教育の場に立ち、自らの経験をもとに、安全に対する熱意や考え方を労働者に伝えることは、労働者の安全意識を高め、事業場の安全活動を活発化させることにつながります。

2. 教育の種類

労働安全衛生法(安衛法)においては、次の教育の実施が事業者に義務付けられています。

  • ① 雇入れ時教育(安衛法第59条)
  • ② 作業内容変更時教育(安衛法第59条)
  • ③ 職長等教育(安衛法第60条)

また、事業者は次の教育の実施に努めなければならないとされています。

  • ① 安全管理者等労働災害を防止するための業務に従事する者に対する能力向上教育(安衛法第19条の2)
  • ② 危険または有害な業務に従事する者に対する安全衛生教育(安衛法第60条の2)
  • ③ 健康教育(安衛法第69条)

さらに次項のような教育の実施が推奨されています。

3. 教育の実施

教育の実施に当たっては、教育内容の充実を図りつつ、次のように計画的に実施していくことが重要です。

(1) 実施計画等の作成等

教育の種類ごとに、対象者、実施時期、実施場所、講師、教材等を定めた年間の実施計画を作成します。なお、労働者の職業生活を通じての継続的な教育を実施するために、中長期的な教育計画を作成することが望ましいところです。

また、教育を継続的、効果的に行っていくために、労働者ごとに、どのような教育をいつ受けたか等の記録を作成しておくことが重要です。

(2) 実施責任者の選任

実施計画の作成、実施、実施結果の記録・保存等教育に関する業務の実施責任者を選任します。

(3) 教育内容の充実

  • ア 教育内容の充実のため、講師、教材等については次の点に留意します。
    • ① 講師は、当該業務に関する知識・経験を有し、かつ、教育技法に関する知識・経験を有する者であること。
    • ② 教材は、カリキュラムの内容を十分満足するほか、労働災害事例等に即した具体的な内容とすること。また、プレゼンテーションソフト、DVD等の視聴覚教材を活用すること。
    • ③ 教育技法は、講義方式のほか、現場での実習、受講者が直接参加する事例研究、課題解決等の討議方式を採用するなどの工夫を行うこと。
      また、労働者の危険感受性を高めるため、危険を体感するような教育も有効であること。
  • イ 最近、若年層を中心に1社当たりの勤続年数が短くなっていること、入職したての若年層での災害発生率が高くなっていることなどがあり、このため、危険に対応する知識や技術を持っていない若年層に対しては、実際に従事する業務に特有の危険性や有害性、危険有害物の正しい取り扱い方法、作業手順なども含む実践的な雇入れ時教育を実施することが重要です。

(4) 安全衛生教育センターの活用

国は、安全衛生教育の水準の向上を図るため、安全衛生教育センターを設置し、その運営を中央労働災害防止協会と建設業労働災害防止協会に委託しています。同センターでは、職長等教育の講師養成をはじめ、事業者が行う安全衛生教育のトレーナー、インストラクター等の養成や安全衛生担当者、管理・監督者等の資質向上のための講座を開設しています。同センターを活用し、事業場内での講師養成等を行うことも、より有効な安全衛生教育の実施につながります。

実施が推奨されている安全衛生教育