キャンペーン・募集
令和4年度 年末年始無災害運動
化学物質のリスクアセスメントの導入・実施までの基本的な手順
~JISHA方式化学物質リスクアセスメントマニュアルより~
基本的な手順
STEP1 リスクアセスメント導入・実施宣言
- 事業場のトップ自らがリスクアセスメントの導入を宣言し、導入の目的、意義など事業場の導入方針を表明する。
STEP2 リスクアセスメント導入・実施するための推進体制の整備
- リスクアセスメント実施担当者等を決めて、役割分担を明らかにする。
- 総括管理:総括安全衛生管理者など
- 実施管理:安全管理者、衛生管理者、ライン管理者など
- 技術的業務:化学物質管理者など
- 推進担当者として安全管理者、衛生管理者、化学物質管理者、ライン管理者などでワーキンググループを作り、リスクアセスメントの実施手順、評価方法など技術的事項を検討し、リスクアセスメント実施マニュアルを作成する。
- 推進担当者は、自らの役割が適切に遂行できるよう、外部の研修を受講するなどリスクアセスメントに必要な知識を習得する。
- 化学物質管理者、ライン管理者、作業主任者など各部門の安全衛生担当者が中心となって実施担当する。
- 実施担当者は、製造又は取り扱う化学物質の種類、作業方法、設備、化学物質のばく露状況等の事業場の実態に精通している者で、化学物質の適切な管理について十分な知識、経験のある者が担当する。
STEP3 リスクアセスメントの実施マニュアル(手順書)の作成
- 推進担当者は全職場で統一した基準でリスクアセスメントを実施するために、化学物質の危険有害性(ハザード)の評価方法、ばく露の評価方法、発生の可能性、爆発の威力等のリスクの見積もり方法の基準(リスク評価基準)などリスクアセスメントマニュアル(実施手順書)を作成する。
- リスクアセスメントマニュアルが決まったら、リスク評価表(記録用)を作成する。
STEP4 トライアルの実施
- トライアルの実施は、作成したリスクアセスメントマニュアルが適切かどうかの確認を目的とし、問題点があれば修正を行う。
- トライアルの実施場所は、できるだけ単純な工程で情報量の多い化学物質を使用している職場を選んで行う。
- トライアルのメンバーは、各職場のリーダーを集めて行うとその後の職場への展開がスムーズになる。
STEP5 リスクアセスメントの実施マニュアルの決定・周知
- 推進担当者は、職場の実施担当者などに実施マニュアルについて教育し、化学物質のリスクアセスメントについて理解と周知をはかるとともに、リスク評価の平準化をはかります。
STEP6 各職場でのリスクアセスメントの実施
- 実施マニュアルに従い、リスクアセスメントを各職場で実施する。トライアルで出てこなかった問題点があれば修正を行う。
STEP7 リスクアセスメントの実施の事前準備
- 各職場で製造又は取扱う化学物質の安全データシート(SDS)を入手する。
- 作業手順書などで各職場における化学物質の使用状況などを把握する。
- 個人ばく露濃度測定結果、作業環境測定結果、生物学的モニタリング測定結果などを収集する。
- 化学物質の法的な規制の状況、災害発生情報、ヒヤリハット報告も収集する。
- リスクアセスメント管理シートなどを実施記録用として作成しておく。
STEP8 安全衛生委員会の活用・リスクアセスメント結果の労働者への周知
- 安全衛生委員会では、リスクアセスメントが各職場で適切に実施され、その結果に基づいてリスク低減対策が検討・実施されているか審議・評価する。
- リスクアセスメント結果については、作業場に掲示するなど労働者に周知するとともに、その結果を記録・保存する。
リスクアセスメントの導入効果
- 職場で使用している化学物質の危険性及び有害性について、数値化して認識が高まった。
- 化学物質に対する具体的なリスクアセスメントができ、リスクの早期発見と低減対策に役立った。
- リスク低減対策の必要性がわかり、リスク低減対策の優先順位を決定して、リスク低減対策の実施がスムーズにできた。
- リスクアセスメント結果から管理基準に適合するよう化学設備を改善し、リスク低減対策のノウハウが蓄積された。
- 作業手順書の見直しができ、安全・衛生の向上につながった。
- リスクアセスメント結果を作業者への教育などに活用できた。